Camera : 井田英登


 昨年末から開始されたリングスのKOKトーナメントは、去年の格闘技界下半期最大の話題であったと言っても過言ではない。

 しかし、その大胆すぎるルール変更はこれまでのリングスルールに慣れ親しんだファン、そしてマスコミに多くの波紋を投げ掛けた。本誌でも、Aブロックトーナメントをレポートした山名記者の「井の中の蛙」という記述を巡って、その妥当性がフォーラムで議論されるなど、ファンの感心の高さが伺える事件が起こった。

 その後KOKトーナメントは2月の武道館でグランドフィナーレを迎えたが、ばうれび誌上では十分な分析が出来ないまま、4月を迎えてしまった。一つには、余りに斬新であったこのルール変更の方向性を巡って、編集部の中で統一した見解が見いだせなかった事がある。三大会を通して、取材記者の中でこれほど見方の違うトーナメントも珍しい。

 しかし、BoutReviewとしてもこれだけのトーナメントの解釈を宙ぶらりんにしておくことはできない。そこで、今回は初めての試みとして、取材記者が忌憚なく意見をぶつけあう座談会を行い、その総括としてお届けすることになった。

 リングス6年間のルールとの連続性の問題、あるいは運営上にみられた数々の問題、そして前田代表が忌み嫌ったVTとの方向性のすり合わせの問題、そして、決勝大会で田村がUWFのテーマを掛けて入場してきたことの意味・・・さまざまな問題が俎上に上がり、意見が交換された。

 レポーターというのは自らの見解で、社会の事象を一刀両断にする稼業である。いわば、自分と異なる意見の持った相手と、意見を交換するというのはなかなか難しい作業でもある。BoutReviewという一つの屋根の下にも、これだけ意見の違う記者が同居しているという事が浮き彫りになったという点でも、かなり面白い試みになったと思う。

 参加したのは、今回司会に徹する事を心に誓った、事なかれ派の井田編集長(笑)そしてリングスウォッチャーとして旗揚げからリングスの進化をつぶさに見守ってきた、リングス番記者山名記者。そして、今回がばうれび初参加ながら、VT至上主義者として苛烈な発言を見せるフリーライターの矢作氏の三名。三人三様の意見のぶつかり合いを通して、KOKとリングスの未来についてじっくり掘り下げてみた。

 正直言って、編集長としては世に出すことを三日三晩悩んだ過激な内容であるが、あまりの面白さ、内容の濃さに、これを読者に提供しない手はないと、清水の舞台から飛び降りる覚悟で公開を決断した問題作である。我々の総合格闘技、あるいはリングスに対するストレートな愛情を感じ取って、多いに楽しんで頂きたい。


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TABLE OF CONTENTS
1. リングスは「ジャパニーズ・スタイル」の最先端だった?
2. “井の中の蛙”発言はなぜ反発を受けたのか?
3. “足し算の総合”と“引き算の総合”
4. “UWFのテーマ”で判った、KOKの支持率
5. 21世紀の総合格闘技市場はリングスが決める???
 
SPECIAL REPORT
2.26 KOK決勝 武道館大会
4.20 代々木大会



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