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(レポ&写真) [DEEP 13th] 1.22 後楽園:長南&滑川、高田道場勢を撃退

DEEP事務局 "DEEP 13th IMPACT in KORAKUEN HALL" 2004年1月22日(木) 東京・後楽園ホール

  レポート:井原芳徳  写真:井田英登  【→大会前のカード紹介記事】 【→掲示板・DEEPスレッド】

第9試合 -90kg契約 5分3R
○長南 亮(U-FILE CAMP.com)
×松井大二郎(高田道場)
判定2-0


 1R、長南の前蹴りをつかんで倒すことに成功した松井。自軍コーナーに長南を運び、上からコツコツとパンチを放つ。PRIDEルールと違い、コーナー際になってもなかなかドントムーブでリング中央に戻されない点を有効に使っていたようにも思える。だが、長南は松井の上からのパウンドをほとんど防御。逆に下からのパンチと、マッハも病院送りにした猪木アリからの顔面蹴りで松井の鼻から出血を誘う。「鼻血は僕にとってダメージじゃない」と試合後松井が語ったように、PRIDEでも血まみれの松井はよく見られた光景。だが逆に長南が無傷ということもあり、松井の印象は良くない。

 手ごたえをつかんだか? 長南は1R終了後は堂々とした態度で自軍コーナーに戻ると、2Rは低いガードからの左ジャブ、飛び込んでの右フックで先制。毎日練習してきたボクシングの成果を発揮する。ハイキックにタックルを合わせられて下になってしまうも、すかさず三角絞めで松井を捕獲する。
 「松井さんの汗で滑った」という長南は極めきれず、松井は1R同様インサイドガードからパウンド。試合後「パスガードしたかったけど、力があった。さすがU-FILE2番手だなって」と振り返っていたが、長南は何度も足を開いており、パスをするチャンスはたくさんあったはず。長南が高瀬らと寝技を練習している成果を発揮したとも言えるが、逆に松井の上になってからの攻め手の無さ、セコンドのアドバイスの甘さが露呈してしまう。計量では松井は裸で88.4kg、長南は服を着て84.35kg。元々1.5階級ほど違い、松井がもっと優位になるのが普通だろう。

 塩崎レフェリーがこう着ブレイクをかけると、松井はまたもタックル。しつこく食らい付くも、長南は近藤有己ばりのバックステップで防御し、横に回り込んでバックを奪うことに成功する。惜しくもタイムアップとなったが、イケイケムードのまま3Rに突入することに。
 長南はパンチとローで先制。松井のフックが顔をかすめるも、首を振ってニヤリと笑い「効いてない」とばかりに挑発してみせる。ベテランの松井相手に全く物怖じしない攻めっぷりは、たくさん詰めかけた応援団だけでなく、多くの観客のハートをもつかむ。松井はタックルで長南を倒しサイドに付くが、またも攻め手がなくブレイク。再びテイクダウンで上になるが、2分以上膠着し、残り1分を切ったところでブレイク。長南は最後の力を振り絞り、飛び膝、組んでの膝、パンチでラッシュ。2度目の飛び膝は勢い余って松井の頭上を飛び越えてしまうも、長南を見失った松井は背中を見せて長南に倒され、下になったまま試合終了のゴングを聞くことになる。

 判定は梅木サブレフェリーがドローと付けた以外、野口&大城ジャッジは長南に軍配。松井はぶ然とした表情で、ジャッジ基準に疑問を呈していた。DEEPではラウンドごとの採点はせず、ダメージ、アドバンテージ、積極性、印象点の順で3Rを総合的に評価する。長南の顔は無傷で、松井の顔は数ヶ所傷があったこと、そして長南が何度も下になりながらも随所で積極的に攻めたことが評価された。ホームタウンディシジョンという見方もあったが、PRIDE側から派遣された野口氏は長南を評価していた。

 長南は「DEEPの判定基準はダメージ。勝ったと思っている。再戦してもいいが、僕は上に進みたいし、外国人ともやりたい。そのために来月から体を作り直しもっとボクシングを練習したい」と意気揚々。2月15日の武士道については態度を保留したが、マッハと松井を下したことで、時期はともあれ、PRIDEへの切符は手にしたと言える。

 一方の松井は「できるだけ早く再戦したい。なんなら武士道ででも」と怒りはおさまらず、「引き分けという裁定もあったはず。2つ向こうが取るのは納得できない」と語っていた。だが果たして、すぐそばで試合を見守っていた師匠の高田延彦・PRIDE統轄本部長は、引き分けで納得しただろうか? 裁定が告げられるやいなや、高田本部長は足早に会場を後にした。この日は同門の今村も完敗。高田道場勢にとって、シビアな現実が突き付けられた一日だった。

第8試合 契約体重無し 5分3R
○滑川康仁(フリー)
×今村雄介(高田道場)
2R 3'22" TKO (レフェリーストップ:膝蹴り→グラウンドパンチ)


 体の大きい今村が滑川の上になるが、攻め手に欠きブレイク。1、2Rとも同じ展開となり、今村が技術の無さを露呈する。滑川はスタンドで着実にパンチと膝を当て続け、2R、差し合いからの膝蹴り一発で今村をマットに沈める。今村が大量の鼻血を流し、滑川のパンチで防戦一方となったところでようやくレフェリーが試合を止めた。滑川はこの勝利でPRIDE武士道出場を確実なものとした。

第7試合 -76kg契約 5分3R
×池本誠知(ライルーツコナン)
○門馬秀貴(A-3)
2R 3'53" 肩固め


 佐伯祭りでのプロレスを意識してか、池本はいきなりロープに飛ぶが、門馬は全く動揺せず、ストレートで池本をコーナーに追い詰め、両手を脇に差してテイクダウンに成功する。こう着状態の後、池本が下から門馬の顔を蹴り上げ脱出。この後何度かスタンドとグラウンドが繰り返されるも、特に決め手はなく1R終了。
 2R、池本が前蹴りを放つたびに、門馬が右ストレートを当て優位に。門馬はテイクダウンに成功し、いったん離れ、また中に入るとすぐハーフガード。池本は不用意に足を動かし、そのままマウントポジションを許してしまう。肩固めを狙う門馬に対し、池本はブリッジで脱出を試みるが、バランスを崩れた隙を突いて、門馬は肩固めを極めやすいサイドポジションに移行し、そのまま締め上げ池本はタップ。門馬がトータルの力量の差をまざまさと見せつけた。

第6試合 グラウンド頭部打撃無しルール -47kg契約 5分2R
○しなしさとこ(フリー)
×大室奈緒子(和術慧舟會東京本部)
判定3-0


 序盤からしなしが腕十字で速攻を仕掛けるが、大室が極められるギリギリのところで耐え、脱出に成功すると、会場は大歓声に包まれる。その後もしなしの執拗な関節狙いが繰り返されるが、大室はことごとく凌いでみせる。内容ではしなしの完勝だったが、総合でしなしが判定にもつれ込んだのは吉住絹代との2連戦以来。大室の健闘も光った一戦だった。
 ちなみにこの試合では修斗グローブが使われ、レフェリーはパンクラスの梅木レフェリーが務めた。リングサイドでは高田PRIDE統括本部長が見守っており、DEEPらしいボーダーレスな空間となっていた。

第5試合 -84kg契約 5分3R
○桜井隆多(総合格闘技R-GYM)
×小野瀬哲也(FIGHTING SPIRIT)
1R 0'56" KO (右アッパー)


 桜井がスタンドでプレッシャーをかけ、ストレートで小野瀬を追い詰める。小野瀬が苦し紛れに前に出ると、桜井はクートゥアばりのクリンチアッパーを当てる。距離のできた小野瀬はパンチを振り回すが、桜井は落ち着いてスウェーし、ガードが甘くなった小野瀬のアゴに右アッパー。膝から崩れた小野瀬にさらに左フックもかぶせ、豪快KO勝利。PRIDE武士道出場に大きく前進した。

第4試合 契約体重無し 5分3R
○佐々木恭介(U-FILE CAMP.com)
×鬼木貴典(Team ROKEN)
2R 3'04" 腕ひしぎ十字固め

第3試合 契約体重無し 5分3R
○石井 淳(超人クラブ)
×保坂忠広(パンクラスMEGATON)
判定3-0

第2試合 -69kg契約 5分2R
○西内太志郎(U-FILE CAMP.com)
×深見智之(CMA京都成蹊館)
判定3-0

第1試合 -92kg契約 5分2R
△矢野倍達(RJW/Central)
△大場貴弘(AO/DC)
判定0-1

<フューチャーファイト>

第3試合 5分2R
×小坂井寛(フリー)
○佐藤隆平(総合格闘技R-GYM)
1R 1'28" 腕ひしぎ十字固め

第2試合 5分2R
△谷口友則(マッハ道場)
△村田卓美(A-3)
時間切れ

第1試合 「肉力強女」提供試合(写真) 3分2R
×押野愛子(アルファジャパンプロモーション)
○亜利弥’(フリー)
2R 1'28" 腕ひしぎ十字固め

Last Update : 01/23

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