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 [第10試合 NJKF・日本キック連盟交流戦 ライト級]
ガルーダ・テツ vs 笹羅崇裕
年5戦目にして最後の試合は、3度目のNJKFとの交流戦となったガルーダ・テツ選手。最初は、NJKFのリングで三上選手と、2度目は連盟のリングで相沢選手とグローブを交えているが、いずれも勝利を逃している。今回、再びNJKFのリングに上がり、笹羅選手を倒して交流戦初勝利を狙いたいところだろう。

 一方、ホームで迎え撃つ形となる笹羅選手は、昨年来最も成長を見せている選手のひとり。ランキングもじわじわと上昇、2位にまで上がってきた。7月にはソムチャーイ高津選手と王座挑戦権をかけて戦ったが、これは引き分けに終わっている。来年、王座を狙うためにも、ここでネームバリューのあるガルーダ選手を倒しておきたい。



ラウンド1 羅選手の軽い前蹴りから始まる。そこから左ロー、右ジャブ、左ローと続ければ、ガルーダ選手も軽いボディワークからジャブを狙う。笹羅選手がやや遠目から右フック、左フック、右ローとコンビネーションを積極的に仕掛ける。ガルーダ選手も笹羅選手のパンチにローを合わせるが、手数が少ない。

ラウンド2 ルーダ選手が左フック、ローと仕掛ける。笹羅選手も前に出てミドル、ローを返し、さらに、アッパー、ストレートを織り交ぜたワン、ツー、スリーと続けてローで離れる。ガルーダ選手も、細かいパンチのフェイントから笹羅選手の入り際にショートストレート、アッパーなどを合わせる。笹羅選手は出入りに肘を使い変化を付けてパンチとローのコンビで押し気味に進める。

ラウンド3 羅選手の右ジャブにガルーダ選手はローを返すが、これは単発。笹羅選手は前に出てワンツー、ロー、さらに飛び膝まで繰り出す。パンチで圧力をかける笹羅選手に対しガルーダ選手はやや守勢に回る。前に出る笹羅選手と組み合うが、首相撲は両者攻めきれず。ガルーダ選手も時折パンチとローを返すがスピードが乗っていない。

ラウンド4 ルーダ選手が前に出るが、笹羅選手はワンツーで応じて足を止める。なおもガルーダ選手はローを出すが、前に出てもパンチにつながらない。笹羅選手は右フック、左ローと出すが、笹羅選手も疲れている。ガードが下がり気味になるが、ガルーダ選手も手が出ない。両者組み合ってももつれるように倒れる。

ラウンド5 ングが鳴ると、両者中央で抱き合う。それから笹羅選手がワンツー、ロー、ガルーダ選手もパンチからローを打つが、笹羅選手はこれをすかして、ワンツー、ローとつなぐ。ガルーダ選手もローを放つが、勢いに欠ける。両者、ローを数発ずつ交換するが、疲れから組みつく。終盤、ガルーダ選手がローを放てば、笹羅選手もローで押し返し、さらにガルーダ選手がローを蹴りまくって終了。


数にまさった笹羅選手が判定で勝利した。前半、ワンツースリーとパンチを重ね、ローで離れるという攻撃を多用し、押し気味に進めたが、後半は疲れ気味になってしまった。表情も、動きも、疲労の色が隠せなかったが、それでも終盤まで試合をリードしてたことを考えれば、妥当な判定といえるだろう。

 一方のガルーダ選手は、決定的な有効打こそもらわなかったが手数に押されてしまった。はっきり言って今回の試合は動きに精彩を欠いていた。わずか1週間前にも試合を行っており、その疲労が残っていたか。決して表情は死んでいないが、体がついてこないという感じで、いつもに比べて手数が少なく、攻撃に勢いが感じられなかった。

 互いに決め手のないまま終わってしまったこの試合、両選手の来年の飛躍への糧になればいいのだが。

文 片岡


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