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[スマックガール] 3.2 ディファ有明大会 レポート&写真

格闘エンタテイメントSMACK GIRL 〜God Bless You ! 〜
2002年3月2日(土)東京・ディファ有明

レポート:井原芳徳
写真:飯島美奈子(第4試合以降)
   井原芳徳(第3試合迄)

<関連記事>
大会前のカード&出場選手紹介記事
篠代表、3.2有明大会についての謝罪と今後の対策を発表(3/4 up)
次回4月7日大会カード

第8試合 SGS公式ルール -64kg契約 5分3R
×篠原光(チーム南部)
○辻結花(闇愚羅)
1R 0'00" TKO (タオル投入)

 新生スマック第2回大会は、セミファイナルまで好勝負が続いたが、メインイベントの篠原光 vs. 辻結花で、非常に後味の悪い結末を迎えた。メインで両者がリングインしたが、ゴングと同時に篠原のセコンドがタオルを投入し試合終了。あまりに突然の結末に辻陣営も観客も騒然。リングアナウンサーが辻の勝利を告げると、辻の入場テーマ、クィーンの「ドント・ストップ・ミー・ナウ」が皮肉であるかのように流れる。辻が涙目なのが遠くからでもわかる。大会を主催するスマックガール実行委員会の篠泰樹代表がリング上で、篠原に40度を越す高熱があったことを説明し謝罪したが、一部の観客からは怒号が飛んだ。
 篠原の高熱を押してでも出場したかったという心情は理解できる。しかし、これはアマチュアの大会ではなくプロの興行である。まず考慮すべきはこの事態を受け止める観客の立場ではなかったか? 表現は悪いかもしれないが、多くの観客は背中から崖の底に突き落とされたような気分だったと思う。

 民放テレビ局のニュース番組で篠原のライフスタイルが取り上げられ、それを見て興味を持ち会場を訪れた人も多かっただろう。大会の冒頭にはその映像が流れ、メインへの期待を膨らませていた。そして辻の地元・大阪からも応援団が遠く東京の会場までたくさん詰め掛けていた。
 もちろん今回のような事態を完全に防ぐことは不可能だ。しかしその悪影響を最小限に食い止める策を主催者は考えられたはずである。
 篠原の病気を篠委員長が知ったのは当日3時頃だったという。その後病院で注射を打っても熱は下がらず、開場の5時半を迎えたわけだが、この時までに試合の中止を決断するか、あるいは今回のような「最悪の結末」を予想し、入口前でアナウンスすることはできなかっただろうか? 確かに事前にアナウンスすれば「篠原の病気が相手の辻の陣営に完全に知れ渡ることになり、篠原にとっては不利な状況に輪がかかる」とも言えそうだが、「試合自体は相手が病気であろうがなかろうがやることは一緒だ」とも言えよう(実際には辻陣営は篠原の病気の噂を事前に耳にしていたという)。

 まあ、試合をする側にとってはこの策には賛否両論あるかもしれない。だが、観客にとってはチケットの半券が切られる直前までに「最悪の結末」のアナウンスがあるとないとでは大違いだ。チケット代の払い戻しを請求する人も一部いるかもしれないが、多くの観客は一定の理解を示しつつ門をくぐり、「最悪の結末」になったとしても嫌な気分を味わうことはなかっただろう。
 「God Bless You !(神のご加護を)」と名付けられたこの大会は、皮肉にも神に見放されたかのような結末となってしまった。今は亡き演歌歌手・三波春夫氏の「お客様は神様です」という言葉になぞらえれば、神=観客を裏切ったことが今回の結末を迎えた理由と言えるかもしれない。だが神=観客が真実かどうかは筆者にはわからないし、実際の三波氏のこの言葉の意図は違う所にあったという話もある(関連リンク:TBS「筑紫哲也のニュース23」ウェブサイト・多事争論アーカイブ・2001年4月16日(月))。
 そういう議論はともかくとして、ファン不在で今回の出来事が起こったことは確かなのだから、主催者はスマックを今後継続していくためには、ファンに対する信頼回復につとめることが不可欠だろう。スマックの篠代表は大会翌日に3.2有明大会についての謝罪と今後の対策を発表した。迅速な対応は大きく評価したい。

第7試合 SGS公式ルール 無差別級 5分3R
○ドレイク森松(フリー)
×中嶋智希(チーム南部)
1R 2'11" 逆片エビ固め

 27kg重たいドレイクに上に乗られるだけで、中島は苦しそうだ。ドレイクは払い腰でテイクダウンし、バックマウントを奪うが、中島はうまく逃げて下から腕十字。だがドレイクは力で外し、中島の足をつかまえ、プロレス技の逆片エビ固めをあっさりと極め完勝した。
 試合後ドレイクはリング上で「だんだん格闘技も楽しいものだと思うようになってきた。もっと強い選手とやりたい」と笑顔で語ったが、GF2の市村、金井、坂口が突然リングに上がり、ドレイクに対戦をアピール。ドレイクは「お前ら弱いんだから1対3でやってやる」と返答し、4月7日の大会で前代未聞の1対3マッチが実現することになった。

第6試合 SGS公式ルール 無差別級 5分3R
○しなしさとこ(Girl Fight AACC)
×瀧本美咲(禅道会)
1R 4'32" 腕ひしぎ十字固め

 小刻みな動きのしなしが飛び込んでローを放ったのに合わせて、瀧本が左右のカウンターを狙う。グラウンドに持ち込もうとしなしが組みつくと、瀧本はしなしの顔面に膝を連打。しなしはテイクダウンに成功するも、鼻骨骨折の疑いが出たためドクターチェックが入る。鼻血も出たため止血を行い、2分ほどたってスタンドから試合を再開。
 だがしなしは「血に興奮してペースが崩れてしまった」といい、思い通りの試合運びにならない。グラウンドで反則の顔面パンチを放ってしまいイエローカードをもらってしまう。

 ラウンド後半に入るとしなしは一本背負いから速攻の腕十字を狙うが、瀧本は上体を起こしてディフェンス。天才サンビストのサブミッションを30秒のグラウンド制限時間いっぱいしのぎきる。しなしは絶好のチャンスを逃してしまう。再びドクターチェックが入り再開するも、しなしは苦しそうで、さらに瀧本の左右のパンチをもらってしまう。
 だが4分過ぎ、瀧本の左右のパンチをかわして組みついてテイクダウンに成功すると、再び腕十字を狙う。瀧本は前回の腕十字と同じく上体を持ち上げディフェンスするが、グラウンド制限時間が十分残っているしなしは瀧本の腕のフックを巧みにはずして一本。しなしが激戦を征した。

第5試合 SGS公式ルール 無差別級 5分3R
○石原美和子(禅道会)
×金井広美(GF2)
1R 0'25" 腕ひしぎ十字固め

 開始早々から石原が豪快な右フックを放ち、金井を組み倒してそのままサイドポジションにまわると、速攻の腕十字。4月14日の修斗北沢タウンホール大会のマーロス・クーネン戦に向け、実力をアピールした。

第4試合 SGS公式ルール 無差別級 5分3R
○中村珠美(禅道会)
×照井和瑛(パワーオブドリーム)
判定3-0

 現役ファッションモデルの中村が長いリーチを活かしたパンチで、照井を入り込ませない。2Rは中村が何度かギロチンを狙う場面もあった。判定は3-0で、中村がうれしい初勝利をおさめた。

第3試合 SGS公式ルール・タッグマッチ 無差別級 5分3R
×高橋千歳(フリー)& Lay-ho[レイホー](ボディプラント)
○張替美佳(GF2)& 市村幸恵(GF2)
1R 4'28" 腕ひしぎ十字固め

 GF2組が試合慣れした動きで終始優位にすすめ、最後は市村がレイポーを腕十字で一本。技術水準の差が明白に出た試合内容だった。

第2試合 SGS公式ルール -57kg契約 5分3R
○金子真理(禅道会)
×虎島尚子(和術慧舟會)
1R 2'15" 腕ひしぎ十字固め

 虎島の打撃を警戒した金子がグラウンドに持ち込むと、素早い動きでギロチンを狙う。虎島は二度のピンチをなんとかしのぎきったが、最後は三角絞め気味の腕十字でタップアウト。虎島はAXの時のような実力を発揮できないまま敗れた。

第1試合 SGG公式ルール ライト級(-52kg) 5分3R
○Eika[エイカ](拳士館)
×ナナチャンチン(チーム南部)
2R 2'50" スリーパーホールド

 デビュー以来黒星街道を突き進むナナチャンチンが、中学生のEIKA相手にアキレス腱固めやギロチンを狙うなど奮闘したが、最後はスリーパーに沈んだ。

Last Update : 04/03

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