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![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() <シリーズ> 新・漂流する格闘家の時代
村濱がプロレスラ−を投げた日2000.1.4 大阪プロレス 門真なみはやド−ム 観衆1,704人(満員) 大阪プロレス物語<スト−リ−> 〜2000年さん、いらっしゃい〜 |
| 第5試合 セミファイナル 異種格闘技戦 | |||||||
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昨年3月のダニ−・スティ−ル戦は、シュ−トボクサ−・村濱武洋の“最高傑作”だった。
強烈な打撃戦と、投げの応酬で試合はスィングし、客席は湧きに湧いた。
まさに村濱の理想とするシュ−トボクシングの世界を実現していたと言ってもいいだろう。しかし、村濱は選手として最も脂が乗りきった時期に、愛していた団体を去らざるをえなかった。原因はシュ−トボクシングという競技への村濱の考えが、協会と食い違ってしまったからだ。
村濱の主張はシンプルである。
“キック他団体との交流はもういい。投げを中心としたシュ−トボクシング独自の世界観をもっときっちり構築しよう。そのためにル−ル整備やジャッジングを徹底しようじゃないか。”おととしの暮れ辺りから、村濱は何度も協会にそう熱心に呼びかけ、協会の運営方針にも異論を提出した。試合会場での浮かない顔は、その行動がなかなか実を結ばない事に対する苦悩ゆえだったのである。しかし、ダニ−戦の直前に協会もようやく重い腰を上げて、もっと投げのポイントをジャッジングの中に反映させるル−ル改正を行ったのである。
しかし、彼の選手としての理想を実現したはずのスティ−ル戦では、肝心のジャッジングがそれに答えなかった。ダニ−の投げがポイントに反映せず、村濱の判定勝ちが宣告されたのである。勝ち試合なのに、村濱は憮然としてリングを降り、控室に立て篭もった。もちろん、試合後もノ−コメント。試合には満足したが、結果には納得できない。長らく溜まりに溜まった村濱のフラストレ−ションがついに爆発したのだった。そして、協会と村濱の思いは平行線のまま、ついに交わることはなかった。その結果、村濱はシュ−トボクシング協会を退団して、大阪に移住。
まるで、去年10月の佐竹のK-1離脱との二重写しのような展開である。
そういえば、天変地異を察知した野生動物のように、一時代を築いた格闘家が新天地を求める現象が相次いでいることに気が付く。村濱しかり、佐竹しかり、小川直也、村上一成、エンセン井上、山本喧一、長井満也、はたまた西田操一改めマンモス西しかり。また、VTに新天地を求めた高田延彦や桜庭和志、アレクサンダ−大塚も仲間に入れていいかもしれない。みな住み慣れた団体やル−ルを離れ、新しい闘いの場を求める行動に出ているではないか。
これを見て思いだすのは、1994年当時の格闘技界の状況だ。総合格闘技の勃興に刺激されて、正道会館の佐竹や角田、後川、あるいは慧舟会の西良典と言った立ち技格闘家がリングスマットにあがり、フリ−に転じた平直行や本間聡がそれに続いた一連の動きである。当時、格闘技マスコミは彼等を「漂流する格闘家」と呼んだ。
そして、時代は繰り返す。
今確実に何度目かのサイクルで“漂流する格闘家”の時代がやってきているのだ。前回の動きはは、まだ総合格闘技も十分にスタイルを確立しきれていない時代であり、ル−ルも毎回違えば、上がる団体との駆け引きもややこしく、選手は試行錯誤しながら理想を捜し求める「カオス(混沌)型」の行動をとっていたと言っていいだろう。しかし、今回の動きは違う。この6年の間に総合格闘技側のル−ル整備が進んだ結果、選手は自分の持つ技術の引き出しと、団体側の提示するル−ルや金銭的条件を天秤に掛け、チョイスすればいいだけになったのだ。総合でも、立ち技でも、寝技でも、はたまたプロレスであろうとも、格闘家は自分の力量に応じて、それに答えられる切り口を提示すれば、どこででも勝負が出来るわけだ。まるで、そのあざやかな切り替えぶりは、今流行りの“ハイブリッド・デジタル携帯電話”を連想させられる。
今日はプロレスで流血試合を繰り広げながら、その一週間後にはグレイシ−とガチンコマッチと、縦横無尽な活躍を繰り広げるアレクサンダ−大塚を思いだして欲しい。それはまるで地下街ではPHS、市街地ではデジタル携帯と、場所によって電波をうけとめ、スマ−トに切り替えることができる“ハイブリッド・デジタル携帯”そのものではないか。
時代は、まさにそうした「ハイブリッド・デジタル型」格闘家の時代を迎えているのだ。
そして、ついに現場復帰を決意した村濱のアンテナは、この時代の電波をびんびんに感じていたに違いない。
ついにゴングが鳴る! 後半に続く![]()
| 取材:井田英登 写真:井田英登 |
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