BoutReview Logo menu shop   Fighting Forum
Report
ufc99・11・14“Ultimate Fighting Championship Japan”東京ベイNKホール

第3試合(スーパーファイト) 
×
パンクラス
KEI山宮
[山宮恵一郎から改名]
3R 3'12"
KO
USA
ユージン・ジャクソン

謎のハ−ドパンチャ−に真っ向勝負


 ンクラスとUFC−Jの提携が発表された時点で、いち早く参戦を表明していた山宮恵一郎改めKEI山宮。今回のUFCルールよりも制約の少ないパンクラチオンルールでUFCの常連ジェレミー・ホーンと引き分け、佐野なおきにはパンチで殴り勝って1勝1引き分けの戦績を持つ。
 対するユージン・ジャクソンは出身地以外全てが謎とコールされ会場を沸かせたが、7月のUFC大会ではレスリングの強豪ロイス・アルジャー(エンセン井上と対戦経験あり)にパンチでKO勝ちしている。「殴り合いなら誰にも負けない」と豪語するハードパンチャーだ。試合前にもずっとシャドーボクシングを繰り返していた。

  を胸の前で構えた完全なボクシングスタイルのジャクソンに対し、山宮はサウスポーにスタンスを若干広く構え、腰を落としてタックルにも対応出来る構え。中間距離から互いに小さくジャブを出して牽制しあっていたが、ジャクソンがワンツーから大きな左フックを出したのを皮切りに両者フルスウィングのパンチの打ち合いが始まった。
 正確性に欠けるがその迫力にどよめく場内。
 山宮はウィービングとスリッピングを駆使してジャクソンの大振りのパンチをかわしていく。いつどちらかがダウンしてもおかしくないようなスリリングなパンチの打ち合いが続く。結局、1Rは最後までパンチ勝負、レスリングの攻防は皆無だった。

 Rになってもパンチの打ち合いは続く。
 しかし段々山宮が後手に回り始める。ローなどを織り交ぜ、タックルに入る機会を伺う山宮に対し、グランドでの技術を持たないジャクソンは迷い無くパンチ一本。そのあたりに差が出たのか、パンチを出すタイミングが、ジャクソンより一呼吸遅れてしまい、ペースはジャクソンの方に傾き初めてしまう。その上ウィービングの軌道が読まれ始めたのか、防御のリズムが単調になってきた山宮の顔面に小さいパンチがヒットする場面が目立ち始める。
 ふと気が付くと、山宮の顔面が腫れ上がっている。2R終了間際にようやく組み付く山宮。しかしジャクソンもフェンスを利してよくこらえ、倒すまでには至らず。

 R。レスリングの技術を出してきた山宮を警戒したのか、序盤両者見合う場面も見られる。細かいパンチの差し合いからまたも山宮組み付くが、ここでも倒せない。
 向かい合った場面で、山宮が口元を気にし始め、口の中から取りだしてマットに投げ捨てる。すかさずレフェリーが拾い上げるが、どうやら歯が折れたようだ。続いてマウスピースも自ら外し、捨てる。
 そして勝負に出ようと踏み込んで右フックを放つが、ジャクソンがそこにカウウターの左フック一閃。山宮はその場で腰からおちるようにダウン。その様子を見て、レフェリーが試合をストップ。山宮のKO負けを宣言した。

 歩及ばなかった。結果は最悪のKO負けだったが、パンチャーに立ち技勝負を挑んだ山宮のその覚悟と心意気は評価したい。そして序盤までは互角に立ち会ったその技術も。この敗戦をバネに、山宮のさらなる挑戦と飛躍を強く願う。


結果一覧に戻る
次の試合 :4. ジェイソン・デルーシア vs ジョー・スリック

レポート:新小田哲 カメラ:井田英登

TOP | REPORT | NEWS | CALENDAR | REVIEW | BACKNUMBER | STAFF | SHOP | FORUM


Copyright(c) MuscleBrain's All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。