
Interview : 井田英登
Photo : 菊地奈々子,井田英登字面だけを追うとかなり傍若無人な印象を受けられる読者もあると思う。たしかに今回のインタビュウで見られる五味の言葉はけっしてヤワではない。中には宇野やルミナのファンが読めば、カチンと来るような発言もある。
しかし、それらは決して無思慮に吐かれた言葉では無いのだ。問題の核心を貫いているがゆえに、ときに人の心を泡立たせる類いの言葉である。だが、そこにこそ僕は五味と言う選手の透徹した、クールな視線を感じる。これまで格闘技の選手にはあまり見られなかったタイプの選手である。誰とも群れず、権威にもおもねらない。
媚びず、慌てず、昂らない。
自分のテーマだけを見据え、沈着に行動できるタイプ。強いて言うなら、サッカーの中田英寿を連想するような部分もあるが、もっと五味には静かで野太いイメージがある。むしろ獲物をじっと狙うニホンオオカミのような、野生味のある逞しさ、迷いの無さが感じられる。今回、宇野の王座返上で一番被害を受けたのは五味だと言ってもいいだろう。
五味はプロデビュー以来ここまで無敗街道をひた走ってきた。戦績から言えば、すでに宇野に一敗地にまみれているルミナより、王座への挑戦権を主張できる立場に五味は居た。しかし、NKで五味はタイトルマッチはおろか、リングに上がることすら許されなかった。宇野との対戦はスター選手であるルミナにさらわれ、11月の後楽園ではライアン・ボウの放った膝で眼底骨折を負わされてしまったからだ。
五味はルミナの敗戦を客席で見守るしかなかった。
だが、それに関して五味は恨み言のようなことを一言も吐かない。
自分を格下扱いし、くるりと背を向けた宇野に対する怨嗟もだ。乾いた笑いでこの逆境をさらりと語り、早くも焦点をあわせたベルト奪取へのシナリオを語る五味に、逆に僕は格闘技選手としての凄みを感じた。
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- TABLE OF CONTENTS
- 1.「ルミナさんには今はホント、休んで、ってしか言い様がないですね」
2.選手の実力よりマスコミの評価が行き過ぎちゃう
3.三島は桑原には勝てない
4.三島さん、春にタイトルマッチしませんか(笑)
5.周りの話は何にも聞かない
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