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(レポ) [MAキック] 3.14 有明:木村允、ムエタイ前王者を肘でKO

マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟 "SUPREME-2 〜最高のキック〜"
2004年3月14日(日) 東京・ディファ有明

  レポート:新小田哲  【→大会前のカード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


第14試合 メインイベント第1試合 -62kg契約 3分5R
○木村 允(土浦/MA日本ライト級王者)
×フアサイ・S.K.V.アラビアジム(タイ/前ルンピニースタジアム&元プロムエタイ協会Sライト級王者)
2R 1'02" KO (左ヒジ)


 2003年の最優秀選手に選ばれ、名実ともにMAの看板選手となった木村允。1月大会での水町との防衛戦も完勝でクリアし因縁にケリをつけ、いよいよ団体を背負った戦いに打って出ることになった。
 そしていきなり当たることになったのがムエタイの前王者・フアサイ。昨年まで現役バリバリのムエタイ戦士だった彼は、今年から主戦場を日本に移し、その緒戦のターゲットとして木村に狙いをつけMAのリングに乗り込んできた。

 木村は鋭い踏み込みから左ストレートを狙うが、タイ有数のヒジの使い手として知られていたフアサイは右ミドルで威嚇しながらカウンター気味に、また組み付いてからも少しの隙も逃さずヒジを振るう。「2回くらいヒジもらってコノヤローと思った」という木村。蹴り足を取られヒジを狙われる場面もあったが、スピードではヒケを取らず、強気に攻めていく。
 そして2R、フアサイが再度ヒジに来た瞬間、カウンターの左タテヒジをフアサイのアゴに叩き込む。するとフアサイは一瞬間を置いて大きくよろめき、この機を逃さず突進した木村に押されるようにして倒れダウン。大の字になったフアサイはなんとか起き上がるが、脳を揺らされたかその目は完全に飛んでおり、10カウント以内にファイティングポーズをとれずKO負けとなった。

 全身で喜びを表現した木村、「相手がヒジの選手というのは前日まで知らなかった。でも相手がヒジで来たからこっちもヒジで行こうと。最後のヒジは相打ちのような形で、こっちももらってたから紙一重。最初に組んでヒジもらったときに、(その強さに)こりゃすごいと思った。ヒジは2回くらいもらったと思う。確かに技術の差は感じた。ただ、相手もはぐらかさずに最初から倒しに来てくれたから逆によかったのかも。エンジンがかかる前にうまく入ったのもよかったのかもしれない」とコメント。
 これまでは、どんなに強い勝ち方をしても謙虚な発言しかしなかった木村だが、強い相手に結果を残した自信からか、話題の全日本ライト級最強決定トーナメントについて聞かれると「俺を呼ばなくていいのかと言いたい」と強気に言い放って見せた。
 今後についても、「こういう(強い相手との)試合をやっていきたい。(勝つか負けるか)ギリギリの、ヤバい試合。今回もマグレかもしれないけど、気持ちでは負けてなかった。数センチの差ですね」と強豪相手の試合を臨んでいる。
 長い間「隠れた強豪」として雌伏の時を過ごしてきた木村が、ようやく注目を集めるに値する実績を手に入れた。比類なきのスピード、抜群のタイミングから放たれる左ストレート、何より勝気な勝負根性。どれをとっても他団体のトップにヒケを取らない。表舞台への扉の鍵を手に入れた木村には今後ますます要注目だ。



第15試合 メインイベント第2試合 -65.5kg契約 3分5R
×井上 哲(山木/MA日本スーパーライト級王者)
○白須康仁(花澤/MA日本ウェルター級王者)
判定0-2 (48-50,50-50,48-50)


 デビュー以来無敗でウェルター級王者まで登りつめた白須が百戦錬磨のベテラン井上哲と王者対決に挑んだ。井上の粘り強い戦術に苦しんだが、要所でパンチを有効に当て、僅差ながら判定勝利をものにした。
 ガードを下げた独特の構えの白須は、井上のローキックをガードしながら右ストレートをカウンターで当てて前進、ロープに詰めて連打を見せる。だが井上もパンチをすり抜けて組み付き、首相撲へ。
 これに白須もヒザやヒジを返すが思うような攻撃を出せず、いらだった表情を見せる。それでも腰の重い井上を首相撲から投げ捨てるなど組技への対応力も見せた。
 井上が白須のパンチを凌ぎながら首相撲に持ち込むという展開のままラウンドは進み、最終回に井上の右ストレートがヒットする場面も見られたが、その後終盤の打ち合いを制した白須が勝利を飾った。

 K-1 MAXと体重が近い注目のウェルター級ということで、リング上のインタビューでは「K-1もその内行きたい」との発言もあった白須。だが、控え室に戻って出てくるのは反省のコメントばかり。「これじゃ駄目。体が硬くてパンチやローも(思ったように)出せなかった。何より気持ちがダメだった。集中力もなかった。まだまだ全然駄目。基礎からやりなおします。課題は瞬発力とスピード。それにリングに上がってから気持ちで負けないようにしたい」。白須はこれで8戦7勝(2KO)1ノーコンテスト。無敗の王者と言ってもまだ24歳。王者緒戦、あるいは初メインのプレッシャーからか「前の夜は眠れなかった」という。そのせいか思うように動けずリング上で首をかしげる場面も見られた。それでも、これまで若手選手の巨大な壁となっていた井上を破ったのは大きい。彼の真価は次戦の宍戸大樹(シーザー)戦で証明されることになるだろう。持ち前のトリッキーな動きと抜群のパンチの当て勘で、無類のスピードとタフネスを誇るシュートボクシングのSライト級王者にどんな戦いを見せるか。一方の敗れた井上の戦績はは39戦17勝(5KO)12敗10分。




第13試合 セミファイナル -59kg契約 3分5R
△小林秀紀(マイウェイ/MA日本フェザー級王者)
△中西一覚(谷山/4位)
引分0-1(49-49,49-50,50-50)

第12試合 フェザー級 ショウダウンマッチ(3分3R+最大延長2R)
×カズ工藤(新座ひばりヶ丘/3位)
○大高一郎(山木/7位)
判定1-2(30-29,29-30,29-30)

第11試合 ライト級 ショウダウンマッチ(3分3R+最大延長2R)
×泉 雄策(山木/4位)
○南雲裕一(士道館橋本/6位)
TKO 1R2'02"(ヒジのカットによる出血レフェリーストップ)

第10試合 ライト級 ショウダウンマッチ(3分3R+最大延長2R)
○TAKI(士道館/7位)
×チュンタイヨ・ウィッタヤ(タイ)
不戦勝(チュンタイヨにドクターストップがかかり出場不能となったため)

第9試合 バンタム級王座挑戦者決定トーナメント 55kg契約 ショウダウンマッチ(3分3R+最大延長2R)
×阿部泰彦(新潟山木/1位)
○高橋拓也(習志野/4位)
判定0-2(29-30,30-30,29-30)

第8試合 バンタム級王座挑戦者決定トーナメント ショウダウンマッチ(3分3R+最大延長2R)
○山本ノボル(川田/元王者)
×沖津伊久磨(東金/5位)
KO 3R1'53"(3ダウン:左ハイキック)

 バンタム級の名選手として一時代を築いた山本が久しぶりに東京のリングに戻ってきた。ここ最近は関西のリングを中心に活動を続けていたが、タイミングのいい左ミドル、相手の出足を止めるひっかけるような左は全盛期そのまま。3Rに左フックでダウンを取ると、首相撲からのヒザ蹴りで2ダウン、最後は左ハイで見事なKO勝利を飾った。


〜ここから下はヤングファイト〜

第7試合 -68kg契約 3R
△田中栄城(習志野)
△水野章二(湘南格闘クラブ)
引分1-1(29-30,30-29,30-30)

第6試合 フェザー級 3R
△奥山晃次(マイウェイ渡辺)
△駿太(谷山)
引分0-1(30-30,29-30,30-30)

第5試合 ウェルター級 3R
○丸山元樹(マイウェイ)
×宮本寛之(花澤)
判定3-0(30-29,30-28,30-29)

第4試合 スーパーライト級 3R
△壮泰[そうた](士道館橋本)
△基流[きりゅう](拳伸)
引分1-0(スコアは後日掲載します)

第3試合 スーパーライト級 3R
○辺田光徳(DANGER)
×河野雄大(武勇会)
KO 1R0'42"

第2試合 -62kg契約 3R
○KING(土浦)
×大矢耕一(士道館飯島)
KO 1R1'47"

第1試合 バンタム級 3R
△KENT(湘南格闘クラブ)
△越智信平(武勇会)
引分0-1(スコア後日掲載します)

Last Update : 03/15

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