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(レポ&写真) [DEEP] 10.30 後楽園:受太郎、ウェルター級王者に

DEEP事務局 "Kohno Yujiro Group Presents DEEP 16th IMPACT"
2004年10月30日(土) 東京・後楽園ホール  観衆:1,622人

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 [→掲示板スレッド]

◆ DEEPウェルター級(-76kg)王者決定トーナメント (→7月の一回戦の模様)

第3試合 準決勝 5分3R
×星野勇二(和術慧舟會GODS)
○中村大介(U-FILE CAMP.com)
1R 4'33" KO (右ストレート)


 第1試合開始前、出場4選手がリングに上がり、その場でのくじ引きで組合せの決められたウェルター級トーナメント準決勝。相手の選択権を獲得した星野が中村戦を選んだことにより、自動的に星野×中村、中尾×青木の組合せが決まった。
 星野は開始まもなく、中村を相手に選んだ意気込みを象徴するかのように、先にテイクダウンに成功し上に。だが攻めあぐねてブレイクがかかると、パンチの打ち合いで一瞬腰が崩れ、寝技ではヒールホールドにつかまってしまう。なんとか脱出して体勢を立て直すが、中村の優位は変わらず。最後もパンチの打ち合いで、中村が右ストレートで星野を豪快にマットに沈めた。

第4試合 準決勝 5分3R
○中尾受太郎 (フリー)
×青木真也(パレストラ東京)
1R 4'29" KO (左ストレート)


 2人ともスパッツには「修斗」の2文字。修斗ミドル級戦線から離れた中尾と、パレストラ所属ながらもプロ修斗の経験のない青木の相まみえる舞台がDEEPというのも不思議な感じがする。
 くじで相手が中尾に決まった瞬間ガッツポーズをしていた青木。その気持ちどおり、いきなりパンチを降って組み付き、足をかけて中尾を倒すと、さっそくサイドポジションを奪取。ここまでは定石どおりといえる展開。しかしベテランの中尾もあっさりガードポジションに戻し、ブレイクでスタンドに戻す。
 その後も互いにテイクダウンを奪うが、その先の攻めがなくブレイクがかかる展開の繰り返し。このまま静かに1Rが終了するかにも思われた。しかしパンチの打ち合いに突入し、青木の右で中尾の腰が一瞬落ちる。青木金星奪取か?というムードとなったが、すぐに体勢を立て直した中尾は右ストレート一撃で大逆転。青木は豪快に前のめりで倒れ、苦い総合初黒星を喫した。奇しくも中尾も中村も1R KO勝利で準決勝を決勝に進む流れに。

第5試合 リザーブマッチ 5分3R
×小野瀬哲也(MEGATON)
○長岡弘樹(総合格闘技DOBUITA)
2R 5'00" TKO (試合放棄:グラウンドパンチのダメージによる)


 1Rは小野瀬が3度テイクダウンを奪い攻勢。2Rも小野瀬が先に上になる。しかし減量に苦しんだ影響で次第に失速。後半は長岡のパウンドを浴び防戦一方に。3R開始前、疲れ果てた小野瀬はセコンドに「もう無理だよ!」と叫んで試合を放棄した。

第8試合 決勝 5分3R
○中尾受太郎 (フリー)
×中村大介(U-FILE CAMP.com)
3R 3'16" TKO (タオル投入:マウントパンチ)

※中尾がDEEPウェルター級初代王者に

 先に上になったのは中尾。しかし中村も掟破りの三角を試み応戦。中尾が鉄槌の後にバックを狙うと、その隙を狙って中村はスイープに成功する。中尾の三角も中村はしっかり防御。その後も互いに関節技を狙うたびに上下が数度入れ替わる接戦。1R終盤、中村は眉間をカットし出血するが、大きなダメージはない。
 2Rも同様の接戦。中村の健闘が光る。そしてラウンド終盤、下になった中村がカカト落としの要領で中尾の頭を蹴ると、中尾は頭から血を流し顔が真っ赤に。腕十字を極めにいくが失敗し、逆に中村に腕十字を狙われ、ゴングに救われる。

 中尾のピンチで異様な盛り上がりを見せ始める場内。3Rも中村の飛び膝蹴りを皮切りに、互いのアグレッシブファイトは止まらない。しかし勝負経験の豊富さがものを言ったか?スタミナでは中尾が上。3R中盤、中尾はバックを奪うとスリーパーを狙う。これは反転されるが、今度はマウントを奪うとパンチの連打。U-FILE陣営からタオルが投入され、激闘に終止符が打たれた。
 大方の予想に反する苦戦の末、悲願のベルトを獲得した中尾は、「ホントはくじ引きで中村選手を指名するつもりだったけど、指名しなくてよかったです。いい選手で、強かったです」と中村を讃えた。そして「ベルトを取って箔が付いたと思いますので、武士道さんに上がりたいです」と宣言した。

◆中尾「試合が終わった後、もっと大きなことを言いたかったけど、一試合一試合謙虚になりますね。今のところ特にやりたい相手というのはいないです」

◆中村「今回田村(潔司)さんに付きっきりで指導していただいたので、結果を残したかったけど、スタミナが足りなかったのが敗因です。中尾さんに強いと評価してもらえてうれしいです」


第7試合 -48kg契約 5分2R
○しなしさとこ(フリー)
×スパンニパ・チュティパンヨ(タイ)
1R 0'20" 腕ひしぎ十字固め


 右フックで突進してきたタイ人にすぐ組み付くと、しなしは足をかけてテイクダウン。そのままあっさり腕十字を極めた。タイ人は防御方法を全く知らない様子だった。

第6試合 契約体重なし 5分3R
○アンソニー・辰治・ネツラー(ニュージーランド/TEAM Boon!)
×鈴木カレオ(アメリカ/フリー)
1R 2'10" KO (右ストレート)


 鈴木はガードが低く、アゴも上がりっぱなしで、打撃の経験が無いことをあっさり露呈。ネツラーの左ローを何発も浴び、意識が下に行ってしまうと、最後は右ストレート一発でマットに沈んだ。

休憩中 キングダム・エルガイツ特別ルール(時間無制限・契約体重無し・レフェリー無し・ブレイク無し・頭突きあり・肘打ちあり)
○入江秀忠(キングダム・エルガイツ)
×神王[じんおう](韓国/CMA KOREA 金道場)
14'18" TKO (タオル投入:マウントパンチ)


 入江は開始早々タックルで神王を押し込み、神王のロープつかみに何度も阻まれるも、2分ほど経ってテイクダウンに成功。四点ポジションから軽く膝を放ち、神王をいたぶる。いったん神王は立ち上がるが、入江はまたもテイクダウン。ハーフから肩固めを狙ったあと、マウントを奪いコツコツとパンチを落とす。
 神王を圧倒しながらも嫌がらせのようになかなかフィニッシュに持ち込まない入江に対し観客から罵声が飛ぶ。佐伯代表もイライラしながらリング周辺をうろつき困った様子。結局14分過ぎ、打開の見いだせない神王陣営からタオルが投げ込まれ、膠着試合に終止符が打たれた。
 佐伯代表は「だらけた試合ですみませんでした」と観客に謝罪する。しかしエルガイツルール創始者・入江は「だってそういうルールなんだもん!」と開き直った返答。爆笑の渦に包まれたが、妙に的を得た返答だったため、逆に入江に賛同するような拍手も起こったほどだった。批判の多かったエルガイツルール戦だが、レフェリーの介入を許さず選手同士のファイトに完全に委ねてしまうというルールの持ち味が、良い悪いは抜きにして、この日の試合では十分発揮されていた。
 さらに佐伯代表がDEEPルールでの再戦を要求すると、圧勝の入江はあっさり「いいよ」と承諾。12月大会での再戦がその場で決まった。
 大会終了後、グラジエーターFCの諸岡秀克プロモーターは約束通りスバーン戦のスバーンのタップを認め、入江の勝利に裁定変更することを公式に認めた。

第2試合 -98kg契約 5分2R
×濱田順平(CMA誠ジム)
○クリスチアーノ上西(ブラジル/AXIS柔術アカデミー)
1R 1'58" TKO (レフェリーストップ:バックマウントパンチ)


 開始早々、浜田の蹴り足をつかんで上西がテイクダウンに成功する。だが下になった浜田はすかさずヒールホールドで上西をつかまえチャンスを得る。上西は途中ロープをつかみながらも、暴れて脱出。サイドから押さえ込むと、アームロックで注意をそらせてマウントを奪い、最後はバックマウントからのパンチの連打でレフェリーストップとなった。だが勝利の代償は大きく、試合が終わった瞬間から上西は足を引きずり涙。課題を残すデビュー戦となった。

第1試合 -83kg契約 5分2R
×高橋 渉(高田道場)
○佐藤隆平(総合格闘技R-GYM)
判定0-2 (ドロー=大城/佐藤=芹澤,梅木)


 1R序盤、マウント、バックを奪うなど攻勢だった佐藤が勝利。高橋も2R、マウント、バックを奪い反撃したが、攻勢を印象づけることは難しかったようだ。

<フューチャーファイト>

第4試合 -75kg契約 5分2R
△都甲洋平(フリー)
△梅田恒介(総合格闘技R-GYM)
時間切れ

第3試合 -66kg契約 5分2R
×野田和哉(和術慧舟會千葉支部)
○池上能就(フリー)
1R 2'27" チョークスリーパー

第2試合 -65kg契約 5分2R
×倉岡幸平(RISE FIGHT CLUB)
○中山慶春(BCG)
1R 4'28" 腕ひしぎ十字固め

第1試合 -60kg契約 5分2R
○RYOTA(キングダム・エルガイツ)
×上野丈彦(格闘技道場信)
1R 4'44" TKO (レフェリーストップ:バックマウントパンチ)

Last Update : 11/20 22:42

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