BoutReview
記事検索 by google
news

(レポ&写真) [シュートボクシング] 4.13 後楽園:チャップマン、金的で反則負け

シュートボクシング協会 "“S”of the world Vol.2" 2003年4月13日(日)東京・後楽園ホール

  レポート&写真:井原芳徳  【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板・キック&K-1 MAXスレッド]

メインイベント ミドル級 3分5R
○アンディー・サワー(オランダ/リンホージム/S-CUP2002世界王者)
×シェイン・チャップマン(ニュージーランド/フィリップ・ラム・リーガー・ジム/HKMTC世界ミドル級王者)
延長1R 1'01" 反則 (チャップマンの度重なる金的による)
※本戦判定1-1 (50-49,49-49,48-49)


 強豪外国人同士の対決として注目の集まったこのカードだが、チャップマンの金的による失格という後味の悪い結末に終ってしまった。
 開始早々、チャップマンの前蹴りがサワーの金的にヒット。ダメージは軽くすぐ試合再開したが、思えばこれが波乱の予兆だったのかもしれない。2R序盤にも前蹴りが金的に。さらに再開後、今度は膝蹴りが股間を強打し、チャップマンはさらにボディに膝を連打する。サワーは苦痛の表情を浮かべマットに横たわる。チャップマン陣営は金的ではないと主張するが、サワーのセコンドのジョン・デ・リン会長は激怒する。
 なんとか試合は再開し、チャップマンは前蹴りと膝、サワーはボディブローを多用しながら一進一退の攻防を繰り広げるが、金的の影響で、サワーの動きにこれまでの試合のような勢いがない。
 そして4R、またも波乱が起こる。チャップマンの首相撲からの膝がこのラウンド中に2度も金的に命中してしまったのだ。故意性は認められないものの、サワーのダメージが大きいため、ついにチャップマンに減点1が宣告される。チャップマン陣営は相変わらずボディへの攻撃であることを主張し、両陣営はマットを挟んで「当たった・当たってない」の口論となり、客席からも両陣営にブーイングが飛ぶ。

 5Rには金的ではないが、チャップマンがサワーの背後からクリンチして、尻に膝を連打したためブーイングを浴びる。全体的にはチャップマンが優勢だったが、減点1の影響でドローとなり延長に突入する。完全決着が期待されたものの、またもチャップマンの膝が金的に命中。審判やドクターの判断により、ついにチャップマンに反則負けが宣告された。
 事態を収拾すべくリングに上がったシーザー武志・シュートボクシング協会会長は「2人を再戦させます」と即決した。チャップマンはリング上で「ソーリー・アンディ」と言っていたが、バックステージでは「ビデオを見れば当たっていないのはわかる。彼はボディへの膝を嫌がっていたのだ」と主張。「パンチ力も組む力も(K-1 WMAXで戦った)アルバート・クラウスの方が上だった」と話していると、サワーのファウルカップを持ったリン会長がインタビューブースに乱入し、「ファウルカップに傷が付いてるだろ?見ろ?これが何よりもの証拠だ!次はお前がこうなる!」とチャップマンに怒りをぶつけた。サワーのインタビューでもリン会長は「わしはWPKL等の大会でもレフェリーをやっているが、2Rでレフェリーは失格にすべきだった。奴は選手もレフェリーも尊敬していない」と語り、怒りがおさまらなかった。

セミファイナル スーパーウェルター級 3分5R
○緒形健一(シーザージム/SB日本Sウェルター級王者)
×レイランド・マホーニー(オーストラリア/ヴァラハラ・ムエタイジム/ムエタイ南太平洋王者)
3R 1'50" KO (左ボディブロー)


 二転三転した緒形の対戦相手・マホーニーは、本来緒形とは1階級以上違うと思われる選手。計量で0.75kgオーバーしたため、通常より2オンス重い10オンスのグローブを付けて戦うこととなる。緒形は1R、大柄のマホーニーに対し距離を詰めにくそうに戦っていたが、2Rから右ローが何発もあたるように。そして残り30秒、右のボディブローで最初のダウンを奪う。3Rもロー主体で攻め、最後はミドルも効かせつつボディブロー一発でKO勝ちをおさめた。
 マイクを持った緒形は「内容には満足いってませんが、最後に、外人天国? 何だそりゃ? 絶対このリングを僕ら日本人の手で取り戻す! そのためにも、アンディ・サワー、待ってろ!」とアピール。サワーへのリベンジを宣言した。

第7試合 ミドル級 3分5R
○後藤龍治(STEALTH/SB日本ミドル級王者)
×フンファー・タニヤマ(タイ/谷山ジム/イサーン・ウェルター級王者)
4R 1'59" KO (パンチ連打)


 両者ともパンチ主体の打撃戦となるが、次第に後藤の優勢に。フンファーは何十発クリーンヒットをもらっても倒れない異様なタフさを発揮したが、3R残り1分で最初のダウン。4Rも後藤がラッシュを続け、2度目のダウンを奪ったところでKO勝ちが宣告された。
 後藤はマイクを持つと、会場にいるはずの魔裟斗を挑発しリングに呼び寄せるが、魔裟斗はなぜか雲隠れ。肩透かしを喰らった後藤は、最後はチャップマンへの挑戦を表明した。

第6試合 スーパーライト級 3分5R
×宍戸大樹(シーザージム/SB日本Sライト級王者&WMCインターコンチネンタル王者)
○テーワリットノーイ・SKVジム(タイ/SKVジム/元ラジャダムナンスタジアムJrライト級王者)
判定0-2 (50-50,49-50,49-50)


 序盤ラウンドはパンチ合戦となったが、3Rあたりからテーワリットノーイが鋭い前蹴りとしつこい膝蹴りで宍戸を翻弄。宍戸もパンチや立ち関節技や浴びせ蹴りで応戦し観客を大いに湧かせるが、最後まで元ラジャダムナン王者を攻略することができなかった。

第5試合 スーパーフェザー級 3分5R
○及川知浩(龍生塾/SB日本Sフェザー級王者)
×カチャスック・ピサヌラチャイ(タイ/元ラジャダムナンスタジアム・バンタム級4位)
5R 1'26" TKO (タオル投入)


 かつては“切り裂き魔”と呼ばれ、日本人キラーぶりを発揮していたカチャスック。序盤こそ老かいな動きで及川を迷わす場面もあったものの、33歳となった今ではすっかりオジサン体型と化しており、ノーガードでパンチをもらい続けるうちに失速。最後はスタンディングダウン状態となったところでセコンドがタオルを投入した。圧勝した及川だが「倒すのに時間が掛かり過ぎた」と反省の弁。7月4日大阪大会で松浦の挑戦を受けることが内定しており、「今日の試合内容で気持ちが引き締まった」と話した。

第4試合 スーパーフェザー級 3分5R
○松浦知希(風吹ジム/SB日本Sフェザー級2位)
×高久雅裕(湘南ジム)
判定3-0 (50-46,50-47,50-47)


 松浦が1Rに右ストレートでダウンを奪い、その後もストレート、ボディ、ローを的確に叩き込み続けて圧勝。7月の及川のタイトル挑戦に向け好調ぶりをアピールした。

第3試合 ライトヘビー級 3分5R
○YU IKEDA(湘南ジム/SB日本ライトヘビー級4位)
×篁真一郎(BCG)
2R 0'52" TKO (タオル投入)

第2試合 フェザー級 3分3R
×今井教行(シーザージム)
○歌川暁文(U.W.F.スネークピットジャパン:写真中央)
延長1R 判定0-3 (9-10,9-10,9-10)
※本戦判定1-0 (30-29,29-29,30-30)

第1試合 ヘビー級 3分3R
○杉澤英樹(シーザージム)
×鈴木亮司(XXX)
判定3-0 (30-28,30-28,30-29)

※観戦に訪れた魔裟斗。休憩時間中、嫌がることなくファンの握手や撮影の求めに応じていた。

Last Update : 04/14

[ Back (前の画面に戻る)]



TOPPAGE | NEWS | REPORT | CALENDAR | REVIEW | XX | EXpress | BBS | POLL | TOP10 | SHOP | STAFF

Copyright(c) 1997-2003 MuscleBrain's. All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。

編集部メールアドレス: ed@boutreview.com