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kick 99・11・22 全日本キックボクシング連盟 "WAVE-XIII" 後楽園ホール

第4試合 全日本キック対世界 5vs5マッチ 先鋒戦 58kg契約/5回戦
全日本フェザー級3位
立嶋篤史
谷山
1R2分34秒
KO
FMTFノースフランス・フェザー級王者
ジャック・ダニエル
フランス/ヴィター・タイボクシング
・ボンデールジム
×
※対戦予定であったリンフォード・メーボーンが欠場のためカード変更。

先鋒・立嶋「団体戦じゃないんだから」


 嶋の対戦相手に予定されていたリンフォード・メーボーンが欠場し、フランスから実力未知数の若手ジャック・ダニエルを迎えての試合となった。ダニエルは昨年デビューしたばかりの若干18歳だが、15戦12勝3敗とかなりの急ピッチで試合をこなし、特筆すべきは12勝を全てKO勝ちしているという点。ひょっとすると飛び抜けた実力を持った新星かという期待もあったが...

 
Round 1
 ダニエルのセコンドにはフランス・キック界の逸材、卓越した技術的洗練度で世界にその名を知られるオーランド・ウィットが付いている。ウィットの弟子となればいよいよ期待は高まっていたのだが。
 いざ試合が始まるとダニエルは未熟さをすぐさま露呈し、やはり闘うのはウィットでなくてダニエル本人、これはまだまだこれから勉強しなければならないランクの選手だという印象を抱かざるを得ない。
 まず全体に線が細く、まだ身体が出来ていない。そのため首相撲になっても体力的に対抗しきれず、立嶋に崩されて亀のように丸まったところに肘や膝を浴びせられる。更にはローキックに対するディフェンスも不充分で、立嶋の最初の右ロー一発で表情が苦痛に歪んだ。
 最後も立嶋の右ロー一発。ダニエル本人としてはこの一方的な敗戦はかなりショックだったようだが、まだまだ百戦錬磨の立嶋の相手を務められる器ではなかった。

 


 
 「もうちょっとやりたかったです。」と試合後インタビューで開口一番に立嶋。

 対戦相手が急遽変更になったため「右か左か、黒(人)か白(人)かも知らなかったんで。計量の時にどれが僕の相手かも判らなかったし。」「相手が変わったというか、右か左かだけが凄い気になってて。僕左(の相手)にどうだとかよく書かれてますけど、左の選手にも勝ってるしね。そういう部分的なものを取り上げられて批判されてもちょっと困るし。ずっと右相手に練習してて、それが左だったら全部狂いますからね。」

 かつて戦闘的な言動によって幾度となく物議を醸し、多くのファンの心情を掴んで一時代を築いた立嶋も既にキャリア10年を越すベテラン。しかし立嶋節はこの日も相変わらず健在で「3試合目っていう僕にしたら、僕らしくない順番で凄い中途半端な。どうせだったら1発目でやってさっさとみんなで飯喰いに行きたかったですけど。」全日本vs世界の先鋒でしたが?「先鋒って(笑)、僕一人勝って他の人間が勝とうが負けようが関係無いですから。僕以外全員負けても知ったこっちゃないし。日本対世界って、団体戦じゃないんですから。」

 物足りないですか?という質問に、「物足りないでしょう」と笑顔を浮かべた立嶋。

「今までやってきたことをこの時間で精算しちゃうとすると、えー、損したような、得したような。」「友人でもありミット持って貰ってる山田トレーナーと練習してる技はあったんですけど、今日はやれなかったんで、次回ということで。」一時引退説も流れた立嶋だったが、まだまだ意気盛んだ。「また勝手にタイ行ってやっちゃおうかな、なんて気持ちもあるんですけど。そんなことしたらまた怒られるのかもしんないですけど、でもそれが一番僕らしいと思うんで。やっぱり最後まで自分らしく。自分らしくなくなったら、さっさと切り上げようと思います。」

(高田 敏洋)


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レポート:高田敏洋 カメラ:薮本直美 バックステージ:石渡知子

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