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(レポ&写真) [プロ柔術Gi] 3.7 ディファ:中井&早川、明暗分かれる

IF-PROJECT "プロ柔術GroundImpact 〜Gi-03〜"
2004年3月7日(日) 東京・ディファ有明
公認:日本ブラジリアン柔術連盟

  レポート:古谷わか  写真:井原芳徳  【→大会前のカード紹介記事】 【→掲示板・組技スレッド】

第14試合 黒帯レーヴィ級 10分一本勝負
×早川光由(ストライプル)
○カゼカ・ムニエス(ベネズエラ/グレイシーバッハ)
ポイント0-2


 開始早々、ムニエスが高速の低空タックルでテイクダウンし、早くも2ポイントを奪う。ここで早川の爪が剥がれ、出血したためタイムストップ、スタンドでの再開へ。
 再びタックルに行くムニエスを今度は早川が引き込み、三角を狙いながらバックへ移行し、怒涛の攻め込み。正面から再びバックへ回り、絞めを狙うが、ムニエスも下から跳ね返し、ポイントは許さない。
 激しいポジション争いで組み合ったまま場外へ転がり出る両者。スタンドでの再開から今度は早川がタックル。ムニエスが引き込んで下になると、“技のおもちゃ箱”の呼び名に相応しく、早川は次から次へと技をたたみかける。スイープを狙ったムニエスをハーフバックに捉え、絞め〜ハーフマウント〜絞め。だが最後、なんとかムニエスに捉えられた残りの足を抜き、ここから、というところで惜しくもタイムアップ。アドバンテージでは圧倒的に上回った早川だったが極めきることはできず、惜しくもメインを勝利で飾ることができなかった。

◆ムニエス「柔術の試合は2000年のカリフォルニアでの選手権以来。それ以降道衣のトレーニングをしてなくて、今回の試合に向けて道衣を着て練習したのは1ヶ月だけだった。今度はソッカに勝った日本人と戦いたい。(パンクラスの前田吉朗のこと?)名前は知らないんだけど、親友のソッカの敵討ちをしたいんだ。(※ムニエスはオランダの2H2Hを主戦場にMMA4戦3勝1敗の戦績を残している)」

◆早川「ムニエス選手は見てのとおり防御がうまかった。試合では『次は何の技に行こうか』と一瞬一瞬で優先順位を決めないといけないんですけど、その辺の駆け引きもうまいですね。でも、今日の試合は不完全燃焼ではないです。(ムニエスが道衣の試合は4年ぶりと言っていたが?)そうですか…、としか言い様が無いんですけど(笑)。まぁ確かに言われてみると、最新技をやってこない、非常にクラシカルなスタイルでしたね。まさに『グレイシー柔術』って戦い方でした」

第13試合 黒帯ぺナ級 10分一本勝負
○中井祐樹(パレストラ東京)
×アルバート・クレーン(米国/サンタフェアカデミー)
ポイント3-0


 クレーンが引き込んで下になり、中井の左腕を捉えると、中井は持ち上げてほどき、両モモでクレーンの頚動脈を締め上げる。クレーンがなんとか耐えて脱出したところを、中井はすかさずパスガード狙いでアドバンテージを先取。さらに上からクレーンの手足をつぶしながらパスガードに成功し、3ポイントを奪取する。
 しかしクレーンも負けじと攻め込む。スタンド状態の中井の左腕に下から自らの両足を絡め、両手は中井の左足を捉え、アキレス腱を締上げる。しつこく粘るクレーンはさらにアンクルに移行。中井は落ち着いて回転しながら脱出しバックに回り、お返しとばかりにチョークを狙いに行く。クレーンは後ろ手にとった中井の足を引っ張り今度は膝十字を慣行。両者のアドバンテージは互角になる。
 極まらないとみたクレーンはスタンドに戻り、今度はバックを取ろうとする。ここからはポジション争いのラッシュ。組み付いた両者が目まぐるしく入れ替わる中でタイムアップ。足関節を中心にせめこんだクレーンだったが1本を取ることはできず、序盤の3ポイントを守り抜いた中井が優勢勝ち。カリスマの勝利に会場からは惜しみない拍手が送られた。

◆試合後の中井のマイク(若林太郎氏との質疑応答で)「今日はありがとうございました。相手が関節を取りに来るのはわかってました。ディフェンスで精一杯でしたね。途中の膝十字は気を抜いたら駄目だ、と我慢しました。シューティングをやっていたので大丈夫でした(笑)
(体調は良くなかったが?)ブラジルではいつ試合に呼ばれるのかわからないような(過酷な)状況でしたから、むしろ今回はコンディション良好でした。自分の目標は、約2ヶ月後に開催されるムンジアルで勝つことです。今日、この機会を与えてくれたこと、応援してくれた方々、体を治してくれた方々、家族、ジム、スタッフ、勝ててよかったです、ありがとうございました。ムンジアルで勝ってから、みんなで一緒に泣いてください。」

第12試合 茶帯ぺナ級 8分一本勝負
○和道稔之(アカデミアAz)
×TAISHO(チームバルボサ・ジャパン)
ポイント2-0


 和道が引き込むと、細かく素早い動きで上から攻め込むTAISHO。次々とアドバンテージを奪うが和道も下から仕掛け続け、決してポイントを許さない。和道がリバーサルを狙ったところで、帯がほどけてスタンドでの再開に。4つ手の状態から和道が会心の一本背負いで2ポイントを獲得。あきらめずに最後まで攻め込んだTAISHOだったが惜しくもタイムアップ。2-0で和道が優勢勝ち。勢いとスピードのある好勝負となった。

第11試合 茶帯アブソリュート級 8分一本勝負
×杉江アマゾン大輔(ALIVE)
○弘中邦佳(アカデミアAz)
ポイント0-5


 引き込みあいから下を奪った杉江に対し、上から力を乗せてコントロールしながらパスガードを狙う弘中。すると瞬速の三角を仕掛ける杉江。一本か?に会場は熱くなるが、逃れる弘中。しかし再び、杉江が鮮やかな三角を魅せる。アドバンテージを奪う杉江だったが、弘中は落ち着いて力で脱出、すかさずパスして3ポイントを奪い返すとさらに上からコントロールし、ニーオンザベリーで追い討ちの2ポイント。最後まで攻め込んだ杉江だったがタイムアップ。果敢に攻め込む両者の姿勢が印象的な一戦となった。


第10試合 茶帯アブソリュート級 8分一本勝負
○クリスチアーノ上西(axis柔術アカデミー)
×鶴屋 浩(パレストラ松戸)
6'08" クロックチョーク


 20kg近い体重差に注目の一戦。開始後、上西の周りを鶴屋が回転して様子を見る。上西が引き込んで下になるとオモプラッタを狙っていく。スタンドの状態から上西がタックルでテイクダウン〜バックへ。大きな身体で押さえ込み、長い腕を鶴屋の胸元に回して襟を掴んで絞り上げると鶴屋はたまらずタップアウト。今大会唯一の一本決着となった。


第9試合 茶帯アブソリュート級 8分一本勝負
×マリオセルジオ横山(グレイシーサンパウロ)
○朝倉孝二(パレストラ池袋)
ポイント0-4


 朝倉が下、横山が上でのせめぎ合いの中、横山の絞めをなんとか耐え抜いた朝倉が立ち上がり素早くバックにまわって4ポイントを獲得。スタンドでの再開から朝倉が引き込むとなんとか昇ろうとする横山だったが朝倉が守り抜き終了。体重差のある戦いを俊敏さで制した。


第8試合 茶帯アブソリュート級 8分一本勝負
×カバウカンチ・ジュニオール(アマゾン柔術)
○渡辺直由(アカデミアAz)
ポイント0-0 アドバンテージ2-3


 渡辺が引き込んで下になると速攻で三角を仕掛け、アドバンテージ1。カバウカンチが重さで上から押し潰すが、粘って十字に移行してアドバンテージを更にかせぐ。再び力で押さえ込み、ハーフパスでカバウカンチがアドバンテージを1取り返す。渡辺は潰されながらも下から三角をしかけスイープを試みアドバンテージを3に伸ばす。負けじとカバウカンチもパスを狙い、1アドバンテージを奪うが、ここで終了。ポイント0-0の中、果敢に攻め込んだ紫帯の渡辺がアドバンテージ1差で茶帯のカバウカンチから勝利をもぎ取った。


第7試合 茶帯ぺナ級 8分一本勝負
×植松直哉(K'z FACTORY)
○小野瀬龍也(PUREBRED大宮)
ポイント0-4


 植松が上、小野瀬が下からの展開。植松はパスを狙うが小野瀬がリバーサルで2ポイントを奪取。植松が足関節を狙っていく中、サイド気味に来たところを小野瀬がリバースして押さえ込み、さらに2ポイントを叩き込む。足関節技での一発逆転を狙いに最後まで粘った植松だったがタイムアップ。

(以上夜の部。以下昼の部)



第6試合 黒帯アブソリュート級 10分一本勝負
○福住慎祐(名古屋BJJクラブ)
×大賀幹夫(ねわざワールド)
ポイント10-4


 開始早々、福住がハーフパスするが、大賀がリバーサルで2ポイントを奪取。大賀が上から襟をつかみ渾身の力で絞めに入ると、福住の顔はみるみる紅潮する。しかし耐え抜いた福住が下から巴の要領でめくりかえして2ポイントを奪い返しイーブンに。黒帯同士のハイレベルな攻防に会場は沸く。
 中盤以降は正面を向き合い、座った状態での力比べ。互いの襟と袖口をがっちり掴んでの引き込み合戦で一瞬の隙を狙い合う両者。ラストはまさに一進一退。福住がリバーサルで2ポイント入れれば、大賀も負けじとめくり返す。福住が鮮やかなリバーサルで2ポイント、さらに素早くバックをとりダメ押しの4ポイントを叩き込んだところでタイムアップ。ヘリコプター十字による一本は拝めなかったものの、10-4で福住が勝利。新進日本人黒帯同士のハイレベルな一戦で昼の部は締めくくられた。


第5試合 茶帯アブソリュート級 8分一本勝負
×塩田GOZO歩(パレストラ八王子)
○アギナルド・タバ(INFIGHT)
ポイント0-2


 タバが下、塩田が上、塩田が執拗に上から攻め続けアドバンテージを奪うものの、じっと耐え、タイミングを狙うタバ。塩田を動かせておいてチャンスを見出したタバが美しいスイープで2ポイントを奪取。塩田も攻め込むがタバの鉄壁の守りの前にポイント奪取には至らず、0-2でタバが勝利。1月のパンクラス・キャッチレスリングトーナメントのリベンジに成功した。


第4試合 紫帯レーヴィ級 7分一本勝負
○宮田拓郎(名古屋BJJクラブ)
×丹 裕(ストライプル)
ポイント2-2 アドバンテージ5-1

第3試合 紫帯アブソリュート級 7分一本勝負
○広瀬貴之(パレストラ松戸)
×片岡誠人(PUREBRED大宮)
ポイント4-0

第2試合 紫帯アブソリュート級 7分一本勝負
○時任拓磨(PUREBRED大宮)
×荒牧 誠(アカデミアAz)
ポイント6-0

第1試合 紫帯アブソリュート級 7分一本勝負
×石川祐樹(ストライプル)
○生田 誠(ALIVE小牧)
ポイント0-2

Last Update : 03/09

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