(レポ&写真) [NKB] 11.2 有明: 川津、ムエタイ王者に惜敗。藤原は返り討ちに
ウィラサクレック・ムエタイジム "MUAY THAI CHALLENGE M-1" 2003年11月2日(日) 東京・ディファ有明 後援・ニュージャパンキックボクシング連盟 認定・NKB実行委員会
レポート:新小田哲 写真:湯本恵子,井原芳徳(メインのみ) [→掲示板スレッド]
第13試合 ダブルメインイベント 53kg契約 3分5R ○ダォパッスック・シットパァーファー(タイ/ルンピニーJr.フライ・フライ級元二階級王者) ×川津真一(町田金子/NKBフライ級王者) 判定3-0 (50-49,50-49,49-48)
団体内に敵なしとなり、NKBフライ級王座を11/9付けで返上する川津が、本場ムエタイの現役王者と対戦、敗れはしたが僅差の内容で大健闘を見せた。 ダォパッスックは肩書きにあるとおりルンピニー・スタジアムのJr.フライとフライ級の二階級を制覇しており、現在はタイ国プロムエタイ協会のフライ級王者。タイではライト級より重いクラスでタイ人以外の外国人がルンピニー・ラジャダムナン両スタジアムの王座を奪取した例はあるが、最も層が厚いフライ級を中心とした軽量級は今だ難攻不落の存在。その中でトップクラスに君臨しているダォパッスックに、川津は「これまでのキック人生をかけて」挑むことになった。 ちなみにダォパッスックは、10月24日にルンピニースタジアムで試合を行っている(判定勝ち)。通常なら10日後の試合、それもいつもより重いウェイト(ダォパッスックは普段フライ級で試合をしている)というのは少なくとも日本では考えられないが、これまでの大物タイ人がそうだったように、ダォパッスックも日本人との試合をエキジビジョン程度にしか考えていなかったのも確かだろう。
試合は、パンチとローキックの連打で前進する川津にダォパッスックが左ミドル、前蹴りでカウンターを合わせて首相撲に持ち込むという展開。ダォパッスックの左右ハイキックがヒットする場面も見られたが、川津は最大の武器である精神力で一歩も引かず、逆にタイ人のミドルに合わせてインローを連打。1R終盤には、ダォパッスックがこれまでの右構えからサウスポーにスイッチ。「普段から右でも左でも試合しているから、いつもどおりにチェンジしただけ」というダォパッスックだが、「効いてるという手応えはあった」と川津が言うように、多少のダメージはあったのだろう。
それでも王者らしく、ダォパッスックが随所に上手さを発揮。川津のロー、パンチを最小限のヒットに留める防御に、絶妙のタイミングで突き刺さる前蹴り、ガードをすり抜けるミドルで中盤を制した。 最終ラウンド、川津がダォパッスックのミドルの蹴り足を掴んでローの連打。さらにショートパンチでダォパッスックにロープを背負わせる。ここはダォパッスックが凌ぎ試合終了のゴング。
結局、3、4Rのダォパッスックのポイントを川津が挽回するまでには至らず、僅差でダォパッスックの判定勝利となった。ダォパッスックも連戦で万全のコンディションではなかったが、タイなら完勝といえる内容にさすがの上手さと王者の貫禄を感じさせられた。しかしながら川津の精神力、技術も光った。試合後ローのダメージか足を引き摺りながら引き上げてきたダォパッスックは「ローは少し効いた。10日前の試合の疲れも少しあったかもしれない。川津はハートの強い選手。タイの選手と比べる事は出来ない」と疲れた表情を見せた。一方の川津は「(ダォパッスックは)イメージどおりだった。ただ、もう少しと思っても、その少しが果てしなく遠いんだと思う」と語った。今後もムエタイへのチャレンジは続けて行くのだろうが、「この試合のことしか考えてなかったから、先の事はこれから考えます」。川津の戦績はこれで17戦12勝(7KO)4敗1分。
第12試合 ダブルメインイベント バンタム級 3分5R ○ワンロップ・ウィラサクレック(タイWSR) ×藤原国崇(拳之会/NKBバンタム級王者) 3R 1'59" TKO (レフェリーストップ:ヒジのカットによる出血)
第11試合 セミファイナル 53kg契約 3分5R ○リヨン樺沢(タイWSR/WMCバンタム級) ×シンダム・ソーワラッペット(タイ/バンタム級) 1R 1'21" KO (右アッパー)
第10試合 日・タイ国際試合 フライ級 3分5R ○NORIKO(タイWSR/アジアフライ級王者) ×ニットノーイ・シットヘンキィア(タイ/フライ級) 2R 1'34" KO (パンチ連打)
第9試合 NKBライト級 3分5R ×山本雅美(北流会君津/10位) ○南 健介(WSR) 判定0-3 (49-50,49-50,48-50)
第8試合 60kg契約 3分3R ○長崎秀哉(WSR) ×ミシマ(G-1) 判定2-0 (30-29,30-30,30-29)
第7試合 NKBウェルター級 3分3R ×篠原久仁宏(拳之会) ○田中貴之(WSR) 1R 1'50" KO (3ダウン:ヒザ蹴り)
第6試合 62.5kg契約 3分3R △磯崎昭伸(拳乃会) △今村幸徳(OGUNI) 判定0-0 (30-30,30-30,30-30)
第5試合 女子フライ級47kg契約 3分3R ×TOMOKO(國土會) ○西田久美子(WSR) 判定0-3 (27-30,27-30,27-30) ※TOMOKOは3Rにダウン1あり
第4試合 NKBライト級 3分3R ○山崎 勝(G-1) ×NAOKI(町田金子) 判定3-0 (30-27,30-27,30-27) ※NAOKIは3Rにダウン1あり
第3試合 NKBバンタム級 3分3R ×馬場健輔(PIT) ○粟井 兼(拳之会) 判定2-0 (30-29,30-30,30-29)
第2試合 NKBミドル級 3分3R ×及川友則(WSR) ○山口治久(G-1) 判定0-3 (28-30,28-30,28-30)
第1試合 NKBフェザー級 3分3R ○落合雄助(町田金子) ×安藤勝光(PIT) 判定3-0 (29-26,29-26,29-26) ※安藤は1、3Rにそれぞれダウン1あり
Last Update : 11/04
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