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トリプルメインイベント第2試合
日本・フランス国際戦 67kg契約/5R

全日本ウェルター級王者
魔裟斗(藤)
ISKAヨーロッパ ウェルター級王者
ジェームス・シャサー (フランス)

 

月17日に全日本ウェルター位級王座を獲得した魔裟斗はこれが初の国際戦となる。対戦相手のジェームス・シャサーはISKAヨーロッパのウェルター級チャンピオン。年齢も魔裟斗と1つ違い。破竹の勢いの魔裟斗は、国際戦で実力を発揮できるか。



 
 

ラウンド1

 
に魔裟斗が右ローを叩き込む。パンチを上下に散らし、フェイントを交えながらサシャーの距離から踏み込んでいく。
  サシャーは魔裟斗の攻撃をさばきながら見の様相。
  中盤首相撲でサシャーは肘を出していく。だが魔裟斗はこの展開でも一歩も引かず、膝を叩き込む。この膝がきいたか、最後サシャーの体が揺れたところで、ゴング。
 

 

ラウンド2 R後半の組んでの攻防が繰り返される。互いにロープに押し付け合い、体勢はくるくると入れかわる。魔裟斗が離れきわに右ローから右フックの攻撃を見せるが、すぐにまた首相撲へ。魔裟斗はタイ遠征の成果か、肘を得意とするサシャーに対して積極的に組んでいく。この首相撲の攻防は五分。

ラウンド3

盤サシャーの右ストレートがヒット、追い込むもダウンを奪うまでに至らず。その後の首相撲で魔裟斗がサシャーをロープに押し付け、抱え込んで膝の連打。これでサシャーがダウン。8でファイティングポーズ。
 魔裟斗は、今までのパンチ型のイメージを変えるような闘い方を続ける。タイ遠征の成果は確実に現れている。サシャーの流れに傾きかけたかと思うところでも魔裟斗は崩れない。勢いの強さが、魔裟斗のほうに傾いている。
ラウンド4  開始早々魔裟斗の膝でサシャーがカット。ドクターチェックを受けて、再開。
 このラウンドはほとんど組むことなく、両者距離を計りながらの攻防が続く。サシャーは心がけて距離を取る。懐に飛び込まれては不利と見たか、前蹴りで距離を作るサシャー。魔裟斗は一度この前蹴りを受け、なかなか入っていけない。


裟斗は積極的に前へ出る。左右のフック、ミドルキックで切り込んでいく。サシャーは左フックで応戦。時折組みながらも両者決定的なシーンは見られず試合終了。

 判定の結果は、50-46,50-45,50-43で、魔裟斗。国際戦デビューを白星で飾った。
 

んでからの魔裟斗が予想以上に強かったことが、サシャーにとっては誤算だったろう。たびたび上から肘を落としていたサシャーだが、魔裟斗の勢いを止めることはできなかった。アマチュアボクシングを経験しているだけに3Rで見せたストレートパンチを繰り出す場面をもっと作れていれば様相は変わっていたかもしれない。


 この試合は魔裟斗が積極的に組んだことによって流れを寄せた。もちろん離れているときも、サシャーの攻撃を殺すように離れる、入るといったタイミングを上手くコントロールしていた。その点も含めて、初の国際戦、しかもヨーロッパ王者相手の勝利は、十分合格点といえるだろう。魔裟斗は今後、膝も警戒されることになるが、それを上回る急成長を遂げ得る可能性も見せた試合だった。


(写真・文/薮本直美)    


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