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[全日本キック] ミャンマーの過激ルール大会に選手派遣

(6/29 up) 約1000年の歴史を誇るミャンマーの伝統的な立ち技格闘技「ラウェイ」の“ミャンマーVS日本・4対4対抗戦”に、全日本キックが選手団を派遣することとなった。

 ラウェイは、拳にバンテージのみを巻いた状態で、パンチ・キック・膝・肘に加え、頭突き・投げが認められる競技。これまで日本では「ビルマ拳法」や「ムエ・カッチューア(「素手のムエタイ」という意味のタイ語)」などの名称で紹介されてきたが、ミャンマーでの正式な競技名は「ラ(手、拳の意味)ウェイ(闘い)」だ。
 右下写真は試合のビデオ映像。試合は契約体重制で、時間は3分5R・インターバル2分。選手は上半身裸でトランクスを着用し、試合場はリングを使う。ムエタイとの共通部分は多い。だが時間切れの場合は引き分け。レフェリーはリング内に2名いる。地面はマットと違い相撲の土俵のように硬く、倒されると痛そうだ。記者も15分ほどビデオ映像を見たが、選手の動きはムエタイに近く、肘と頭突きを使う場面はほとんど無かった。だがミャンマー人同士の戦いの映像だったため、国際戦となればどんな“奥の手”を使ってくるかはわからない。
 01年6月に初めて行われた国際大会には、アメリカからシャノン・“ザ・キャノン”・リッチ、アルバート・ラミレス、ダグ・エバンスが参戦し、3人とも1RでKO負けを喫しているという。

 今回はミャンマーの首都ヤンゴンで7月10・11日(現地時間)に開催される大会に、プロ修斗3勝2敗2分の田村彰敏(田中塾:冒頭写真右2人目)、プロデビュー戦となる新見吉太郎(田中塾:同左2人目)、山本武晴(パワーナイン)、若杉成次(慧舟會福岡)が参戦する。選手団・団長として藤原ジムの藤原敏男代表、監督として田中健一・田中塾代表、西良典・慧舟會総本部代表が同行する。
 他にも渡邊久江(AJジム)も参戦を表明している。渡邊は27日のGirls SHOCKで勝利するも、試合で実力を発揮できなかったことを反省し、試合後、大会プロデューサーに対し「私にも試練を与えて下さい」とアピールしていた。翌28日、ラウェイ挑戦を正式に志願。全日本キックはこれを受けミャンマー側に出場を要請した。大会では女子の試合が2試合組まれる予定。もし試合が決まらなくても渡邊は選手団に同行する。

 会場は15,000人収容のミャンマー国立室内競技場。ミャンマー政府スポーツ省が後援する“国家イベント”として位置づけられた大会に、初めて日本人が参戦するということで、現地では大きなニュースとして話題を集めている。ヤンゴンの町中には4選手の顔の描かれた宣伝カーが走っているほどで、チケットは完売状態。現地の日本人会も応援に駆け付ける予定だ。日本からもテレビ朝日系「報道ステーション」の取材班が同行し、現地収録&オンエアを予定している。

 出場選手のうち田村、新見、そして藤原代表と田中代表が28日、都内の藤原ジムで会見&公開練習を行った。それぞれのコメントは下記。(井原芳徳)

◆田村「度胸を試したいです。思いっきりケンカをしてきます。試合はスタミナが重要になると思います。膝蹴りと投げを出したいです」

◆新美「精一杯頑張って勝ちたいです。素手の試合は前からやりたかった。今回は寝技は無いですけど、何でもアリの試合は昔から憧れていました。この戦法だと決めて戦うと、それがダメだった場合、リズムが崩れてしまうと思います。だから自分のリズムを崩さないよう、スタミナを無くさないような戦い方をしたいです」

◆田中代表「技術的なことに関しては、まだやったことの無い競技なので、軽く口にはしたくないです。それよりも大事なのは体力と精神力だと思います。危険な競技なので、弟子達には『出ろ』とは言えなかったんですが、多くの選手が拒否する中、この2人が名乗り出てくれたことは光栄に思っています。他の日本のキックボクサーが出ないことはおかしいですね。今はタレントキックボクサーばかりで、本当の格闘家はいないと思います。弟子達は仮に負けたとしても、ただじゃ負けない自信があります」

◆田中代表の師匠の佐山聡氏「田中の育てた選手だから100%間違いないと思いますよ」

◆藤原代表「今はまだビデオを見て研究している最中です。ムエタイと比べると、こっちには決まった技術の形(かたち)が無いね。素手のケンカのようなもんで、一瞬の隙も見せられない。いかにダメージを受けずに戦うかが大事。1、2Rから倒すような戦法を立てないといけない。パンチだと拳を傷めるので、接近戦で肘を有効に使えば勝てると思う。何でうちの選手が出ないんだ、って? うちの選手たちに断られたんだよ(笑) だから田中先生んトコにお願いしたんだ」


ミャンマー・ラウェイ協会 "ミャンマーVS日本・4対4対抗戦"
2004年7月10日(土)・11日(日) ミャンマー・ヤンゴン:国立室内競技場

◆7/10 14時〜

-67kg契約
Aya Bo Sein(ミャンマー)
田村彰敏(格闘結社田中塾)

-63.5kg契約
Nine One Lay(ミャンマー)
山本武晴(パワーナイン)

◆7/11 14時〜

-74.85kg契約
Shwe Sai(ミャンマー)
新見吉太郎(格闘結社田中塾)

-57.15kg契約
Win Tun(ミャンマー)
若杉成次(和術慧舟會福岡)

Last Update : 06/29

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