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“魂の闘い”を制したのはカラテを背負った村上だった

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　打撃系ファイターとして村上竜司の名を知らなければモグリである。顔面無しのフルコンタクト空手時代から、対戦相手をぶっこわすような闘気溢れるファイト・スタイルはつとに有名。トーワ杯を初めとする打撃系大会で、他流派とりわけプロレスラーを相手にすると凄まじいファイティング・スピリットを発揮することから「プロレスラー殺し」の異名すら持つ。

　この村上を相手にプロレスラーとして「怖い試合をします」とキャラクター変更も辞さない気合いで相対した長井満也。その言葉に偽りはなく、第一ラウンド開始と同時に得意の左ミドルを徹底連打。その気迫は村上のお株を奪う程だ。村上が踏み込むと掴まえての膝蹴り。形にこだわらず体力差を利して相手のスタイルを抑え込む作戦だったようだが、そのまま黙ってやられている村上ではない。

　得意の左フックを狙ってどんどん前に出る村上は、第二ラウンドに入ってやや前進力が衰えてきた長井のボディに渾身のレバーブローを打ち込む。例によってまっすぐ後ろに下がる悪い癖が出始めた長井だが、自ら精神力を沸き立たせるかのように応戦し、両者一歩も引かない好ファイトとなった。

　結局本戦２ラウンドでは20-19、20-20、20-20と長井が僅か１ポイントを取ったのみで延長に入る。延長ラウンドも２ラウンドに続いてお互い引かないガチンコの展開が続いたが、試合開始からラッシュを続けた長井の方がややスタミナ・ロスが多かったようで、単に押し込むことに終始した長井に対し有効打に勝った村上に軍配が上がった。しかしこの全開ファイトで村上は試合前に負傷していた右目に再びダメージを負ってドクターストップを余儀なくされる。その結果第２ラウンドには長井が歩を進めることになった。

　

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