全身の刺青、タイツも髪型も赤の豹柄。デニーの風貌はバスケットの“デニー”ロッドマンを意識しているようだ。一方の加藤は坊主頭と『大和魂』とプリントされたタイツという全く正反対の風貌だ。
デニーはキックボクシングを基本に、柔術やシュートファイティングにも精通しており、フックンシュート等アメリカの総合格闘技の各大会を渡り歩いてきた選手だという。だが加藤のタックルに倒れると、じわじわと優位なポジションを奪われ、パンチに苦しむ。各ラウンド同様の展開が続き、3R終盤ようやく上になるが攻め手がなく試合終了。
だが攻め手に欠いたのは加藤も同じだった。マウントを取りながらもその先に進めず、3R終盤の腕十字のチャンスも逃した。結局大差の判定勝ちを収めたが、勝ち名乗りもそこそこにさっさと控室へ戻り、記者に囲まれても「相手はアマチュアレベル。調整もうまく行っていたはず。なのに、スタミナ不足で攻めきれなかった」と反省しきりだった。マッハとのタイトルマッチから半年、しかしその先の道が険しい。
おまけ
なぜ敗者のデニーのファイティングポーズがあるかというと、元々はカメラマンが勝った加藤の写真を撮ろうと思ったが、早々に加藤が控室に戻ってしまい、カメラマンが手持ちぶさたになっていたのをデニーが発見したため。全試合終了後も陽気なデニーは自慢のタトゥーを披露してくれ、家路につこうとするお客さんにも右下のような自分のポスター(家庭用のプリントで印刷したようなチープな物だが)を配り歩くサービスぶりだった。