
Interview : 横森綾,井田英登
Photo : 井田英登久々の大型新人登場ということで、格闘技マスコミにおける大山の扱いは、デビュー前の新人とは思えないほどヒートアップした。
その柔道界における華々しい経歴、そしてキング・オブ・ザ・ケージ(KOTC)での夢のようなワンパンチKO勝利はその扱いが不当ではないと思わせるほど、大山に対するファンの幻想をかき立てたのも事実である。事実、PRIDE14の会場に集まったファンから巻き起こった「大山」コールは、それまで日本で一戦もしたことの無い新人に寄せられるものとは思えないほど大きかった。
だが、そうした周囲の思惑とは裏腹に、大山峻護のデビュー戦は無残な結果に終わった。今や時の人であるヴァンダレイ・シウヴァを相手に「死んでもいい覚悟でリングに上がった」という思いは、島田レフェリーによる早すぎるレフェリーストップによって完全に砕けた。ここではその是非は問うまい。
しかし、大山という選手はこれだけの素材ではない。今回お届けするインタビュウは、昨年全日本アマ修斗で優勝を飾った直後の大山のインタビュウを既に収録したものである。諸事情でタイムリーな公開が遅れてしまったのだが、結果としては大山がアマチュア格闘家の大山「利幸」からプロフェッショナルファイターである大山 「峻護」へと「越境」する直前の貴重なインタビューとなった。猪木やハンセンにあこがれたプロレス少年時代から大学時代に花咲いた柔道家としての生活。さらにサンボ、アマ修斗、コンテンダーズなど未知の格闘技に触れ、めくるめくようにプロ格闘家へと歩むことになったこの一年間の目まぐるしい環境の変化。そこに至るまでの活き活きした心理状況が言葉の一つ一つから伝わってくる。
この後、KOTC2連戦とPRIDEデビューを経て、名実ともに「プロ格闘家・大山峻護」となった彼にもう一度インタビュウセッションを申し込んだところ、彼は前回とはまた違った角度から“一人の自分”を語ってくれた。前回の輝かしいエリート柔道家大山ストーリーがレコードのA面のようなものだったとすれば、B面はその内容を補完するダークサイドとでも呼ぶべき衝撃的な内容だった。前後編にわけてお送りする、このインタビュウを通して、大山という格闘家がリングに上がらなければならない真のモチベーションやその人格、そして可能性をじっくり堪能していただきたい。(井田)
−−柔道はいつぐらいからやっていたんですか。
峻護「幼稚園の年長だから、5歳からですね」
−−家族の誰かがやっていたんですか?柔道の人はそういう人が多いみたいですけど。
峻護「いや、普通の家庭なんですけど、友達がやってたんでついでに。最初空手だと聞いて行ったんですけどね、ダマされて」
−−ハハハ!そうだったんですか。子供は空手のほうが派手で好きなんですよね。
峻護「そうなんですよ。やりたかったんですよね」
−−それでダマされたと思って辞めようとは思わなかったんですか
峻護「何回も思ったんですけど、母ちゃんが行け行けって言いながらぶつんですよ。最初は、行くのが嫌で嫌でしょうがなかったんですよ」
−−そのスパルタなお母さんが柔道やらせた理由ってあったんですか?
峻護「お母さんが塾を経営してて忙しかったんで」
−−ベビーシッター代わりのようなもんですか(笑)。柔道が面白くなってきたのは何故ですか?
峻護「小学校4年生のとき先生に誉められて、それからですね。そのあとはだんだんと、柔道が空気のようになって、やっていることが当たり前になってきて」
−−大会で勝てるようになってきたのはそのくらいから?
峻護「そうですね。地区大会で優勝とかして面白いなって思うようになって」
−−では当然のように中学は柔道部に入ってということになるんでしょうが、体育会系のノリに戸惑いませんでしたか?
峻護「ぜんぜん。あっ、僕、中学2年のとき講道学舎に入ったんですよ。シドニーオリンピックで優勝した滝本くん(柔道81kg級金・滝本誠)と同級生だったんです。そういう人がいる、いきなり全国レベルの柔道やってるところに入っちゃったからもう、とんでもないことになっちゃって」
−−講道学舎へ入ろうというのは自分で決めたんですか?
峻護「いや、そうでもないですね。両親にのせられて入っちゃった(笑)。またのせられちゃったんですよ。その頃、反抗期に入ってきてたんで、うざったく思ったんじゃないですか」
−−さすが塾の先生!その年頃の子供の気持ちの扱いに慣れてる!でも、そうやって考えるとずっとスポーツエリートできてるんですね。
峻護「いろいろありますよ〜〜言えないことがいっぱいあります(にやにやする)」
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- 1.プロレス少年だった小学生時代 [Campaign]
- 2.アマ修斗の直前にはドキドキした [Campaign]
- 3.『君のフックは当たれば倒れるから』て言われてその気になって [Campaign]
- 4.プロの試合は一本で終わらせるべき! [Campaign]
- 5.最終的にPRIDEを選びました [Campaign]
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