
Interview & Photo : 井田英登
21世紀の幕開けは思いも寄らぬ男の思いもよらぬ活躍で始まった。
言うまでもない、今回の主役村浜武洋のDEEP2001での戦いである。
対するホイラーは逃げも隠れもできないグレイシー一族の一人。これまで軽量級最強の寝業師として、小型ヒクソンのように言われてきた選手である。桜庭和志にこそ破れたものの、彼らの体格差を考えれば決してこれまでの彼の実力を貶めるような敗戦では無かったはずだ。しかし、今回の村浜戦の内容はまったく言い訳が出来ない。
これまで立技のプロフェッショナルではあったものの、寝技はまだ始めて半年にも満たない同階級の選手とドローという結果。あくまで判定ナシのルールであるとはいえ、完全にバックを奪いながらそれを活かしきれず、逆にスタンドでの戦いでは不用意に浴びたパンチでダウンを(審判の判定はスリップ)奪われるなど、マイナス要素ばかりの“限りなく敗北に近いドロー”を喫してしまったからだ。正直を言えばホイラーが悪かったというより、村浜が素晴らしすぎたのだ。
バックを奪われながら、精神的な緊張を一切解くことなくほぼ10分間戦い抜ける気力。どれだけ攻められてもめげることなく、常にチャンスを待ち続けられる精神的な強靱さ。
すべては格闘家村浜だからできた戦いであったと言える。その戦いぶりはそのまま、いわれの無い誹謗中傷と戦い続けてきたこの一年間の彼の姿とも重なり合う物がある。
プロレスラー転向を忌み嫌う格闘技マスコミの無言のバッシングに耐え、ファンの情け容赦ない言葉の暴力にも耐えながら、ひたすら逆転のチャンスをうかがい、一瞬も緊張を緩めなかったその精神力こそが、我々を熱くさせたのだ。今回、ホイラー戦を契機に再度格闘技界での浮上を狙う村浜に、未だ語られざるこの一年間の苦闘とその間何を考え続けてきたのかを聞いてみた。
それは同時に、ある意味、敗れたり自分の思い通りに動かない選手に対して余りに不寛容なこの国の格闘技ファンに意識改革をせまるほど強烈な生き様でもある。
彼の反骨の刃は、ホイラー戦を経て、再び格闘技のフィールドで奮われる事になるだろう。
もちろん、越境者である以上、彼が望むならプロレスラーとしての活動も止まることはないだろう。では今度、血を流すのは誰になるのだろうか?
地獄の底から生還してきた男の証言に耳を傾けて欲しい。
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- ■ 1. 練習パートナーに金泰泳を選んだ理由 [Campaign]
- ■ 2. リングス、そしてDEEP登場 [Campaign]
- ■ 3. ホイラー戦を振り返る [Campaign]
- ■ 4. 村浜の勝利の秘訣は、「あの本」にあった!? [Campaign]
- ■ 5. プロレスと格闘技を並行して、仕事人になりたい [Campaign]
- ■ 6. 「大阪で全然足らん所無いんですよ」 [Campaign]
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