切れのある動きと、軽量級であることを感じさせない威力あるパンチで、王座まで上りつめた深津選手。しかし、その後も勝利こそ重ねるものの、ファンにとって納得のいく小気味よさがなりを潜めている。もちろん、本人もそのことは承知しているのだろう。試合後に、リング上から四方の客席に向かって頭を下げる姿が度々見られた。 そんな深津選手とファンのフラストレーションがぶつけられる今日の相手は、しかし、格別の強敵だ。ラジャダムナン・Jrフライ級3位のアヌワット・ゲォサムリット選手。現在まだ17才という。現役ランカーとしての実力に、若さという勢いも加わることだろう。 深津選手が、爆発するためには、一気にパンチの距離に入りたいところ。アヌワット選手はそれを許してくれるか。紛れもない実力者相手に、深津選手の力が試されることになるだろう。
5Rもアヌワットの猛攻にさらされ続ける深津、抵抗も出来ぬまま遂にレフェリーストップ
アヌワット選手の圧力に、下がりっぱなしとなってしまった深津選手。最後まで自分の持ち味を出すことができずに一方的にやられてしまった。アヌワット選手も比較的にパンチ主体に攻めるスタイルだったが、噛み合うことなく、殴られ役に甘んじることになった。 開始早々から、弱々しく下がってしまう深津選手は初めて見た気がする。アヌワット選手は、勢いよく畳み込む選手ではなかったが、ジリジリとプレッシャーをかけ、相手を見てガードのないところを淡々と、しかし力強く叩き込む、文字通りの強者だった。闘っている深津選手自身がそれを感じ取ってしまったのだろうか。 深津選手にとっては試合を止められるという最悪の結果になったが、この試合展開ではやむを得ないだろう。最近、「らしさ」が出せていないだけに、この試合が復活の機会になればと思っていたが・・・。逆に、完封されたことで吹っ切れて、来年の飛躍に繋がるのだろうか?。 しかし、そんな心配をよそに試合後の深津選手は落ち込む様子は無かった。「あれなら届かないことはない!」と力強い台詞も聞こえるほどだ、現役ランカーへの敗北に逆にファイトを燃やしているかのように。リトルタイソン復活の日は近いかもしれない。 文 片岡・渡辺
しかし、そんな心配をよそに試合後の深津選手は落ち込む様子は無かった。「あれなら届かないことはない!」と力強い台詞も聞こえるほどだ、現役ランカーへの敗北に逆にファイトを燃やしているかのように。リトルタイソン復活の日は近いかもしれない。 文 片岡・渡辺