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Report

Sammy Presents PANCRASE 2001 PROOF TOUR
2001.03.31 大阪/なみはやドームサブアリーナ

第8試合 メインイベント 5分3ラウンド 
× ライトヘビー級1位
美濃輪 育久
(パンクラス横浜)
判定3-0

30-29,30-28,30-27

パウロ・フィリョ
(ブラジリアン・トップ・チーム)

 パウロ・フィリョはリングス、PRIDEでも旋風を巻き起こしているブラジリアン柔術最強軍団「ブラジリアン・トップ・チーム」の一員。DEEP 2001(1月8日 愛知県体育館)でKEI山宮をKOし、右目篩(し)骨骨折で全治3カ月の重傷を負わせた。山宮はこの負傷による長期欠場のため、保持していたライトヘビー級王座を返上。昨年9月の王座決定戦で山宮に敗れた美濃輪としては、そのフィリョに勝つことで己の実力を示したいところだ。
 しかも同じ大阪大会のセミファイナルで近藤有己がブライアン・ガサウェイに勝利しており、美濃輪が勝利すれば5/13の後楽園ホール大会でその二人によるライトヘビー級王座決定戦が行われる予定だ。知名度に勝る近藤を破ってベルトを巻き、名実ともにパンクラスのエースの座を奪取するためにも、美濃輪にとって大阪でのフィリョ戦はエースへの道の第一関門といえそうだ。

 フィリョは開始早々から闘争本能剥き出し。美濃輪にタックルを仕掛けいきなりバックをとる。美濃輪は天井を仰ぐ姿勢でチョークを狙われ苦しい展開が続く。しかし美濃輪も腕を狙ったり、機会を見て脱出を試みる。 1Rラスト15秒で脱出に成功。立ち上がり今度は逆に下になったフィリョにパンチのラッシュをかけるも無常にも1R終了のゴングが鳴る。

 2R、今度は美濃輪がタックルを仕掛ける。だがそのタックルは美濃輪を逆にフロントチョークを狙われる体勢に誘ってしまい、そのまま美濃輪はコーナーへ押し込まれる。フィリョは美濃輪の頭に大ぶりにパンチを落とす。腹にもパンチを当てていく。美濃輪はフィリョの足を取るも外れてしまう。フィリョは腰をあげて美濃輪をグラウンドでコントロールし、パンチをごつごつ落としていく。ここで美濃輪は下から腕を取るもすっぽ抜けてしまう。だが、フィリョが仕掛けたフロントチョークを回転しながら外して立ち上がる。ここで2Rが終了、客席は大いに沸き、3Rに期待を抱かせる。

 3R、フィリョがタックルで美濃輪を倒して頭にパンチを的確に落としていく。美濃輪は下から腕をとるが外される。アームロックも狙うがこれも極めきれない。逆に頭に左パンチを立て続けに3発、そして1発と食らってしまう。
 セコンドの鈴木みのるは「勝ちにいけ!休むな!引き分けなんか狙うな、狙いににいけ」と檄を飛ばす。下の体勢を跳ね除けようとする美濃輪、立ちあがれそうになりながらも完全には立ち上がれない。またまた中途半端な姿勢のままコーナーへと押し込まれてしまう。

 しかし!。ここでコーナーに押し込もうとするフィリョを逆に持ち上げて頭からマットへ落とす。公言どおりのパイルドライバーだ。このパイルドライバーの興奮が冷めやまぬまま3R終了。判定では惜しくもフィリョに敗れはしたものの、美濃輪は「俺はプロレスラーだって言う気持ちで投げました。試合には負けましたが、客を沸かせて満足させるということに関しては手ごたえを感じました」と語り、「もっと自分も観客も満足する試合をしていきたい」と言葉を続け、そうした試合ができると確信した表情であった。

 フィリョは柔道経験もあり投げられることに関してダメージはなかったと答えたが、インタビュー後、頭を氷で冷やしているフィリョの姿は紛れもなく美濃輪のパイルドライバーの威力を証明しているだろう。


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レポート:石渡知子  写真:飯島美奈子

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