(レポ&写真) [NKB] 1.18 後楽園:桜井、WMC挑戦もKO負け。藤原ドロー防衛
ニュージャパンキックボクシング連盟 "X-DUEL I 〜終わりなき決戦〜" 2004年1月18日(日) 東京・後楽園ホール 認定・NKB実行委員会
レポート:井原芳徳 写真:湯本恵子 【→掲示板・キックスレッド】
第11試合 ダブルメインイベント WMCスーパーフェザー級タイトルマッチ 3分5R ○サガーオトーン・ペットノンヌット(タイ/王者&ラジャダムナン同級10位) ×桜井洋平(岩瀬/10位) 1R 2'18" KO (左ストレート) ※サガーオトーンが初防衛
大応援団の声援を背に受けながら、桜井がジャブ、右ミドルで様子を伺う展開。穏やかな攻防が続いたが、「相手を見た時にKOできると思った」というサガーオトーンは、一瞬の勝機を逃さず桜井をニュートラルコーナーに追い詰め、右・左の連打でダウンを奪う。桜井は何とか9カウントで立ち上がるも、足元はフラフラ。タイ人のレフェリーは試合を続行するが、サガーオトーンの軽く当てた左ストレートで桜井はあっさりとマットに沈んだ。 桜井の黒星はクルーノイ戦(01年12月・タイ国王誕生記念大会)以来2年1ヶ月・9試合ぶり3度目。「相手がデカく見えた」こともその試合以来2度目だったと桜井は振り返る。ダウンも01年9月のチョンボップ戦の肘打ちでダウンして以来2度目で、パンチでのダウンは初めて。チョンボップ戦ではダメージはなかったが、今回の試合では最初のダウンで記憶を失ったと言う。
試合後は頭にタオルをかけてコーナーに座り込み、ずっとうなだれたまま涙を流した桜井。NJKFの藤田理事長に促されて勝者のサガーオトーンと記念撮影に応じる姿には悲愴感が漂っていた。 昨年度MVPとして休憩前に表彰されながらも、今年は最悪の結果での幕開け。控室に戻ってもショックは隠せず「何も出来ずに終った」と完敗を認めていた。
第10試合 ダブルメインイベント NKBバンタム級タイトルマッチ 3分5R △藤原国崇(拳之会/王者) △真二(OGUNI/4位) 判定1-0 (49-49,49-49,50-48) ※藤原が初防衛
藤原優位と予想されたタイトル戦だったが、真二がワンツーからのローで小気味よく攻め、王者と互角に渡り合う。ほとんど首相撲は無く、ワンツーとローの応酬が5Rまで続く。2・3Rは藤原、5Rは真二がジャッジ2者から評価を得たが、二人とも3者の評価を得るラウンドはなく、結果はドロー。藤原の初防衛となった。 タイトル戦らしく、レベルの高い試合内容だったが、真二も「もうちょっと攻めのバリエーションを多くしないと」と語り、互いに決め手が無かったことが示すように、やや単調だったことも確か。まだ二人とも若いので、いずれ再戦する時が来れば、アッと驚くような試合となることだろう。
第9試合 セミファイナル 日タイ国際戦 バンタム級 3分5R ×アーリー・イングラムジム(タイ/イングラム) ○童子丸(キング/NKBバンタム級1位) 5R 0'58" KO (後ろ回し蹴り)
55戦42勝12敗1分・17歳のアーリーを、童子丸は序盤から右ローと右ストレートで圧倒。首相撲でもパワー負けしない。このまま判定勝ちかとも追われたが、5R序盤、「空手時代の得意技」後ろ回し蹴りがアーリーのレバーにクリーンヒット。豪快なKO勝利をあげた。去年の藤原戦の前は負傷していたという童子丸だが、今回はコンディションが良かったといい、コーチも「これから彼はまだ伸びる。落ち着いて戦っていた」と太鼓判。今年の飛躍が期待できる。
第8試合 日タイ国際戦 68kg契約 3分5R ○スアダム・マジェスティック(タイ/マジェスティック/タイ国ミドル級) ×HIROSHI(サンプラパー・ジャパン/NKBミドル級) 判定3-0 (50-47,50-46,50-46)
スアダムは昨年1年はサムゴーのトレーナーに専念していたため、久々の試合だったようだが、HIROSHIにほどんど何もさせず。1〜4Rはジャッジの評価がまちまちだったが、着実にポイントを稼ぎ、次第にHIROSHIをグロッキー状態に追い込む。最後の5Rは右ハイでだめ押しのスタンディングダウンを奪って余裕の判定勝ちをおさめた。
第7試合 フェザー級 3分5R ○安田和伸(岩瀬/10位) ×国分省吾(OGUNI) 判定3-0 (50-49,49-48,50-48)
1R、国分(左)が右フックでダウンを奪うと、激しい打ち合いの末、安田が2度ダウンを奪い返し逆転。あと一歩まで追い詰めるが、国分がまたも右フックでダウンを奪い返すという、キック史上でも稀なシーソーゲームに突入。異様にテンションの高い殴り合いに、会場はこの日一番の盛り上がりを見せる。だが1Rで決着は付かず、ダウンポイントはリセット。以降は一転静かな打ち合いとなり、3R以降は安田が優位をキープし勝利をおさめた。
第6試合 フェザー級 3分5R ×赤羽秀一(WSR) ○中須賀芳徳(OGUNI) 判定0-3 (48-50,48-50,48-50)
身長180cmの中須賀が、長い手足を活かしたミドルと膝蹴りで3Rと4Rに主導権を握り勝利。
第5試合 ライト級 3分5R ○佐々木靖卓(OGUNI) ×加藤悟史(WSR) 4R 1'15" KO (3ダウン:右ロー)
2Rあたりから右ローを効かせはじめた佐々木が、3Rに右ローでダウンを奪取。3Rは3連続ダウンを奪い見事KO勝ちをおさめた。
第4試合 ライト級 3分3R ×大村タカ(WSR) ○ミシマ(G-1) 1R 1'46" KO (3ダウン:左ストレート)
第3試合 バンタム級 3分3R ○美保裕介(PIT) ×深沢英雄(ESG) 1R 1'01" KO (3ダウン:パンチ連打)
第2試合 ライト級 3分3R ○鈴木章浩(OGUNI) ×神谷正芳(ESG) 判定3-0 (30-28,30-28,30-27)
第1試合 フェザー級 3分3R ×落合雄助(町田金子) ○星 佳孝(OGUNI) 判定0-3 (29-30,29-30,28-30)
※第6試合に予定されていたエミル vs. 田中貴之は、エミルの負傷欠場により中止となった
Last Update : 01/19
|