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(レポ&写真) [UFC 42] 4.25 マイアミ:須藤元気、ラドヴィックに逆転判定負け

Ultimate Fighting Championship
"UFC 42 - SUDDEN IMPACT"

2003年4月25日(金) 米国フロリダ州マイアミ:
アメリカン・エアライン・アリーナ

  レポート:井原芳徳
  Photos by Peter Lockley (MaxFighting.com)

  【→大会前のカード紹介記事】
  [→掲示板・UFCスレッド]

第3試合 ライト級 5分3R
×須藤元気(日本/ビバリーヒルズ柔術クラブ)
○ドゥエイン・ラドウィック(米国/3-Dマーシャルアーツ)
判定0-3 (28-29,28-29,28-29)


 須藤は和服、能面、長髪のカツラ姿で登場。花道で紙吹雪を散らし、観客の喝采を浴びる。客席には五味隆典の姿も見える。
 尻を向けトリッキーな構えの須藤。1分頃、素早いタックルからテイクダウンに成功する。ジャイアントスイングは失敗するも、その後はオーソドックスな戦法に移行し、あっさりパスガード。さらにはマウントを取り、サイドポジションに戻って腕十字を狙う。だが、足のフックが甘くラドウィックに脱出を許す。スタンドに戻り、猪木アリ状態になると、須藤は左肘をマットにつけてくつろぐような姿勢でラドウィックを挑発してみせる。

 1Rは完全に須藤のペースだったが、2Rになると逆転する。序盤、サイドキックを放った須藤にラドウィックがワンツーパンチ。ここから須藤が後退気味の展開となり、金網を背にしてタックルで飛び込むがテイクダウンに失敗。引き込んでガードポジションとなる。須藤のディフェンスは固く、また、ラドウィックがスタンド勝負を望むせいもあってか、膠着状態となりブレイクがかかる。須藤がカカト落としで観客を湧かせる場面もあるが、その後もラドウィックが優位で、膝、ハイ、パンチ等鋭い打撃でプレッシャーをかけ続ける展開。自ら寝転んで猪木アリ状態となる須藤にラドウィックは付き合わず、ブレイクを待つ。終盤に須藤がタックルで上になるが、時間が足りずラウンド終了。

 3Rの須藤は下がることなく、30秒、パンチに見せ掛けての素早いタックルでテイクダウンに成功。現地のファンからはブーイングが飛ぶ。須藤はラドウィックを金網に運んでは、五味を彷佛とさせるインサイドガードからのねちっこいパンチと肘で、ラドウィックの右目尻と鼻から出血を誘い、顔全体を血で染める。3分過ぎ、レフェリーのビッグ・ジョン・マッカーシーはドクターチェックを要請。須藤のTKO勝ちかと思われたが、ラドウィックの顔の血をタオルで拭ったドクターは、続行可能と判断。しかもレフェリーは膠着ブレイク扱いとしたのか?グラウンドの同じ体勢からではなく、スタンドから試合を再開させてしまう。

 圧倒的に不利だったが、闘志の衰えてなかったラドウィック。現地のファンの大声援に答えるように、パンチで前進。須藤のタックルも今度は切ってみせる。それでも須藤はスタンドでの差し合いからサイドスープレックスを放とうとするが、ラドウィックはつぶし上のポジションを征す。コツコツとパンチを落とすラドウィックは残り1分、いったん離れると飛び込んでの左ストレートを須藤の顔面に一撃。苦し紛れに抱き着く須藤を抱え上げてマットに叩き付けると、現地のファンの喝采を浴びる。一瞬立ち上がったラドウィックに対し、須藤は両目の下を腫らしながらもタックルで最後の望みをつなごうとするが、ラドウィックは切って猪木アリ状態に戻す。終了のブザーと同時に、ラドウィックはグリコの看板のようなポーズを取って勝ち誇り、須藤を見下す(本当は映画「ベストキッド」のクライマックスのポーズの真似らしい)。観客もラドウィックの大逆転にスタンディングオベーション。ラドウィックの顔の出血はピタリと止まり、目の下を腫らした須藤はドクターの治療を受けるという、3Rの3分までの状況では信じられないような光景が繰り広げられた。リングアナから「Bang!」のニックネームで勝ち名乗りを受けたラドウィックは、最後にルッテンジャンプのパフォーマンスを見せた。



メインイベント UFCウェルター級タイトルマッチ 5分5R
○マット・ヒューズ(米国/ミレティッチ・ファイティング・システム/王者)
×ショーン・シャーク(米国/ミネソタ・マーシャルアーツ・センター/挑戦者)
判定3-0 (48-45,48-47,49-46)
※ヒューズが王座防衛

 体型・髪型そっくり、タイツまでも同じFull Contact Fighterブランド、グラウンド&パウンドスタイルの似た者同士の対決となったが、地力に勝るヒューズが上からのねちっこい攻めで圧倒。シャークも3Rには上になりポイントを取り、5Rまで闘志が衰えなかった。

第7試合 ウェルター級 5分3R
×ロビー・ローラー(米国/ミレティッチ・ファイティング・システム)
○ピート・スプラット(米国/チーム・ジャンジリ)
2R 2'29" TKO (ローラーの右足負傷による試合放棄)

 ローラー(右)が序盤からマウントを取るなど優位に試合を進めるが、終盤はスプラットが重い右ローからのパンチ連打で反撃。1R終了間際にはマウントを取りかえす。互角と思われた2Rだが、ローラーの右の蹴りがスプラットの膝に命中し、ローラーが足の痛みを訴え試合放棄。スプラットがラッキーな白星を得た。

第6試合 ウェルター級 5分3R
×ロミー・アラム(アフガニスタン/ミレニア柔術)
○デイブ・ストラッサー(米国/ストラッサーズ・フリースタイル・アカデミー)
判定0-3 (27-30,27-30,27-30)

 開始早々アラムの右ストレートで倒れピンチとなったストラッサーだが、ガードポジションで体力回復。スタンドに戻ると、今度はパンチをかわしてアラムをつかまえテイクダウンに成功。そのままマウントを奪ってみせる。2、3Rもストラッサーが優位に試合を運び、UFC初勝利。(※この試合のみ写真がございません。ご了承下さい)

第5試合 ヘビー級 5分3R
×ショーン・アルバレス(米国/チーム・グラウンド・コントロール)
○ウェスリー・“キャベージ”・コレイラ(米国/グラップリング・アンリミテッド)
2R 1'47" TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)

 岩のような体型のキャベージがアルバレスのタックルをことごとく切り、スタンドでの回転の早いパンチで攻め続け完勝。ただのイロモノではないところを見せつけた。

第4試合 ライトヘビー級 5分3R
×エヴァン・タナー(米国/チーム・クエスト)
○リッチ・フランクリン(米国/ミレティッチ・ファイティング・システム)
1R 2'40" TKO (レフェリーストップ:パンチ連打)

 スキンヘッドに絞まった体でオクタゴンに帰ってきたタナーだが、フランクリンの左ストレートをアゴにもろにもらうと膝がガクンとなり、その後もパンチを浴び続けマットに倒れたところでレフェリーストップ。

第2試合 ライト級 5分3R
×リッチ・クランキルトン[Rich Crunkilton](米国/アメリカン・キックボクシング・アカデミー)
○ヘルミス・フランカ[Hermes Franca](米国/アメリカン・トップ・チーム)
判定0-3 (28-29,28-29,28-29)

第1試合 ミドル級 5分3R
×マーク・ウィアー(英国/チームX)
○デビッド・ロイジャー[David Loiseau](カナダ/TKOマネージメント)
1R 3'55" KO (パンチ)

Last Update : 05/04

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