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(レポ&写真) [SB] 6.26 後楽園:宍戸、大野に勝利。片腕の弾丸が完勝

シュートボクシング協会 "SHOOT BOXING 20th Anniversary Series 3rd"
2005年6月26日(日) 東京・後楽園ホール

  レポート&写真:小林秀貴  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

第9試合 70kg契約 3分5R
×緒形健一(シーザージム/SB日本Sウェルター級王者)
○イム・チビン(韓国/Kpプロモーション/韓国ムエタイ総連ウェルター級王者) 
2R 終了時 TKO (ドクターストップ:右目の負傷)


 いまや人気絶頂のK-1 MAXのレベルと、SBのレベルの差を、一番感じさせられたのは、奇しくもこの日のメインイベントだった。
 SBの不動のエース・緒形 vs. K-1戦士・イム・チビン。イムはもともと、ライト級のファイターだったが、体を大きくしてK-1 MAXに殴り込み、魔裟斗と判定までもつれこむという大激戦を演じた。ビルドアップされたその体は、緒形より明らかに一回り大きく感じられた。
 圧巻だったのはイムの左ミドルキック。ボスン、というタイ人顔負けの重そうな音が、ホール全体に響き渡った。緒形もローから反撃の糸口を探ろうと試みるのだが、イムはライト級時代のスピードも保っており、バックステップでかわすなどして、決定打を許さない。
 勝負がついたのは2R。中盤、緒形が右額をカットしてドクターチェックが入ったのを皮切りに、イムの怒濤のキック地獄が待っていた。イムの攻撃によるものか、バッティングによるものかは不明だが、緒形は2Rが終わった時点で、右眼の視力が全くない状態に陥った。眼窩底骨折の疑いがあるということでTKO負け。ここまでSB勢の奮闘が目立った大会だったが、メインで苦杯を舐める悔しい結果となってしまった。

第8試合 71kg契約 3分5R
○宍戸大樹(シーザージム/SB日本ウェルター級王者)
×大野 崇(正道会館)
判定3-0 (茂木50-49/若宮49-48/北尻50-47)


 宍戸は体重でややハンデがあるものの、それをカバーして余りあるスピードで動き回り、5Rフルに戦い抜いて完勝。K-1戦士に「形の上では借りを返した」(リング上でのマイクアピール)格好となった。
 1Rから宍戸の速さは際だった。序盤、ローで先手を握ると、左フックで一瞬大野の足が止まったところをパンチの連打。終盤にはバックハンドブローもヒットさせた。
 4R中盤、大野は右目尻を大きくカット。さらに5Rにもバッティングで左目上もカットするなど満身創痍で、最後まであきらめない正道魂は見せつけたものの、宍戸の5Rまで衰えないスピードの前に反撃の糸口を見いだせなかった。
 

第7試合 68kg契約 3分5R
○バクスター・ハンビー(カナダ/WMTF世界Sウェルター級王者)
×ジョン・ベクホー(韓国/Kpプロモーション)
判定3-0 (大村50-47/角田49-48/平50-47)


 片手のチャンピオン、バクスター・ハンビーはサイドキックなどの変則技も見せながら、左ロー、右ハイ、そして左ストレートという研ぎすまされたコンビネーションで、韓国の新鋭につけいる隙を与えなかった。
 すべては間合いの勝負だった。ハンビーは、遠目の距離からサイドキック、前蹴りを叩き込み、自らのハンデであるパンチの接近戦に持ち込ませない。
 パンチはスウェー、キックはバックステップでかわされてはベクホーも反撃のしようがない。
 ハンビーは、左右自在の構えから、キック、パンチを自由に操り、「片腕」が「見せ物」でもなんでもない、真の実力を備えた「3冠王」がであることを証明した。

第6試合 57kg契約 3分5R
○石川剛司(シーザージム/SB日本フェザー級3位)
×ラジャサクレック・ソー・ワラピン(タイ/ウィラサクレックジム)
1R 1'28" KO (チョークスリーパー)


 ラジャサクレック側の強い要望により、肘ありの特別ルールで行われたこの試合だったが、目下8連勝中の石川の前には、そんな小賢しいルール変更は結果的に全く関係なかった。
 まず開始15秒。石川のワンツーがまともに入り、ラジャサクレックは最初のダウン。その後も石川の左フックが面白いように決まり、最後は背中を向けたラジャサクレックのバックを捕らえてチョークスリーパー葬。首を捕らえたまま振り回すという豪快な失神KOで9連勝目を収めた。

第5試合 68kg契約 3分3R
×山口太賀(寝屋川ジム)
○金井健治(ライトニングジム)
4R 判定0-3 (9-10/9-10/9-10)

3R 判定1-1 (30-29/29-29/29-30)

 サウスポーの山口に対してオーソドックスの金井。パワーで押していくタイプの金井に対して正確なパンチテクニックで攻める山口。二人の実力は拮抗し、勝負は3R判定にもつれこんだ。判定は、3者3様のドロー。
 延長ラウンドが行われたが、この延長ラウンドも、全く互角の打ちあいで、レフェリー、ジャッジもおそらく採点に困ったであろう。しかし延長ラウンド序盤の突進が好印象を与えたか、金井が3-0の判定をもぎ取った。

第4試合 67.5kg契約 3分3R
○菱田剛気(RIKI GYM)
×八隅孝平(パレストラ東京)
2R 終了時 TKO (ドクターストップ:左目の負傷)


 修斗からの刺客を迎え撃つのは、「浅草の熱血先生」、菱田剛気。34歳という年齢的ハンデは全く感じさせない、軽快な動きで8勝目をもぎとった。
 1R序盤、菱田がつっこんできたところを八隅が冷静に右フックを合わせ、最初のダウンを奪う。立て続けに、フロントスープレックスでシュートポイントも奪う。ここまでは、八隅の圧倒的勝利を予感させた。
 しかし2R、バッティングによるものと思われる目の負傷で八隅の動きがピタリと止まり、菱田の攻撃に手も足も出なくなる。
 結局、八隅はドクターチェックの末、左目眼窩底骨折の疑いがあるということで、試合は2R終了時点でドクターストップがかけられた。

 
第3試合 56kg契約 3分3R
×今井教行(シーザージム)
○ナグランチューン・マーサ・M16(龍生塾)
判定0-3 (27-29/27-29/28-29)


 相手の懐に飛び込んでいって、インファイトで闘いたい小兵・今井だったが、リーチに勝るナグランチューンは、前蹴りで巧みに距離を取り、判定勝利をものにした。
 1R1分、ナグランチューンはバックドロップでシュートポイントを奪うと、その後も左右のストレート、左ミドルなど、正確な攻めで今井を追い込んだ。
 2Rは、今井が首投げでシュートポイントを奪い返すが、ナグランチューンは右ローで相手の動きを止め、追撃を許さない。
 3Rも前蹴りを効果的に使ったナグランチューンのペースで試合が進み、見事、3-0の判定勝利をものにした。


第2試合 57kg契約 2分2R
○大沼慶子(シーザージム/SB日本レディース2位)
×篠原 光(チーム南部)
判定2-0 (20-20/20-19/20-18)


 筆者はチーム南部の南部虎弾さんを尊敬する。そして電撃ネットワークの「ダンナ小柳」に激似だと言われる。しかしこの日の「チーム南部」の篠原光の戦いぶりには、物足りなさを感じざるを得なかった。
 篠原は序盤、サイドキックから変則的な攻めを見せ、バックハンドブローを放つなど、K-1 MAXの須藤元気のファイトスタイルに似た攻め方を見せたものの、その動きにはキレを欠いた。対する大沼は正攻法で篠原の攻めを受け止め、ローキックで徐々にダメージを与えていった。
 この試合は2分2Rで行われたため、2R、篠原がリーチを生かした大振りパンチで勝負をかけたのに対し、堅実な攻めを見せながらも決定打を与えられない大沼の戦いは不完全燃焼の判定になってしまった。
 判定は2-0で大沼。二人の技量差を考えれば妥当な判定であった。
   

第1試合 67kg契約 3分3R
○関戸一智(湘南ジム)
×上田廣満(風吹ジム)
2R 1'21" KO (右アッパー)


 8カ月ぶりの再戦は関戸のリベンジ達成となった。関戸が1R1分10秒、右フックでダウンを奪ってからはエンジン全開。打って良し、投げて良し。1R残り30秒には左ハイでダウンも奪った。
 2R、関戸は序盤から相手の懐に飛び込んでいき、勝負をかけにいった。上田はまったくなすすべなく、2R1分21秒、接近しての右アッパーで関戸がKO勝利した。

Last Update : 07/02 23:11

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