修斗フェザー級戦線で負け知らずの太田吉信。鋭い打撃と粘り強い寝技が持ち味の好選手だ。一方の塩沢正人は柔道のキャリアを持つ慧舟會期待の新人。試合前は総合のキャリアに勝る太田が有利かと思われたが、これがデビュー戦となる塩沢の実力が、よい意味で客の期待を裏切る結果になった。
手四つの状態から足を飛ばしてバランスを崩そうとする太田に対して、塩沢は動じずにバランスをキープ。腕を取って豪快な一本背負いで太田を投げる。塩沢はそのまま流れるように上四方固め→横四方固めとポジションをチェンジ。これは太田がうまく返してスタンドに戻るが、塩沢の無駄のないスムーズな動きに客席から歓声が沸く。
ラウンドインターバルで「こんなはずでは」という感じで首をかしげる太田だが、2Rに入っても試合の流れをつかむことができない。塩沢は足をかけて太田をテイクダウンすると、三角締め狙いの太田をいなしながらパスガードを狙って動き回る。試合が膠着するとコーナーの守山代表、宇野薫から塩沢に的確なアドバイスが飛び、太田の動きはどうしても塩沢に読まれてしまう。試合は1回もタックルを許さなかった塩沢が大差の判定勝ち。また一人、慧舟會から新たなスターが誕生した。
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99.10.17「G.C.M. / CONTENDERS II」TFMホール