第19試合 メインイベント スーパーバンタム級タイトルマッチ | ||||||||||||||
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ラビット関、KO勝利で防衛!
不調からの脱出。MAバンタム階級の代表的な選手であるラビット関は、昨年後半以来、すっきりとした勝利を得ていない。もちろん観客を沸かせる試合やシーンはいくつもあったが、それでも本人は「まだちょっと・・・」と言葉を濁す。昨年末大会でのランバー・ソムデートM16戦での壮絶なKO負けのダメージを今だ引きずっているかのように。
挑戦を受ける王者としては、理想的とはいえない状態である。永島真彦は、このチャンスをものにするために序盤から果敢に攻め込んでいく。ゴングと同時に放たれたミドル、これを距離を取ってかわす関に対してつき込むようなサイドキック、バックブローなど、自分のペースに持ちこもうとする。多彩なキックを使う関の距離を、なんとか崩したい。1R後半には永島のアッパーがヒットし、突破口になるかと思われたが、さすがに関はそれ以上を許さない。逆に返しのローを的確に当ててじわじわと押しかえしていく。
矢
矢つぎばやに攻撃を入れながら、永島も関のミドルをきっちりガード、そしてアッパーが、何度も関の顔面を捉える。連続シーンにならずとも、永島はダメージを与えつづけている。気がつけば関の顔に鼻血がついていた。
3R、関の蹴りが勢いを帯びてくる。ロー、ミドル、ハイと次々と繰り出される関のキックにガードが追いつかない永島。しかしアッパーを執拗に狙ってくる。チャンスがあれば距離を詰めて、一気に倒したいところだ。
だがそれが仇となった。
関が蹴りで押し、永島はロープを背負った形となる。そしてほんの一瞬の間に、関のハイキックが永島の側頭部を捉えた。崩れ落ちる永島。そしてロープをすべり、大の字になった。
関は弾けるようにガッツポーズ。もやもやとしたこの1年の雰囲気を吹っとばすような、見事なKO劇だった。
痙攣を起こした永島に担架が用意され、騒然となる場内。
非日常のきわみの風景。スポーツからはみ出た、格闘技の恐ろしさ。
一年前に関が味わったのも、この恐ろしさだった。
リング上で「今日勝てたのは練習の仲間、友達、ファンのみなさんのおかげです。どうもありがとう。これからも応援よろしくお願いします」と挨拶。勝利を得、歓声を浴びても喜びを表さなかった頃とはまったく違う晴れやかな表情だった。
試合後インタビューで「絶好調、とまでいうにはあと一歩」と控えめに語った関の表情にリング上の激しさはもうなかった。
だが今日、防衛という事実以上の変化が関におとずれたことは間違いないだろう※永島真彦選手はその後、控室で意識を回復しました。
(薮本直美)
■ その他の試合結果
- ※第1試合〜第11試合の3回戦は2分1ラウンドで行われた
- 第1試合 フライ級/3回戦
- 吉田幸一(花澤) 対 宮川泰成(山木)
- ドロー 判定0-0[29-29,29-29,29-29]
- 第2試合 ヘビー級/3回戦
- 依田信次(マイウェイ) 対 長井憲治(ビクトリー)
- 勝者:長井憲治 判定0-3[29-30,28-30,28-30]
- 第3試合 バンタム級/3回戦
- 五十嵐現一郎(白龍) 対 手塚 豊(真樹)
- 勝者:手塚 豊 KO 3R0分54秒
- 第4試合 フェザー級/3回戦
- 寺口一也(花澤) 対 谷口大昌(早川)
- 勝者:寺口一也 判定2-0[30-29,20-29,29-29]
- 第5試合 フェザー級/3回戦
- 越後影虎(新潟山木) 対 北住宗平(白龍)
- 勝者:越後影虎 TKO 3R1分14秒
- 第6試合 55kg契約/3回戦
- 尾池慎也(東金) 対 アトム山田(武勇会)
- ドロー 判定1-0[30-30,20-29,30-30]
- 第7試合 ライト級/3回戦
- ステルス マキノ 対 篠原肇(白龍)
- 勝者:ステルス マキノ KO 1R1分48秒
- 第8試合 フェザー級/3回戦
- 前沢義徳(土浦) 対 中村洋人(武勇会)
- 勝者:前沢義徳 KO 2R1分01秒
- 第9試合 56kg契約/3回戦
- 奥津伊久磨(東金) 対 浦野健太(士道館)
- 勝者:浦野健太 判定0-2[29-30,29-29,28-30]
- 第10試合 フライ級/3回戦
- 鈴木広幸(土浦) 対 辻直樹(山木)
- 勝者:辻直樹 KO 2R1分39秒
- 第11試合 ウェルター級/3回戦
- K・タカハシ(新潟山木) 対 浅井勇示(真樹)
- 勝者:K・タカハシ 判定3-0[30-28,30-28,29-28]
- 第12試合 ミドル級/3回戦(1R=3分・肘ありルール)
- MAミドル級5位 MAミドル級8位
- 赤坂真人(マイウェイ)対 井手本高司(八街)
- 勝者:井手本高司 判定0-3[30-28,30-29,30-29]
- 第13試合 ライト級/4回戦
- MAフェザー級 MAライト級
- きんぞ〜(新潟山木)対 木村允(土浦)
- 勝者:木村允 TKO 4R0分48秒(ヒジによるカット)
- 第14試合 ヘビー級トーナメント準決勝/4回戦
- MAヘビー級4位 MAヘビー級
- 中西陽介(山木) 対 加瀬大策(八街)
- 勝者:加瀬大策 反則 2R2分42秒
- ※中西選手が1Rに1回、2Rに2回、各1点ずつの減点対象となったため、反則負けとなる。
加瀬選手は12月24日後楽園大会の決勝に進出。決勝の勝者はヘビー級タイトルマッチの挑戦権を得る。- 第15試合 59kg契約/5回戦
- MAスーパーフェザー級暫定王者 MAフェザー級5位
- 天野哲成(マイウェイ) 対 山田健博(東金)
- 勝者:天野哲成 判定2-0[50-47,49-49,50-46]
- 第16試合 トリプルセミファイナル 日本・タイ国際戦 65kg契約/5回戦
- 元ルンピニー・フェザー級王者 MAライト級3位
- サムランサック・ムンスリン(タイ) 対 中林勇人(ビクトリー)
- ドロー 判定三者三様[50-48,48-49,49-49]
- 第17試合 トリプルセミファイナル 65kg契約/5回戦
- MAライト級1位 元ラジャダムナン,ルンピニーフェザー級1位
- 井上哲(山木) 対 東金テツ(東金・タイ)
- ドロー 判定0-0[50-50,50-50,50-50]
- 第18試合 トリプルセミファイナル 契約体重なし/5回戦
- 元ルンピニーライト級王者 MAヘビー級2位
- チャンデット・ソー・パァンタレー(タイ)対 内田ノボル(ビクトリー)
- 勝者:チャンデット・ソー・パァンタレー 判定2-0[50-49,50-50,50-48]
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