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Ｋ-１という残酷なまでの高み

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　長かったスランプ時期をようやく乗り越え、WAKOムエタイヘビー級タイトルも奪取して流れはグングン上向きの武蔵が、１回戦で迎えた相手は今回のK-1ジャパン・トーナメントに向けたTV連動企画による一般公募で選ばれた、実力全く未知数の吉岡基治。身長174cm体重101.3kgという体型は先日のバーリトゥーダー、イゴール・ボブチャンチンを彷彿とさせた。ISM麻生塾所属の空手家だが、今の武蔵を相手にするのは少々荷が重すぎたか。

　まるで手技限定スパーリングのように、武蔵は伝家の宝刀ローキックを初めとする蹴り技を封印。左ジャブを中心にしたパンチのコンビネーションだけで吉岡を圧倒する。リーチ差、身長差もあって、上から降ってくる武蔵のパンチに鼻血で顔面を染めた吉岡。第一ラウンドにはラウンド終了間際にスタンディングのままダウン宣告を受け、第二ラウンドにはガードを固めたまま一方的に武蔵のパンチを浴びているところで猪狩レフェリーはTKOを宣した。

　実力的に差があったのは確かだが、一般公募のアマチュア・ファイターがプロの武蔵相手に一度もマットに膝をつくことなく戦い抜いた精神力は天晴れといったところか。

　

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