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Report
ufc99・11・14“Ultimate Fighting Championship Japan”東京ベイNKホール

第5試合(UFC-J ジャパニーズ・チャンピオンシップ決勝 5分2R) 
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PUREBRED STG大宮
藤井勝久
183cm 98kg
2R 4'14"
膝十字固め
Power of Dream
山本喧一
182cm 93kg

ヤマケン、地獄からの帰還。そして新たなる修羅へ


  ンサイド・ガードからかなり殴られながらも2R早々にKO勝ちした藤井。ずっと上のポジションはとっていたものの、フルラウンド闘わざるを得なかった山本。ダメージ、スタミナ・ロスという面では、どちらが有利とも不利とも言い切れない。

 高瀬戦と同様にいきなり右フックを思い切り振り回す山本。それに合わせて藤井が胴タックルにいく。そのままテイクダウン。山本は、ハーフガードに取り、そこから腰を立ててうまくガード・ポジションに戻していく。藤井は上体を起こしにかかる。パンチ狙いだ。
 パンチをうち下ろす藤井。足をこじいれて突き放しにいく山本。だが、藤井がそれを許さない。この後も、何度も山本が隙を見てはスタンドに戻ろうとするが、一旦立ち上がっても、その度に組み付いた藤井がもとのポジションに押し戻す。そしてパンチ。段々と有効打が増えてくる。
 ラウンド終盤には殆どめった打ちに近い状態に。だが、まだレフェリーは止めに入らない。このまま1ラウンドは終了。


 ラウンドでも、開始早々の山本のパンチに合わせてうまく組み付いていく藤井。山本、今回は踏ん張るが、バックに回られてしまう。そこから、腰を落として藤井の足を取ろうとしたが、これは不成功。結局、ガード・ポジションに入る。
 ガードですっかり動かなくなる山本。藤井の手首を押さえてディフェンスはするものの、些か目がうつろになったようにも見える。一方の藤井も、時たま見せるパンチに第一ラウンドの勢いは見られない。右拳を痛めてしまったのだ。だが、それでも、有利なポジションにいることには変わりがない。

  このまま山本は終わるのか・・・
 そう誰もが思った時に山本が動いた。
 クローズド・ガードを崩し、膝をこじいれながら自分も腰を立てていき、隙を見せた藤井を押しのける。そのまま藤井の足を取り、自分の両膝でがっちりと絞って見事な膝十字を極めた。
 2ラウンドそれまでの動きが「死んだふり」だったのだとすれば、まさにプロの勝利。山本は、再起の最初のチャンスで、見事にUFC-J ジャパニーズ・チャンピオンシップのトーナメント優勝を飾った。

 ベルトと賞金100万円の大きな目録が山本に手渡される。
 そしてマイク。

長い間おまっとさんでした! ありがとうございました。
10ヶ月ぶりの闘いの舞台で、こういう大チャンスを掴むことができたのも、関係者と、10ヶ月支えてくれたみんなのおかげです。
最後に一言だけ。新しい時代を築くために必要なのでいいます。
Uインターのファンのみんな、並びにUインターの選手全員に大嘘ついた田村潔司!
こいつだけは大の偽善者です。リングスを辞めた本当の原因は実はこれです。
おれと真剣勝負をやろう。UFCに来い!
  控え室に戻っても山本の興奮は収まらない。田村を、シュートの団体を作るといっていたのにぬるま湯にひたって行動が伴わない、若手のことを考えていない、高田さんのことをあれこれいう資格はないと批判し続ける。
 実際何があったのか。具体的な事件や経緯についての説明はなく、正直、判断に困る。しかし、相当腹に据えかねていたことがあったことは確かなようだ。
 離脱直後にも言えなかった何か。

 リング上での山本の発言を聞いていた前田リングス代表は、山本の体調を指摘し、何にせよ完全に体を直してからと述べた。田村にしてもバーリ・トゥード嫌いは有名な話。そう簡単に山本の挑戦に応じるとも考えにくい。
 感動の復活劇で終わるはずが、新たな激動を生み出してしまった。



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次の試合 :6. 高阪剛 vs ペドロ・ヒーゾ

レポート:山名尚志 カメラ:井田英登

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