

一昨年秋にスタートしたK-1 JAPANというシリーズは、日本人選手の底上げを目指した、一種ローカルシリーズ的な側面を持っていた。しかし、既にK-1トップクラスの選手として君臨していたアンディは、なぜかこのシリーズにこだわった。宮本戦、中迫戦、武蔵戦、ノブ戦となんと一年足らずの間に4試合をこなしている。K-1 GP '99開幕戦の天田戦も番外編としてその中に含めるなら、晩年に行った15戦ばかりのうち、その三分の一を日本人選手との対決に費やした事になるのだ。いわゆるK-1 四天王と呼ばれる選手達の中では異色の存在だった訳である。
そうした思いを受け止める立場にあったJAPAN選手達に対する、アンディの戦績は9 戦9勝。誰も結局アンディのスパルタ教育の壁を越えることができないままであった。アンディ亡き今、彼らはアンディから何を学び、そして今後どう活かしていこうと考えているのだろうか。
石井館長によれば「アンディは自分を日本人と考えていた」という。とするなら、彼らJAPAN選手はアンディにとって、成長の遅い、気になる弟分のようなものではなかったのだろうか。そのなかでも現在、日本人トップに立つ武蔵という選手はアンディにとって、もっとも気になる存在ではなかっただろうか。
だからこそ、口を極めて武蔵を標的にした舌戦を挑み、武蔵がリングの上で自分との試合に向けて、モチベーションを高めてくる事を望んだのだ。また試合中も攻めきれない武蔵をアクションで、そして気迫で挑発しつづけた訳は、すべてそこにある。プロのファイターである以上、時にはこうした話題作りも必要であろうし、舌戦自体がアンディの武蔵に対する親心から出た物であると解釈する向きもある。
問題はリングの上の闘いである。アンディとの実際の闘いにおいて、武蔵は十分に弾けきれなかった自分に悔いを残していた。その満ち足りない思いを胸に残したまま、 JAPAN GPを勝ち抜いた武蔵は東京ドームへの切符を手にした。それはアンディとの再戦への切符となるはずだったのだが・・・【→GO】
このコンテンツは有料です。購読するにはBoutReviewサポーター会員入会手続が必要です
[第6号 目次に戻る][BoutReviewトップページに戻る]
Copyright(c) MuscleBrain's
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。