青木のことは好きではないのに
擁護し続けるのもちょっと気持ち悪くなってきたので……
青木を批判というか、青木について苦言みたいなものがあるとすれば、
多分こういうことになります。
たとえば魔裟斗やKIDは「不良」的なイメージを売りにしつつ、
ここぞというところでは逆にストイックな面(所謂スポーツマンシップ)を見せて
そのギャップで人気者になってきたところがあると思う。
たとえば桜庭は、
あのK−1の天田が恐れていたくらい、過去にはヤンチャだったわけだけで、それが強さでもあったわけだけど、
表面的にはおちゃらけた飄々としたキャラで世間に届いたわけです。
たとえばアボットなら、得体の知れない喧嘩屋として売り出しながらも
実際はそれは多くが演技で(だからプロレスにもそのまま転向できるし)
なおかつたとえばOFGをUFCの最初期に使用するなど、頭のよさもあったわけですね。
青木も常に強さを求めるストイック(マニアック)な面と
おそらくある種の破滅的な性格と、プロとしての色気につながる多面性があるはずなのに、
それぞれの面を表に出す場所をいつも決定的に間違っている。
いわば、プロ(表現者)としてのバランス感覚がない。
それはヲタク目線しかないからで、
その意味では「世間」と「コアなファン」を対峙させてしまう
変な理論(ある意味ではPRIDEが作り出した奇妙な論理)に呪縛されたままの
「自称格闘技ファン」と同じ病にかかっている。
もし今回、この妙なバッシングに屈して変に小さくなってしまったとしたら、
おそらくそこで青木の未来は決まってしまうだろう。
そうであれば彼はおそらく魔裟斗や桜庭のような
「団体や興行を背負う」存在には永遠になれないし、
それを打破するには「本当のスターにとって客は客で、世間だのマニアだのという区別はない」ということを
ちゃんと理解するしかないだろうと思う。 |
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