BoutReview Logo menu shop   Fighting Forum
Report
shooto 99.12.11「VALE TUDO JAPAN'99」 東京ベイNKホール

第6試合 65kg契約 VTJルール(8分3R) 
K'z FACTORY/ライト1位
巽宇宙
時間切れ
ドロー
ブラジル・ワールドファイトセンター/ライト王者
アレクサンドレ・フランサ・ノゲーラ

「ノ−ゲラの背中に朝日の影、どうする?巽」


 
 の対戦相手であるアレクサンドラ・フランサ・ノゲーラは、修斗ライト級のチャンピオンであり、なんと公式戦無敗のまま頂点を極めた選手である。最近ではボクシングトレーニングに励む傍ら、関節技ではかなりの定評がある選手だ。99年9月のプロフェッショナル修斗では、ライバルであった朝日昇を鮮やかなフロントスリーパーホールドで下し、その戦いぶりは、彼の人懐っこい笑顔からは想像もできないほど闘志に溢れていた。
 一方、巽宇宙は今年に入ってからライト級一位にランキングされているが、先輩・朝日昇との試合ではかみ合わず、惜しくも引き分け。「朝日越え」に一番近い選手でありながら、あと一歩のところで果たせずにいる巽。彼にとって、今回の一戦はチャンピオンに対するチャレンジであると同時に、強豪ノゲーラを基準においた「朝日越え」という大きな意味を持つ試合であった。


 しかし、ノゲーラの関節技を警戒しすぎたのか、あるいは朝日を下したチャンピオンを前に本領を発揮できずにいたのか、仕掛けてくるノゲーラに対して巽は慎重であった。

 1R開始のゴング直後,最初にテイクダウンをとったノゲーラ。そのまま上になりチャンスをうかがうノゲーラに対し、相手の右腕を押さえガードポジションの巽。動かない…。そのままの膠着状態で約7分が経過。このあたりから、ノゲーラ、上からのパンチにより巽の顔面が出血。ここで1R終了のゴング。


 2R開始直後、スタンドでの打ち合いのあとノゲーラのタックル。再びノゲーラが上になりガードポジションの巽。パスしようする巽を巧みにコントロールするノゲーラ。約4分を過ぎた頃から再びスタンド。そして再びノゲーラがテイクダウン。このまま膠着状態で残り約1分。ここまでグラウンドでは常にノゲーラが巽をコントロールしているかに見える。巽が少し苦しそうな表情。ガードポジションをとりつつ確実にスタミナを消費している様子。2R終了。


 3R開始直後,ノゲーラのテイクダウンで再び膠着。両者ともには突破口を開けずにいたが、ノゲーラが断続的に放つ上からのパンチに再び出血の巽。始終守りにまわってしまったかのような印象を残したまま時間切れのゴング。

 試合後、ノゲーラは、「積極的に攻めたのは私の方で、もしVTJルールがポイント制なら確実に私が勝利していたと思う」と悔しそうな表情を見せた。また、巽、朝日の両者と戦った印象については「巽は私をよく研究していた。力の強い選手だが、テクニックでは朝日の方が上」とのコメント。この雪辱をどう晴らすのか。チャンピオン・ノゲーラにリベンジか、あるいは「朝日越え」は依然として高すぎる壁なのか。次回の巽に期待したい。

(藤間敦子)



▲ 結果一覧
← 5. 中井祐樹 vs ヒベーロ  7. 宇野薫 vs アンドレ・ペデネイラス →

カメラ:井田英登

TOP | REPORT | NEWS | CALENDAR | REVIEW | BACKNUMBER | STAFF | SHOP | FORUM


Copyright(c) MuscleBrain's All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。