98・10・25
VALE TUDE JAPAN '98
東京ベイNKホール
 

第6試合(76キロ契約)

修斗ミドル級チャンピオン
1R4分59秒
腕ひしぎ十字固め
  ×
桜井速人 セルゲイ・ヴィチコフ
総合格闘技木口道場 レッドドデビル・スポーツスクール
   

 

 4試合で、ミドル級挑戦者決定戦と言える試合をF・トリッグが勝ち上がり、桜井も取りこぼすわけにはいかない。アマレスラー相手に、トリッグ戦の予行練習としてどんな戦いを見せるのか、はたまたVTJ恒例の「名も無き実力者」の恐ろしさを去年に続いて味わってしまう可能性(今回はルミナだった・・・)もあり、非常に興味深かったのだが・・・

 始早々の2発のローで勝負の行方はほぼ決まってしまった。相手を見切った桜井は、ハイキック。そのままスタンドでの攻めを指向し、ヴィチコフのタックルを振りほどいて、裏拳・飛びヒザなどの、派手なバリエーションを織り込んでいく。

 の飛びヒザからグランドに移った後も、ガードからの三角でヴィチコフをビビらせ、再びスタンドへ。常に桜井が主導権を握っている。

 度は両者打撃の打ち合いになるが、トリッグほどのパワーやバランスを持ち合わせていないヴィチコフ相手なら、桜井のスパーリングを見ているよう。

 後は首投げでグラウンドに持ち込んだヴィチコフに、ガードから腕十字を極めて完勝。前の試合でフラストレーションの溜まった場内に、たちまち活気を取り戻させた。

 ィチコフは体重が桜井より2kg軽かったこともあるだろうが、まるで数年前に修斗に来ていた”倒すけど極められて負ける、弱いアマレスラー”タイプだったようにも見え、特に見所の無い一戦だった。そして、今日も圧倒的な強さを見せつけ、一気にチャンピオンまで登りつめかねないトリッグとの大一番に、早くも興味は移ってしまっている。同じような経緯で現在の地位を勝ち取っている桜井にとって、今日の勝利の余韻を味わうヒマは無いだろう。非常に楽しみな一戦である。

 
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取材:岩瀬俊  カメラ:井田英登