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[スマックガール] 6.1 有明 (レポ&写真):薮下、スマック初戦。篠原の復帰戦は?

格闘エンタテインメントSMACK GIRL "SMACK LEGEND 2002" 2002年6月1日(土)東京・ディファ有明

 レポート&写真 井原芳徳

【→大会前のカード紹介記事】 【→次回7.6・最強タッグトーナメント情報】

[→スマック篠プロデューサーも出没! 掲示板・女子格闘技スレッドに投稿をお待ちしています]

第7試合 SGS公式ルール 60kg契約 5分3R
×薮下めぐみ(Jd'/158cm/60kg)
○彩丘亜紗子(PALM/IPMTF&IPMTOチャンピオン/158cm/60kg)
判定0-3

 キックボクサー・彩丘に対し、プロレスラー・薮下は打撃で真っ向勝負。危ない場面もあったが、彩丘も「強いパンチには面喰らった」といい、随所に昨年のオランダ修行の成果を感じさせる。
 だが彩丘もグラウンドの防御に成長を見せ、柔道出身の薮下に極めのチャンスを与えない。足下に組み付いた薮下をがぶってニヤリと笑うあたり余裕を感じさせる。スタンドではローキックで着実にダメージを与え、持久力でも薮下を上回る。

 とはいえただの守勢で終らないのが薮下の持ち味。彩丘の下で亀になった場面での出来事だが、テレビ番組のリポーターとして彩丘の取材に来ていた映画監督の山本晋也氏が「プロレスなんか目じゃねえ!」と彩丘に檄を飛ばすと、薮下は「うるせー!」と叫んで彩丘を持ち上げ、プロレス流の「水車落とし」で吹き飛ばして見せた。試合終了間際には低空ドロップキックを繰り出し、何としても勝機を見い出したいという意志が衰えることはなかった。
 判定の結果、薮下は1月のクーネン戦に続く連敗となった。だがバックステージで薮下はあっけらかんとした様子で「今年は負け続けます」と語っていた。そのまま解釈すればふざけ半分の発言にも読めるが、「私は常にチャレンジする立場」「プロレスは仕事。格闘技は趣味」といつも語る薮下のこと。これは彼女流のポジティブさの裏返し表現といえる。「ローキックよりいつものプロレスの椅子攻撃の方が痛い」「今日の試合は自分では勝ったと思っている」とも語る薮下にとって、本当の意味での「負け」とは、試合の中で全力を出し切れないことなのかもしれない。「負け続けます」という発言は、客観的な基準では「負け」続けてもいいから、格闘技では毎試合全力を尽したいという意味だろう。そう解釈すれば、最後まで出せる限りの力を出し切ったこの日の薮下は非常に薮下らしかったと思えてくる。

 一方の彩丘は、勝った後リング上で「キックの興行にも足を運んでいただけると…」と漏した。本職のキックではなく、MMA(総合)の試合が連続したことに対するジレンマがあるのだろう。実際他の選手でも、しなしさとこはサンボが、禅道会の選手は禅道会空手が格闘技の本業で、いわばスマックは副業である。MMAも好きだとは思うが、やはり本業でもっと活躍したいのが本音だろう。スマックで彼女達に興味を持ったファンの人は、ぜひとも本業での活躍にも目を向けて欲しいと思う。そうすれば、スマックでの試合の見方にもより深みが増すだろう。もちろん、本誌もできる範囲で彼女達の本業での活躍を追い掛けていければと考えている。

第6試合 SGS公式ルール ライト級 5分3R
○渡邊久江(LIMIT/160cm/47kg)
×EIKA(拳士館/149cm/51kg)
1R 1'47" TKO(3ノックダウン)

 開始から渡邊が組んでの膝蹴りでラッシュ。EIKAは防戦一方で3度のスタンディングダウンを取られ完敗した。まだあどけなさの残る高校1年生のEIKAには厳しすぎるマッチメイクのように感じた。

第5試合 SGS公式ルール 63kg契約 5分3R
○杉本由美子(禅道会/160cm/60kg)
×玉井敬子(三晴塾/160cm/64kg)
判定2-1

 高橋洋子と同じ三晴塾所属の玉井は、格闘技のキャリアわずか半年。杉本の得意の右ストレートをもらう場面もあったが、玉井もカウンターやバックハンドブローを当てたり、水面蹴りや前蹴りを繰り出したりと、物怖しない打撃戦を繰り広げる。活き活きした表情はどこか星野育蒔を思い出させる。主催者が玉井に「天然格闘魂」というキャッチフレーズを付けたのもうなずける。
 結果はグラウンドで腕十字を狙う場面の多かった杉本が勝利。両者とも終盤はバテ気味だったが、最後までパンチ合戦などで積極的に動き集中力が途切れず、スマックガールらしい好勝負に終わり、ゴングと同時に客席から温かい拍手が巻き起こった。

第3試合 SGG公式ルール 無差別級 5分3R
×張替美佳(GF2/156cm/61kg)
○真武和恵(和術慧舟會/155cm/58kg)
2R 0'31" 腕ひしぎ十字固め

 初参戦の真武は柔道ベースの落ち着いた動きで張替をコントロール。バックを度々奪い足関節を極めそうになる場面もあったが、1Rでは仕留められず。だが2Rに入ると張替をテイクダウンしバックを取り、速効で腕十字を極めた。寝技の強さを存分に発揮できた真武。打撃ありのルールでも是非試合が見たい選手だ。

第2試合 SGG公式ルール ライト級 5分3R
×ナナチャンチン(チーム南部/147cm/43kg)
○高橋エリ(KAIENTAI-DOJO/163cm/53kg)
1R 1'12" 腕ひしぎ十字固め

 ナナチャンチンは人気プロレスラーの蝶野正洋を真似たパフォーマンスで入場。高橋は元プロレスラー。試合はナナチャンチンがタックルに来た所をそのまま高橋が引き込み、腕を狙い続けて一本。高橋はセクシーポーズで勝利後も客席を魅了した。

第1試合 SGG公式ルール 無差別級 5分3R
○石原美和子(禅道会/155cm/74kg)
×篠原 光(チーム南部/170cm/65kg)
1R 1'09" スリーパーホールド

 復帰戦となった篠原だが、1週間前に「R(アール)」という大会で亜利弥’と総合ルールで対戦し顔を腫らしたため、この日はSGGルール(打撃なしルール)での試合となった。そのため篠原は「打撃を使えないので戦いにくかった」といい、石原の周りをグルグル回り苦笑いを浮かべる。そして石原に組み付かれるとあっさり倒され、簡単にバックを取らせるとスリーパーを極められギブアップ。リング上で石原は「(試合を)やった気がしません。篠原さんのガッツを見れると思っていたから残念です」と話したが、観客もみな同じ気持ちだっただろう。スマックの篠プロデューサーも「今日の試合はひどい。気持ちを込めないと」と篠原には厳しい評価だった。

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Last Update : 07/03

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