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(レポ&写真) [全日本キック] 7.24 後楽園:佐藤嘉洋KO勝ち

全日本キックボクシング連盟 "SUPER FIGHT - MAXIMUM -"
2004年7月24日(土) 東京・後楽園ホール  観衆:1,830人(超満員)

  レポート:井原芳徳  写真:米山真一  【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板スレッド]


【今度はライト級だ! 8/22(日) SUPER FIGHT チケット販売中!】

第8試合 日本VS世界 大将戦 70kg契約 3分5R
○佐藤嘉洋(名古屋JKF/WPKC世界ムエタイSウェルター級&WKA世界ムエタイウェルター級王者)
×ピーター・クルーク(イギリス/トロージャンジム/WAKO-PRO世界ムエタイSウェルター級王者)
3R 1'33" KO (戦意喪失:ローキックの連打でスタンディングダウン後)


 佐藤は得意のローキックをコツコツと当て続け、1Rからクルークの右モモを赤く腫れ上がらせる。首相撲でも佐藤のパワーが勝る。2R、クルークも右ミドルを返すが、佐藤の右ミドル、右ストレートをもらうと、組み付いて防御するのがやっと。3R、佐藤はクルークをコーナーに追い詰めると、左右のローを的確に連打。クルークは首を振って戦意を喪失。新田、小比類巻を破った34歳のベテランを佐藤が完封した。
 マイクを持った佐藤は「久しぶりの日本での試合ですけど、ちょっと強くなったでしょ? オランダ、タイ、世界にはまだまだ強い奴がいますけど、そいつら一人一人をぶっ倒して勝ち続けて、みんなの認める、世界一の男になりたいと思います」と高らかに宣言。バックステージではK-1 MAX世界王者・ブアカーオと対戦したいとも語った。
 なお佐藤は6月大会で、「僕が日本にいない間に、肘無しとか3Rとかの、僕から言わせれば“お嬢ちゃんルール”が流行っているんで、真のキックボクシングを見に来て下さい」とアピールし、K-1批判とも解釈されたが、佐藤は「K-1の真似をしているキック界のことを言っただけ。K-1はK-1で素晴らしいし過酷な戦い。やっている選手達のことは尊敬している」と説明した。

第7試合 日本VS世界 副将戦 70kg契約 3分5R
×清水貴彦(GOLDEN FIST/WPMF世界ミドル級王者)
○パジョンスック・SKVジム(タイ/SKVジム/WMC世界Sミドル級&WPKL世界ミドル級王者)
判定0-3 (和田47-50/朝武48-50/大成47-50)


 清水は5月にWPMF世界王座を獲得し今回が凱旋試合。同時にジムを移籍しての初戦でもある。
 清水は相手の周りを回って、潜り込んでパンチを打ち込むという、これまでの試合でも何度も見せてきたファイトを展開。1R、この戦法で右アッパーを炸裂させ、パジョンスックの目尻を切り裂くことに成功する。
 だが次第にこれも読まれるようになり、パジョンスックの首相撲に捕まり、何度もマットに叩き付けられるように。攻められない清水に、パジョンスックが手招きする場面も。4Rにはパジョンスックの肘で清水は右目尻をカット。
 結局清水は最後まで戦術を変えることはなく、5Rにはパジョンスックに10回以上マットに叩き付けられ、そのまま試合終了。観客の期待を裏切る試合となってしまった。

第6試合 日本VS世界 中堅戦 67kg契約 3分5R
×加藤督朗(PHOENIX/WPMF世界ウェルター級王者・ルンピニーウェルター級1位)
○ジャン・スカボロスキー(フランス/ジョッキージム)
2R 1'55" KO (3ダウン:前蹴り)


 加藤はリーチを活かした前蹴りでペースをつかむ。スカボロスキーはジャブ主体で比較的おとなしめ。だが1R終盤、加藤のパンチに合わせ、カウンターの右肘を加藤のアゴにクリーンヒット。加藤はマウスピースを吐き出し前のめりで倒れるほどの重傷だったが、時計に救われる。
 悪夢がさらに加藤を襲う。2R開始早々、スカボロスキーの左フックが加藤の右目にヒットしてしまう。加藤は力なくダウン。ドクターチェックを受け、右目を閉じたまま試合を続けるが、スカボロスキーは加藤の顔面に容赦ない前蹴りを炸裂。2度目のダウンを喫し後がなくなった加藤は、それでも左ハイで応戦しようとするが、またも前蹴りをもらいノックアウト。スカボロスキーのキラーぶりが十二分に発揮された試合だった。

第5試合 日本VS世界 次鋒戦 67kg契約 3分5R
×山内裕太郎(AJジム/全日本ウェルター級王者)
○ティム・トーマス(ジャマイカ/イーグルスジム/ISKAコモンウェルズムエタイウェルター級王者)
4R 0'36" TKO (ドクターストップ:膝蹴りによる額のカット)


 レゲエ音楽発祥の地・ジャマイカ出身のトーマスは、首相撲で山内を捕まえると、飛び跳ねるような膝蹴りを放ち、バネの良さを発揮。1Rは比較的おとなしめだったが、2Rになると開始早々ワンツーとローのコンビで主導権を握る。山内も肘、ロー、左ミドルを返すが、トーマスの勢いに押され気味だ。トーマスも膝蹴りが単発で、レフェリーからホールディングとみなされ、3Rには注意1を受けた。試合はやや単調に。しかし4R開始早々、首相撲でがっちりと山内をホールドすると、右膝で山内の額を切り裂くことに成功。山内はいい所を出せないままドクターストップ負けに終った。

第4試合 日本VS世界 先鋒戦 70kg契約 3分5R
○山本優弥(BOOCH BEAT/全日本ウェルター級1位)
×ミケール・サンチ(イタリア/プロファイティング・リミリ/WPKCイタリアムエタイSウェルター級王者)
判定3-0 (和田50-49/朝武50-48/大成49-48)


 サンチは3月のスーパーリーグで、この日佐藤と対戦したクルークをハイキックでKOしている注目選手。序盤から伸びとスピードのあるハイを放ち観客を騒然とさせるが、優弥はしっかり見切ってブロック。舌を出して笑顔で相手を挑発しつつ、バックハンドからハイキック、右フックの直後の左フックと、大技の後にもう一発を重ねる攻めで悪童ぶりを発揮する。
 時差や減量の影響もあってか、初来日のサンチは2Rから失速。蹴りの勢いが落ちる。だが優弥も攻めが単発で決定力に欠く。4Rには膝の連打をもらい苦痛の表情を浮かべ、すっかり余裕を無くす。最終ラウンド、大声で吠えながらパンチを放つが、最後まで仕留めきれず。勝ちはしたもののスタミナで課題を残す内容となった。

第3試合 ウェルター級 サドンデスマッチ
○金沢久幸(TEAM-1/3位)
×宝樹まもる(勇心館/6位)
3R 1'22" KO (右ストレート)


 日本VS世界の前座には、日本チームの枠から漏れた個性あふれるウェルター級選手たちが勢揃い。メインイベント前に会場をいい雰囲気に温めてくれた。
 宝樹(たからぎ)は両手同時パンチに代表される変則ファイトで、頭脳派の金沢をかく乱。飛び膝の金沢をつかまえ、背負い投げで吹き飛ばす場面も。だが2R残り1分、金沢は突然サウスポーにスイッチ。10秒ほどでオーソドックスに戻し宝樹を逆にかく乱させると、右フックをクリーンヒットさせ、パンチラッシュ、飛び膝、右フックの連続攻撃でダウンを奪う。2Rに右フックでもう一度ダウンを奪った金沢。3Rは完全なワンサイドゲームで、40秒過ぎに左右のハイの連打と右ストレート、右アッパーの連打でダウンを奪うと、最後は肩タックル気味に右ストレートを放ち宝樹をマットに沈めた。
 これで金沢の連敗記録は6でストップ。03年2月のサムゴー戦以来の長いトンネルをようやくくぐり抜けることができた。

第2試合 ウェルター級 サドンデスマッチ
×林 亜欧(S.V.G./元全日本ライト級王者)
○湟川満正(AJジム/前全日本ライト級3位)
3R 0'17" KO (パンチ連打)


 ライト級からウェルター級に転向して初戦の選手同士の激突。1R、林の右ストレートでダウンを喫した湟川(ほりかわ)だったが、上下に蹴りを打ち分けて次第に流れをつかみ、2R終盤には右の縦肘一発で林の額を切り裂くことに成功する。最終ラウンド、いきなり前蹴りをヒットさせるとパンチラッシュ。林がコーナーに詰められ背中を向けたところでレフェリーが試合をストップした。

第1試合 68kg契約 3分3R
×箱崎雄三(TEAM-1)
○金 統光(藤原ジム)
3R 1'39" KO (3ダウン:右ローキック)
※1R金が2ダウン、2R箱崎が1ダウン

オープニングファイト第3試合 ミドル級 3分3R
○白川裕規(S.V.G.)
×モネ・ハビエル(ペルー/峯心会)
1R 2'30" KO

オープニングファイト第2試合 82kg契約 3分3R
×大野ヨシト(勇心館)
○コンボイ山下(超越塾)
3R 2'10" KO

オープニングファイト第1試合 フェザー級 3分3R
×ウルフ原田(DRAGON GYM)
○遠藤智史(AJジム)
判定0-2 (30-30/28-29/28-30)

Last Update : 07/28

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