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Report

UFC 33 "Victory in Vegas"
2001年9月28日(金)
米国・ネバダ州ラスベガス マンダレイベイ・イベントセンター

ウェルター級バウト/ マット・セラ 対 イーブス・エドワーズ

「一流ファイターへの壁」

術のセラとこれがUFCデビュー戦のエドワーズ。ケビン・ランデルマンの不参加が決まり、ファンの声に応えるかのようにズッファが決めたカードがこれだというが、本当にそうなのだろうか? 確かにセラに対する評価はアメリカのファンの間ではかなり高い。一方、一体どれだけのファンがエドワーズのことを知っているのだろうか?
ショニー・カーターに敗れた以外、UFCでの戦績がないマット・セラは、勝者を称え好むこの国で負けた試合しかないのにファンに支持されている珍しいファイターだ。人気の秘密はカーターとの闘いでみせた柔術のテクニック。それがファンの脳裏に鮮明に焼きついて離れない。それほど素晴らしいスピードと技の持ち主だと思っているファンが多いようだ。戦前のベガスのオッズもこれを裏付けていた。

ラウンドからエドワーズをグラウンドに引き込み、ヒールホールドで一気にフィニッシュを狙うセラ。電光石火の早業に観客は沸き返った。世界レベルの柔術選手が秒殺劇を演じてくれるのではと期待を抱かせる。しかし、エドワーズは冷静だった。バランス良く体を3回転させて、足を抜きすぐにスタンディングに戻ると、強烈なアッパーカットをセラにヒットさせた。一瞬、膝から崩れるセラだが、何とか立ち直り再びエドワーズを引き込みガード・ポジションに入る。

2ラウンドと3ラウンドも同じ展開が続いた。じわじわと距離を詰めて打撃で相手を倒そうとするエドワーズとスタンディングの攻防を拒み寝技に固執するセラ。グラウンドではセラの独壇場だった。何度かバックをとりチョーク・スリーパーに持っていこうとする場面もみられたが、どうしてもフィニッシュに結びつかない。相手を倒す、引き込む、そして関節技に移行する、という所まではスムースにいくのだが、どうしても逃げられスタンドに戻されてしまう。

一方のエドワーズは打撃一辺倒。しかし、強烈な打撃を当てるのに必要な間合いを制することができず、結局1ラウンドのアッパー・カット以外は何の有効打を放つことができないまま試合終了となった。

定は僅差2-1でセラが制した。2ラウンドからは、バックにまわりチョーク・スリーパーという柔術の専売特許のような動きにこだわったセラがグランドでの攻防を独占したので、判定そのものは妥当な結果と言えるだろう。だが、10分にも渡り全く同じ攻防のくり返しを観ていたファンはどう思ったのだろうか? 打撃で倒れるかグラウンドでチョークが決まるか。シンプルで分かりやすい試合ではあったが、逆にワンパターンな闘いだったというのも事実。相手や状況によって臨機応変にスタイルを変えていくのも一流のファイターには必要不可欠な要素なのだから、マット・セラにはそれを望みたい。

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