[PRIDE] 元幕内・戦闘竜が正式参戦表明。4月GPでデビューか

▼ (2/12 up) 大相撲の元幕内・戦闘竜（せんとりゅう）が12日、都内のDSE事務所で記者会見を行い、PRIDE参戦を正式表明した。リングネームも戦闘竜のままで行く予定で、早ければ4月25日のPRIDE GP開幕戦でMMAデビューを果たす。
　戦闘竜は米国のセントルイス出身の34歳。昨年11月の九州場所で怪我を理由に引退した。11日に断髪式を終えたばかりで、スキンヘッドで会見に登場。「今日からは正式にPRIDEの選手。まだまだ自分の力をたくさん出せると思う」と参戦の意気込みを語った。怪我については「今のところ痛いところは無い」という。
　榊原信行DSE社長は「PRIDEはあらゆる種類の競技の人が戦える場。国技の相撲のポテンシャルを発揮してもらいたい」「4月のGPに相撲代表として出て欲しい。ミルコ、ヒョードル、ノゲイラの相手もいい。ゆくゆくは曙選手と格闘技マッチで戦って欲しい」と大きな期待をかけた。
　所属はフリー。来週から高田道場で本格的なトレーニングに入る予定で、既に高田道場を見学した。高田延彦・PRIDE統轄本部長は「見学だけのつもりだったんだけど、グローブをはめてサンドバッグを打ったら、サンドバッグが壊れるかと思ってね」と語り、戦闘竜のポテンシャルの高さをアピールした。戦闘竜も「ぶちかましはPRIDEでは反則だけど、張り手、かち上げをPRIDEでも活用したい。グローブを付けたほうがパワーが出せると思う」とパンチ力に自信を示した。
　今後のトレーニングについて高田本部長は「破壊力と瞬発力は凄いので、あとは動いている相手にいかに打撃を当てるか。あと大事なのは燃料タンク。相撲のように瞬間勝負じゃないので、スタミナをどう付けるかが課題」と語った。戦闘龍は幼稚園では柔道、高校ではレスリングの経験もあるが、MMAの寝技は未体験ゾーン。「関節技はまだわからないので、これから勉強する」と話した。（井原芳徳）

◆戦闘竜（本名：ヘンリー・アームストロング・ミラー）
生年月日／1969年7月16日
身長体重／175cm、144kg
出身地／アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイス市

アメリカ空軍に勤務する父の長男として生まれる。幼稚園では柔道、小学校1年からアメリカン・フットボールを始め、マックルアー高校ではディフェンスとして活躍するとともに、レスリングで地区大会優勝を果たした。ミズーリ大学やアイオワ州立大学を始めとする有力大学からも勧誘されるほどの逸材だったが、怪我のため断念。
高校卒業後に就職をした後、単身来日して相撲の友綱部屋に入門する。郷里のセントルイス市にちなんで「戦闘竜」をしこ名にする。初土俵は1988年7月。筋骨隆々の身体を武器に立ち合いで頭で当たり、突き押しで一気に出る取り口で活躍。史上初の北米出身幕内力士に。最高で前頭12枚目まで昇進する。
アキレス腱を断裂するなどの怪我に泣かされ、2003年11月の九州場所を最後に、15年にわたる相撲生活にピリオドを打つ。2月11日に断髪式を終え、翌12日にPRIDE参戦を正式表明する。

Last Update : 02/12