BoutReview Logo menu shop   Fighting Forum
Report

k-1K-1 GP USA CHAMPIONSIPS 2000
8月5日(土)米国ネバダ州ラスベガス・ベラジオホテル・グランドボールルーム

「グラウベ敗れる!ドゥトゥコ怒涛の3連続KOでアメリカの頂点に」

観衆 5,200人(超満員札止め:主催者発表)

「アメリカはグラウベで決まりでしょう」
 7月30日のGP開幕戦を終えた翌日の記者会見で石井館長は、来るUSA-GPの結果をそう予言していた。前日にはペタスが大健闘したこともあり、極真勢が今後巻き返して来るであろうという期待を込めての発言であったようだが、またもやK-1の魔物は創造主の予想を上回るどんでん返しを準備していたのである。

第2回USA進出は大成功

 一昨年、初めて開催された第1回大会はリック・ルーファスの優勝で終わったが、会場、プロモーター、出場選手など全てを一新し、ワールドGP予選に組み込まれた今回大会は全米トップのスポーツ専門局ESPNが中継に名乗りを上げるなど、よりグレードアップした大会として注目を浴びた。当日会場ではレーザーショーや、和太鼓の演奏、中国式の獅子舞など盛りだくさんの演出が行われ、日本でのK-1がそのままアメリカ上陸を果たしたような、ゴージャスな雰囲気が醸し出されたという。第一試合では女子ムエタイ選手の4回戦試合がマッチメイクされ、判定勝利を飾ったアンジェラ・リベラが会場人気を集めるなど順調なスタートを切った。

まさかのグラウベ敗退

 続く8人トーナメントで覇を争ったのは、前回大会でも健闘したジャン・クロードトーマス・クチャゼウスキー、そして優勝候補として極真会館ブラジル支部が送り込んだグラウベ・フェイトーザといった顔触れであった。グラウベはトーナメント一回戦4試合のトリを勤める形で第5試合に登場。ISKA北米王者であるジョージ・ランドルフを1R1'07"左フックで沈め、順調にKOで一回戦を突破した。
 しかし、二回戦でジェーソン・ジョンソンを56秒で倒したハードパンチャー、クチャゼウスキーがグラウベの福岡への夢を打ち破った。クチャゼウスキーは1992〜96年までUS士道館オープン5連覇の記録を持つ猛者で、全盛期は過ぎたものの、グローブマッチでの経験ではグラウベを遥かに凌駕する。逆に言えばこの壁を越えないかぎりグラウベのK-1制覇の夢は果たせない相手でもあった。しかし、グラウベは優勢なはずのキック攻撃ではなく、敵の土俵であるパンチで打ちあう事を選んでしまい 1R 2'03"に右フックで二度目のKOを喫し、ラスベガスの地に無残に散る結果となった。

士道館勢躍進

 大本命が沈んだBブロックを尻目に、快調にAブロックを勝ち抜いたのは、クチャゼウスキーと同じ士道館勢のアンドレイ・ドゥドゥコであった。ドゥドゥコはベラルーシ出身の29歳で、昨年12月4日のUS士道館オープンならびに今年1月22日士道館インターナショナル・ヘビーウェイトキックボクシング大会に出場、共に準優勝を飾っている。一回戦のオープニングに当たる第2試合に登場したドゥドゥコは、モーリス・スミスジム所属の若手でリングスにも来日経験のあるローマン・ロイトバーグと対戦。2R開始早々59秒で2ダウンを奪うKO勝利。(なおロイトバーグのセコンドにはモーリスジムでの僚友、高阪剛の姿も見られた。)続く二回戦では、前回ベスト4入りしたジャン・クロードとの壮絶なKO合戦を、逆転左フックで制したポール・ラロンデが進出。しかし、ラロンデはこの一回戦で足に怪我を負っており、わずか16秒、ドゥドゥコの左ローキック一発でKO敗を喫してしまった。
 
 かくして決勝はドゥドゥコとクチャゼウスキーの士道館同門決勝となったが、この対決は昨年末のUSオープンでのスーパーヘビー級準決勝ですでに実現している。(この時の対決は最近MAキックでも行われたキック&グラップリングをミックスしたサムライルール(シカゴルール)であったため、ドゥドゥコがサブミッションで勝利している。)ここまで右フックをフィニッシュにパンチで勝ち上がったクチャゼウスキーは、同門対決ということもあってドゥドゥコの本領であるキック合戦に応じてしまい、 2R! 1'25"ドゥドゥコの右ローキックに沈んだ。

 優勝したドゥドゥコは優勝賞金12,500ドルを手にし、10月9日に福岡マリンメッセで行われる「World GP2000」のCブロック一回戦で天田ヒロミとの対戦に進出する権利を得ている。

(井田英登)

※なおBoutReviewでは、この大会の模様を現地取材でお届けする予定です。

<第1試合>ワンマッチ#1 (女子2分4R)
 ○アンジェラ・リベラ vs リンダ・ロイス×
 判定 
<第2試合>トーナメント一回戦(3分3R)
 ○アンドレ・ドゥトゥコ vs ローマン・ロイトバーグ×
 2R 0'59" TKO(2DOWN:左フック) 
<第3試合>トーナメント一回戦(3分3R)         
 ×ジャン・クロード vs ポール・ラロンデ○
 2R 2'31" TKO(2DOWN:左フック)
<第4試合>トーナメント一回戦(3分3R)
 ×ジェーソン・ジョンソン vs トーマス・クチャゼウスキー○
 1R 0'56" TKO(2DOWN:右フック)
<第5試合>トーナメント一回戦(3分3R) 
 ○グラウベ・フェイトーザ vs ジョージ・ランドルフ×
 1R 1'07" KO(左フック)
<第6試合>ワンマッチ#2 (3分5R) 
 ×メルビン・ムレー vs アレックス・ゴング(ISKA世界ライト級王者)○
 3R 2'44" TKO(2DOWN:左ロー)
<第7試合>ワンマッチ#3 (3分5R) 
 ○ジュセッピ・デナターレ vs デューイ・クーパー×
 5R 判定
<第8試合>トーナメント準決勝(3分3R) 
 ○アンドレ・ドゥトゥコ vs ポール・ラロンデ×
 1R 0'16"KO (左ローキック)
<第9試合>トーナメント準決勝(3分3R) 
 ○トーマス・クチャゼウスキー vs グラウベ・フェイトーザ×
 1R 2'03" TKO(2DOWN:右フック)
<第10試合>ワンマッチ#4 (3分5R) 
 ○ベン・ガルシア vs アルフォンソ・アルカレズ×
 5R 判定
<第11試合>ワンマッチ#5(散打ルール)
 ×モハメド・ラミン・ケイタ vs カン・リー○
 判定
<第12試合>トーナメント決勝(3分3R) 
 ○アンドレ・ドゥトゥコ vs トーマス・クチャゼウスキー×
 2R 1'25"KO( 右ローキック)
<第13試合>ワンマッチ#6 (3分3R)
 ×マーク・ミラー vs トミー・グランヴィル○
 3R 判定

TOP | REPORT | NEWS | CALENDAR | REVIEW | BACKNUMBER | STAFF | SHOP | FORUM


Copyright(c) MuscleBrain's All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。