
Report & Photo : 井田英登
ヒクソンの山篭りは既に恒例の物となった。
今回、その場所に選ばれたのは長野県白馬の山中。前回、高田戦のために同じく長野県にキャンプを張ったときは、マスコミ用に湖に飛び込んで見せるなど見栄えのあるシーンを演出して見せてくれたヒクソンだが、今回は季節も違う。山のてっぺんにはまだ雪が残っている5月初旬であり、すっかり桜も散って温かくなってきた都内とは温度が10度近く違う。逆にこの温度差で体調を崩すことはないのだろうか、などと要らぬお世話の心配をしながら、プロモーター側のチャーターした観光バスに乗り込む。
コロシアム2000事務局からキャンプ取材の声をかけていただいたのは、5月2日になってからの事だった。
「実は、急な話なので恐縮なのですが、明日、長野でのヒクソンのキャンプを公開することになりまして、BoutReviewさんもいらっしゃいませんか?」
もちろん、船木の四国キャンプを取材しておいて、ヒクソン側のそれを落とすわけには行かない。前から、チャンスがあればキャンプ取材は是非とお願いしていた。こちらとしても願ってもない申し出に一も二もなく、参加を決めて長野行きの準備に入った。
さすがに注目度の高い一戦だけあって、スポーツ新聞各社、格闘技専門誌の他、普段格闘技の取材ではお目にかからないメジャー系の漫画雑誌や青年誌などの記者も取材におとずれている。中でも異色だったのは、朝刊紙として唯一朝日新聞の記者が混じっていたことだろうか。(朝日新聞では4月の紙面改革以降、月一回のペースで格闘技/プロレス関連の記事を掲載するようになっているらしい。)
漠然とドームでの興行というものが、世間に波及する影響力を垣間見た気がする。ヒクソンは、4月29日に来日。その初っぱなの30日にはパンクラス側から肘、頭突き攻撃解禁の要求を突き付けられ、その翌日5月1日にはホイスがPRIDE−GPで敗れるというニュースが飛び込んできた。いわば、ヒクソンとしては心穏やかならざる状況での長野入りである。関係者も神経をとがらせており、当初、記者達の間では「今日、ヒクソンは喋らないって言ってるらしいぜ」という噂が乱れ飛んでいたほどだった。【→GO】
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