ONE Championship 10.5 ベルサール渋谷:工藤諒司・内藤頌貴・鈴木祐子・有井渚海らがトライアウトマッチで勝利
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ONE Championship「ONE WARRIOR SERIES ~ 日本 vs 世界」
2019年10月5日(土) ベルサール渋谷ガーデン
レポート&写真:井原芳徳
第15試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
○工藤諒司(TRIBE TOKYO M.M.A/修斗フェザー級環太平洋6位)
×ジェリー・オルシム[Jerry Olsim](フィリピン)
判定3-0
ONE WARRIOR SERIES(OWS)はONE Championshipの選手発掘のトライアウトで、通常は観客を入れないスタジオマッチとして行われるが、「ONEマーシャルアーツ・ファン・フェス」(10月5日(土)~6日(日))の企画として、初めてファンにも一般公開された。10月13日の両国国技館でのONE 100回記念大会の前煽り的な意味合いもあり、今回は2試合を除き14試合が日本対外国の構図。前哨戦のOWSにおいても日本勢がどこまで強さをアピールできるか注目が集まる。
工藤は青森出身の26歳。レスリングの名門・国士舘大学レスリング部出身で、極真空手も5歳から10年間学んだ経験がある。大学卒業後、長南亮代表率いるTRIBEに加入し、プロ修斗では3勝1敗1分。昨年10月に山本 健斗 デリカットに敗れたが、今年3月には内藤太尊との新鋭対決を制した。MMAデビュー当時から高い素質を評価され、今回のOWSでも日本勢のトリを務めることに。対するオルシムはOWS 4戦全勝、MMA 6戦全勝の24歳とイキのいい相手で、工藤がONE本戦に近い実力の持ち主だとONE側が評価していることが伝わってくる。
1R、工藤が先にタックルを仕掛けるが、オルシムは切ってコーナーに押し込み、両者膝を当て、押し合いを繰り返し、オリヴィエ・コスト・レフェリーが膠着ブレイク。終盤、工藤がタックルで倒すが、オルシムはコーナーを背にしてすぐ立ち、差をつけさせない。
2R、工藤が押し込み続けるが、オルシムは耐え、オルシムが反り投げで倒すが、工藤はすぐ立つ。スタンドの打撃戦が後半は続き、お見合いが長く、レフェリーが両者に注意する場面もあるが、ヒット数では少し工藤が上だ。
3R、オルシムが右フックを放ったタイミングで、工藤が胴タックルを仕掛けテイクダウンに成功する。工藤はスペースを作って右肘を当てる。スタンドに戻り、オルシムが押し込むが、工藤は突き放して左ハイをヒット。終盤、スタンドでお互い攻めあぐねるが、最後は工藤が倒して上になった状態で終了。3Rに明確に差をつけた工藤が判定勝ちした。
第14試合 ムエタイ(オープンフィンガーグローブ着用) 女子アトム級(52.2kg) 3分3R
×Little Tiger(TEAM THAI-YO/WPMF&WMC世界ピン級王者、WBCムエタイ・インターナショナル・アトム級王者)※ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪から所属変更
○サンドラ・ゴドヴィク[Sandra Godvik](スウェーデン)
判定0-3
現在はタイにジムを構えるLittle TigerがONE本戦目指しOWSに初出場した。両者サウスポー。1R、Tigerが首相撲からの崩しを2度決めて先手を取る。だがムエタイなら2階級ほど上であろう体格のゴドヴィクが、左右のストレートをヒットし出すと、Tigerは鼻血を出して苦しそうな様子を見せるように。ゴドヴィクがパンチ、首相撲の膝で攻め続け主導権を握る。
2RもTigerが左右のパンチ、組んでの膝で圧倒。左肘も当て、Tigerを追い詰める。3Rもその流れは変わらず、ゴドヴィクの完勝に終わった。なお、両選手とも試合内容が主催者から評価され「ウォリアー・ボーナス」を獲得している。
第13試合 MMA バンタム級(65.8kg) 5分3R
×ジェイク・ムラタ(パラエストラTB/Fighting Nexus/ZSTバンタム級王者)
○ソン・ミンジョン[Min Jong Song](韓国)
判定0-3
ムラタは福岡の27歳。パンクラス・DEEP・修斗では苦戦したが、17年12月から上がり始めたFighting NEXUSでは、昨年12月のバンタム級王座決定戦で渡部修斗に判定負けした以外は4戦とも勝利。今年からZSTで2連勝し、8月には滝田J太郎とのZSTバンタム級王座決定戦で勝利し、初のタイトルを獲得した。
今回戦うミンジョンは27歳。10年のSRCで曹竜也に判定負け、12年のONEで上田将勝に判定負けしたが、その後着々と力をつけ、13年以降のROAD FCではアラン“ヒロ”ヤマニハ、田村一聖、春日井 寒天 たけしといった現パンクラス・ランカーに勝利している。4月のOWS 初戦でも一本勝ちし、2勝目を狙う戦い。今回のOWS出場32選手の中でもトップクラスの実力者だ。
1R、スタンドでミンジョンが左ミドル等の蹴りを当て、押し込めば2度テイクダウンに成功し、サイドポジションを奪うなど、終始攻勢を維持する。
2R、序盤から押し込まれたムラタだが、途中から押し返すと、背後から引っ張って倒してスクランブル状態に持ち込みつつ、最終的にトップキープに成功する。だがその先に持ち込めず、ミンジョンが下から捕まえて手のひらで頭を叩き続け、正味の有効性は乏しいと思われるが、積極性を印象づけることに。
3R、ムラタが2度テイクダウンに成功し、パウンドを時折当てるものの、明確な攻撃には持ち込めず、ミンジョンがスタンドに戻すと、左ミドル、右ストレート等を当て続け優勢。最後はミンジョンが倒して背後に回る状態で終える。各ラウンドとも有効打や主導権で好印象を残したミンジョンが判定勝ち。ムラタは試合前に話していた「100回に1回」のチャンスをものにできなかった。
第12試合 MMA フライ級(61.2kg) 5分3R
○内藤頌貴(パラエストラ松戸/修斗フライ級世界5位)
×アレックス・シルド[Alex Schild](米国)
判定3-0
内藤のび太の弟・頌貴(のぶたか)がOWS初参戦。1R、内藤がサウスポーに構え、シルドの右ミドルを時折りもらうものの、随所でパンチを返し、中盤過ぎには左右のストレートの連打でぐらつかせる。前足への右ローも織り交ぜ、着実にダメージを与える。
2Rも内藤が左ストレート、フック、左ミドルを随所で巧く当てて優勢。シルドは鼻血を出し、時折スイッチしながら打開を図るが流れは変わらない。
3R、シルドは低空タックルを仕掛けるが、内藤は簡単に切って上になる。スタンドに戻れば、内藤が変わらず、右ロー、左ストレート等を当て続け主導権を維持。最後はシルドのタックルを潰して終了。文句無しの判定勝ちでOWS初戦を白星で飾った。
第11試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
―菅原和政(マスタ-ジャパン福岡)
―アリ・モタメド[Ali Motamed](イラン)
中止
第10試合 MMA バンタム級(65.8kg) 5分3R
○吉野 光(フリー)
×チャン・サマート[Chan Samart](カンボジア)
判定3-0
第9試合 MMA 女子アトム級(52.2kg) 5分3R
×SARAMI(パンクラスイズム横浜)
○キム・ソユル[So Yul Kim](韓国)
判定0-3
SARAMIは2012年にプロMMAデビュー。15年のDEEP JEWELSフェザー級(48kg)GPでは決勝まで残るが、決勝(王座決定戦)ではV.V Meiに2R TKO負け。16年に富山から上京しパンクラスイズム横浜に移籍。18年3月に黒部三奈の持つDEEP JEWELSアトム級(47.6kg)王座に挑戦したが判定負けした。ベルトにはあと一歩で届かない状態が続いたが、現DEEP JEWELSアトム級王者の前澤智には3戦3勝した実績がある。
今年6月、ONEの本拠地・シンガポールでのOWSに初出場し、ミッシェル・フェレイラに2R腕十字で一本勝ち。OWS 2戦目の相手・ソユルは、MMA 3勝1敗でOWSでは2勝1敗。2月には鈴木祐子を寝技で追い詰め判定勝ちしている。
1R、SARAMIが2度目のタックルでテイクダウンに成功し、押さえ込もうとするが、ソユルはスペースを作ると、下から蹴り上げて脱出し、スタンド勝負に戻す。
2R、序盤にソユルがテイクダウンを奪うが、すぐスタンドに。ソユルが左ジャブなどのヒットでやや上回るが、終盤、SARAMIが打ち合いで右フックを立て続けに当て巻き返す。ソユルは鼻血を出す。
3R、ソユルは組んでくるSARAMIを突き放し、回ってかわしながら左ジャブ、左ストレート、右前蹴り、ミドル、ハイ等を的確に当てて、やや優位なまま終了。打撃のヒット数で上回ったソユルが判定勝ちした。なお、両選手とも試合内容が主催者から評価され「ウォリアー・ボーナス」を獲得している。
第8試合 MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
×長田拓也(BLOWS/修斗ライト級世界4位)
○オットゴンバタル・ネルギ[Otgonbaatar Nergui](モンゴル)
1R 4’10” フロントチョーク
オットゴンバタルは開始すぐからパワフルな右フックを振るって観客をどよめかせる。長田がタックルからテイクダウンを繰り返し、パスガードやバックを狙う。だがパワーで勝るオットゴンバタルは、長田が動くタイミングでひっくり返し、スタンドに戻す。すると終盤、長田がタックルに来たところで首を抱え、ギロチンを仕掛ける。長田は必死に動くが、オットゴンバタルが捕まえ続け、締め上げてタップを奪った。
第7試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
○椿 飛鳥(トライデントジム)
×ロン・ラー[Long La](カンボジア)
2R 4’27” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、スタンド勝負が続き、2Rに椿がテイクダウンに成功するとマウントを奪取。「格闘代理戦争」で椿を推薦した青木真也のアドバイスも聞きながら、椿はじっくりパウンドを当てつつチャンスをうかがい、終盤、右肘を効かせると、パウンドラッシュできっちりフィニッシュした。
第6試合 MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
×山下竜一(BRAVE)
○アフメド・ファエズ・アヌアー[Ahmed Faez Anuar](ブルネイ)
1R 4’55” 三角絞め
第5試合 キックボクシング(オープンフィンガーグローブ着用) ライト級(77.1kg) 3分3R
×下川晃毅(晃哲會 下川道場/S-BATTLE KARATEミドル級王者)
○ショーン・ラッシュ[Sean Rush](米国)
2R 2’11” TKO (3ダウン:パンチ連打)
第4試合 MMA 女子アトム級(52.2kg) 5分3R
○鈴木祐子(BRAVE)
×エディラー・ヨハニー[Edilah Johany](マレーシア)
1R 2’12” 腕ひしぎ十字固め
開始すぐ、ヨハニーの右ストレートでダウンし、パウンドラッシュでピンチに陥った鈴木だったが、組み付いてタックルで倒すと、寝技では圧倒。マウントをあっさり奪い、腕十字を極めてタップを奪った。逆転勝ちすると夫の鈴木隼人と共に大喜びした。なお、鈴木は試合内容が主催者から評価され「ウォリアー・ボーナス」を獲得している。
第3試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
○櫻井裕康(NEVER QUIT)
×島村直希(OOTA DOJO)※ジェース・ロウ[Jace Law](マレーシア)から変更
判定2-1
第2試合 キックボクシング ストロー級(56.7kg) 3分3R
○有井渚海(及川道場/新空手全日本K-2 GP 2019軽軽量級優勝)
×レイ[Lehe](マレーシア)
3R 1’54” TKO (レフェリーストップ)
有井がサウスポーのレイに右の蹴りを当て続け、左ボディで1Rに1ダウン、2Rに2ダウンを奪い圧倒。3Rも攻め続け、レイが反撃できず逃げ続けていると、コスト・レフェリーがタイ式で突然ストップし、有井の勝利となった。有井は試合内容が主催者から評価され「ウォリアー・ボーナス」を獲得している。今回ウォリアー・ボーナスを獲得したのは、男子選手では有井だけだった。
「ONEマーシャルアーツ・ファンフェス」は明日6日も行われ、デメトリアス・ジョンソンがeスポーツ(コンピュータゲーム)部門に出演する。
第1試合 キックボクシング ストロー級(56.7kg) 3分3R
○基山幹太(Kick Lab/新空手全日本K-2 GP 2019軽量級優勝)
×チェプ・ホリック[Cep Holik](インドネシア)
判定3-0
第16試合 MMA ウェルター級(83.9kg) 5分3R
×デヴォン・モリス[De’von Morris](米国)
○エマヌエル・オニエディカチ[Emmanuel Onyedikachi](ナイジェリア)
3R テクニカル判定0-3
※偶発的なローブローにより、オニエディカチが試合続行不可能になり、終了時点までの内容で判定
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