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[修斗] 6.29 大阪 (レポ&写真):ウェルター世代交代くっきり。三島、五味戦実現に弾み

サステイン "プロフェッショナル修斗公式戦" 2002年6月29日(土)大阪・堺市金岡公園体育館

 レポート&写真:井田英登

 【→大会前のカード紹介記事】 [→掲示板・修斗スレッドに投稿をお待ちしています]

メインイベント ウェルター級 5分3R
○五味隆典(日本/木口道場レスリング教室/王者)
×レオナルド・サントス(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)
判定2-0 (29-29,29-27,29-28)

 打撃に絶対の自信を持っているチャンピオン五味だが、サントスも初のMMAマッチながら、長い手足を活かしたパンチに冴えを見せ、ジャブをコツコツ当ててくる。五味は早々と鼻血を出すなど、なかなか射程距離に入れないまま1Rを終える。
 2Rには珍しくテイクダウンを喫し、バックからチョークを狙われるなど、どうにも試合ペースを掴みきれない五味。だが、単発だった打撃も最終ラウンドに入ってようやくコンビネーションが甦り、パンチを腹に散らし、ローから繋いだ得意の左フックがサントスの顔面を捕らえ始める。苦しくなったサントスの再三タックルも落ち着いて捌き、上のポジションを制してゴングを聞いた。

「減量がきつかったんですけど、これでビール飲めるかな(笑)。勝負勘も衰えてないのが判ったし、今日はとにかく勝ててよかったっすね。せっかくブラジルから来てもらったし、強い相手だったんでね。修斗でやる限り勝たないと意味無いし、UFCも見えてこないですから。あれで向こうにヒザがあったら危なかったんじゃないですか。試合中バック取られたりして判定で負けるかなとかちょっと思ったりしちゃったけど。12月は三島くんでいいんじゃないですか。お客さん入ると思うし。ま、ルミナさんに勝った外人も強かったんで、なんか自分とそっくりなんで、おどろいたけど。先に三島君とやってもらって、どうすかね(笑)」

 久々の修斗戦を勝利で飾れた事実に満足げだった五味。これまで拒否し続けてきた三島戦に関しても、今日の三島の快勝を受けて、12月へのタイトルマッチを受けて立つ方向で気持ちが傾いてきたようだ。

セミファイナル ライトヘビー級 5分3R
○須田匡昇(日本/クラブJ/王者)
×ロナルド・ジューン(アメリカ/808ファイト・ファクトリー/9位)
判定 3-0

 直前の対戦相手変更の影響か、須田の動きにイマイチ冴えが無い。着実にテイクダウンを奪って上をキープするのだが、そこから先が展開が見られないまま迎えた3R。ゴング直後にバックブローを決めてダウンを奪う。だがレフェリーの静止を聞かずにラッシュを続けたためダウンカウントが遅れ、惜しくもそのままKO勝利にはつながらなかった。その後、フロントネックを取られ引き込まれる局面もあったが、難なく切り抜け、判定ながらも戴冠後初試合を白星で飾った。

第5試合 ウェルター級 5分3R
○三島☆ド根性ノ助(日本/総合格闘技道場コブラ会/1位)
×イラン・マスカレンニャス(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)
2R 4'53" アキレス腱固め

 開始早々バックブローを見舞い、ローを中心に打撃で組み立ててくるなど、立ち技で進歩を見せた三島。だがエプロンサイドで腕ひしぎを狙った際、相手に押し込まれ何と背中から転落。幸い頭部などには損傷もなく試合続行となったものの、一瞬VTJの草柳戦の悪夢が甦る危険なシーンだった。既にロープを越えてからかなりの時間が経過してから落下しただけに、レフェリーはもうすこし早くドントムーブをすべきだっただろう。
 試合再開直後の三島は若干意識がはっきりしないような表情を見せていたが、1R後半には差し合いからテイクダウンに成功し、2Rの最初にもいきなり飛び蹴りを見せるなど、アクシデントの影響を微塵も感じさせない復調ぶりを見せた。最後は片足タックルのテイクダウンから上を制しパンチを落とし続け、さらにマスカレンニャスが蹴り離そうとした足を取ってアキレスを仕掛け、きっちり一本で試合を締めくくった。この6月には自ら運営するコブラ会の道場もオープンし、いよいよ三島の頂点取りへの動きは本格化しはじめた。

第4試合 ウェルター級 5分3R
×佐藤ルミナ(日本/SHOOTO GYM K'z FACTORY/4位)
○ハビエル・バスケス (キューバ/ミレンニア柔術/KOTCライト級王者) 
判定 3-0

 「まるで自分の試合をみてるようだった」と五味が言うように、初参戦のKOTC王者はプレッシャーの強いグラウンドパウンダーだった。正面から勢いよく突っ込んでくるバスケスの突進に打撃を潰され、ルミナは早々からグラウンドへ持ち込まれてしまう。オープンガードを駆使しての三角や十字狙いのムーブを見せたが、腰のタメで引き込みを防いだバスケスは、そのままルミナ×五味戦を彷彿とさせるインサイドガードからのパウンドを敢行し、ルミナを苦しめる。
 2Rもバスケスはルミナのヒザ蹴りをそのまま押し倒しインサイドからパウンド。3Rは片足タックルからのテイクダウンで、再びインサイドからのパウンド。けれん味の無い攻撃でルミナを攻め立てる。ルミナも下からのシザースで一瞬腕取りに成功しかける瞬間があったが、これはロープを巻き込んだため失敗。
 運も味方に付けることができず、結局キャッチを取ることが1度もないままゴングを聞いたルミナ。終了直後セコンドに「全然パスして来ねえよ。あんな力強いと思わなかった」と嘆き、ガックリと頭を落とした姿に、昔日のファンタジスタの面影は感じられない。この日は五味も三島も揃って勝利。ウェルターの主役がいよいよ交代しつつある印象を強く残した。

第3試合 ミドル級 5分3R
○デイブ・ストラッサー(アメリカ/ストラッサーズ・フリースタイル・アカデミー/8位)
×池本誠知(日本/ライルーツ・コナン)
1R 3'10" スリーパーホールド

 現在三連敗中、すっかり勝ちに見放された感のある「浪速のプリンス」こと池本。この日も豪快な投げで叩き付けられ、バックを奪われるとそのままスリーパーを決められてしまうという、まったくいいところ無しの完封負けを喫してしまった。

第2試合 02年度新人王トーナメント ミドル級準決勝 5分2R
○徳岡靖之(日本/パレストラ加古川)
×福本洋一(日本/和術慧舟會千葉支部)
判定 3-0

 打撃に定評のある徳岡が、この日もパンチ、ヒザ、ハイなど多彩で的確な打撃技を使い分け、着実にポイントを重ねていく。福本もテクニックでは一歩譲るものの、気迫のこもった撃ち合いで徳岡の攻めに応えてパンチを振るう。だが2Rには徳岡が豪快なバックドロップを見舞ってアンクルロックを狙っていくなど、やはりゲームの流れは徳岡が支配しつづけ、判定でトーナメント決勝へと歩を進めた。

第1試合 クルーザー級 5分2R
○辻 嘉一(日本/G-FREE)
×ザ・グレート浪速(日本/総合格闘技夢想戦術)
判定 3-0

 昨年アマチュア修斗クルーザー級優勝の実績を背負いプロデビューした浪速だが、辻の手堅いテイクダウンに何も出来ず。10分間をほとんどマットに押さえ付けられたままで過ごすという屈辱的なデビュー戦になってしまった。

Last Update : 06/30

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