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[パンクラス] 近藤、またもGRABAKAを病院送り/1.27 後楽園 (レポ&写真)

Sammy Presents PANCRASE 2002 SPIRIT TOUR WITH TOUGH
2002年1月27日(日) 東京・後楽園ホール
観衆:2,350人(超満員札止め)

レポート:井原芳徳

【→大会・カード解説、初出場選手紹介、選手の前日コメント】



【第1部】 タフ祭り

 最初「チーム・タフ」の高橋義生、エンセン井上、朝日昇がリング上で挨拶。退場後続いて船木誠勝がリングに登り、3月公開される主演映画「シャドー・フューリー」の宣伝を行った。

チームタフ提供ドリームマッチ 3分エキシビジョン
−鈴木みのる(パンクラス横浜)
−宮沢熹一(灘神影流)
[エキシビジョンのため勝敗なし]

 エキシビジョンの後鈴木はマイクを持ち、今年から東京&横浜道場所属選手が集結し「パンクラスism」という新道場所属となったことを発表した。UFC、PRIDE参戦に向けて所属選手の実力向上をはかりたいという鈴木の意向が反映されたという。所在地は元の横浜道場。東京道場は一般向けのジムとなる模様。

◆鈴木コメント
「東京道場と横浜道場を統合して選手18人、これからはパンクラスism 所属になります。やっぱりパンクラスの選手が刺身のツマになるようではいかんなあ、と。僕らが主役じゃないと。
 合同練習は以前からやっていました。これは船木さんが引退した時期から僕の頭にはあって、僕と高橋と近藤で話し合って会社に伝えました。最初は反対されたけど。
 タフの中身は僕も知っている選手だと思います。パンクラスの公式戦に出て来いと。まずは内部の活性化を図っていきます。リング上はGRABAKAのおかげでいいリングになったのでね。
 個人的には今年はぜひ、外へ出てみたいですね。僕の中では相手は1人に絞っています。今までに雑誌などで何人か名前を上げた1人です。その人は僕の気持ちを受け入れてくれる男だと思うんで、できるならどこのリングでも構わないです。今までやってきた全てをぶつけたいですね。
 今度PRIDEに出る選手にはパンクラス代表として出てもらいます。でも一番大事なのはパンクラスの興行。パンクラスが面白くないとほかのリングに上がっても面白くないでしょう。これからは向こうの選手がパンクラスに出るということもあるでしょうね 」




【第2部】 試合

第1試合 チーム・タフ提供試合 3分エキシビジョン
−菊田早苗(パンクラスGRABAKA/ライトヘビー級王者)
−岩崎達也(フリー/極真空手全日本王者)
[エキシビジョンのため勝敗なし]
 回転の速い打撃を見せる岩崎に対し、菊田は素早いパスガードを披露。エキシビジョンの後、菊田はファンの前でPRIDE参戦を正式に発表した。PRIDE.20(4.29 横浜アリーナ)が初陣となる。

◆ バックステージでの菊田のコメント
「まだアピール段階で細かく決まっていないです。相手は強い奴なら誰でもいいです。ホイスとかミルコ・クロコップがいいですね。シウバはその先に見えてくるんじゃないですか?(小路晃の対戦アピールについて)やっても盛り上がらないんじゃないですかね? 僕も去年二冠達成したので、タイトルホルダーとやりたいですね。K-1とかUFCのチャンピオンとか。(小路のアピールは)うれしいですけど、上がっていけばいつかやることになるかもしれないですけど、今はちょっと見えてこないですね」

◆ 大会終了後の尾崎社長のコメント
「4月(のPRIDE.20で)の菊田の相手は名前のある選手になるでしょうね。何人か名前が上がっています。誰かってのは今言えないですけど。ここ1週間か10日ぐらいに決まると思いますよ。菊田本人にも交渉の状況について逐一話しています。(他に何人出るか?)複数、としか今は言えないです。あとは最後の詰めですね。4月の後も継続してうちから出ていくことになると思いますよ。」

◆ 大会終了後の美濃輪のコメント
「(PRIDE参戦は)今のところは何も決まってません。もし出るなら、自分のワールド見せたいです。まあ、プロレスっすね。減量は体に悪いと思うし、100%の自分を出せないと思うのでやりません。これからもライトヘビーで戦います。体格差がどうだとかはどうでもいいです。自分はそんなの気にしないし、そういうものをブチ壊したいですね。自分としては熱い戦いがしたいだけです。」

第2試合 ライトヘビー級 5分2R
○渋谷修身(パンクラスism)
×久松勇二(タイガープレイス)
2R 0'46" ヒールホールド

 久松が1Rサイドポジションを制するなど、直前の出場決定と思えない良い動きを見せる。しかし渋谷が1Rから狙っていた下に潜り込んでのヒールホールドを2Rに極めて逆転勝利。

第3試合 ライトヘビー級 5分2R
○石井大輔(パンクラスism/9位)
×秋山賢治(禅道会)
2R 3'01" TKO (グラウンドパンチによるレフェリーストップ)

 石井が強烈な膝蹴り、ロー、フックで秋山を追い詰める。前日計量の後「前回負けていい勉強になった。今回向けて納得できる練習ができた」と語っていたが、得意の打撃に一層磨きがかかっている。2Rこそ、膝蹴りを放った時に体勢が崩れてしまい、秋山に背後から被いかぶさられスリーパーを狙われるピンチがあったが、あぶない場面はここだけ。落ち着いて引っ繰り返して上になると、インサイドガードからのフック一撃で秋山をひるませ、続くパンチの連打でレフェリーストップ勝ちをおさめた。石井は今年の大活躍を期待させる見事な勝ちっぷり。一方の秋山は体重アップに苦しんだため動きに精彩を欠いたようで、今後はミドル級に転向することを明かした。

◆ 石井コメント
「みんなで一緒に練習したから今日は勝てたんだと思います。ismの効果はありましたね。今後の目標はUFCです! オリの中で戦ってみたいですね」

◆ 秋山コメント
「こんなに力負けを感じたのは久しぶりですね。体重を増やしすぎて動けないと感じたので、ベスト体重のミドル級に落として戦います。このままでは終われないです。UFCにも出場したいと思っています。UFCは禅道会の原点なので。(美濃輪と石井を比較してみてどう思うか?)難しいですけど、タイプが違いますね。石井選手はペースを取ると強い。美濃輪選手は精神力で無理矢理持っていくという感じですね」

セミファイナル ライトヘビー級 5分3R
○佐々木有生(パンクラスGRABAKA/7位)
×KEI山宮(パンクラスism/前王者)
1R 4'29" 腕ひしぎ十字固め

 開始早々山宮のパンチが佐々木にクリーンヒット。ダウンにこそならなかったものの、山宮はチャンスとばかり佐々木に被いかぶさる。だが、そこから先の攻め手に欠き、佐々木の回復を許してしまう。その後も2度続けて同じような展開となり、3度目にはついに佐々木に引っ繰り返されマウントポジションを許してしまう。佐々木はパンチで果敢に攻め、バックを取りスリーパーを狙う。山宮はかろうじて逃げ、満員の観衆から大歓声が巻き起こるが、上になってもまたも攻め手に欠く。しばらくして佐々木が華麗なヒップスローで脱出。最後はサイドポジションからの腕十字で見事な大逆転勝利を果たした。

◆ 佐々木コメント
「最初にパンチをもらってボーっとしましたけど、そんなに効いてはいませんでした。寝技になったらかなり余裕がありましたね。組んだときに(関節)取れるな、と思ったし下になっても絶対スイープできるな、と思いました。今日の課題はパンチのガードですね。山宮選手のパンチが思った以上に伸びてきたんでガードするタイミングがずれました。他の人は外に目が向いているようですが、自分は美濃輪さん、近藤さんの2人を絶対倒したいです。パンクラスで試合しているという誇りとGRABAKAの意地を見せたいです」

メインイベント ライトヘビー級 5分3R
○近藤有己(パンクラスism/1位)
×佐藤光芳(パンクラスGRABAKA/4位)
2R 0'32" TKO (グラウンドパンチによるレフェリーストップ)

 グラウンドに持ち込もうとタックルで飛び込んだ佐藤に、近藤が必殺の飛び膝蹴り。クリーンヒットではなかったため、佐藤はそのまま組み付きテイクダウンに成功するが、膠着が続きブレイク。スタンドに戻ってから佐藤は再びテイクダウンに成功するが、下になった近藤はなんとGRABAKAのお株を奪うような三角絞めを狙う。極まる体勢にはならなかったが、佐藤はゴングに救われる。
 続く2R。勝敗はあっけなく決まった。1Rの開始同様近藤は飛び膝蹴りを放ち今度はクリーンヒット。倒れた佐藤に近藤は馬乗りになりパンチを連打。これには佐藤はなすすべがなく、12月の郷野同様病院送りとなった。

 尾崎社長は近藤の今日の試合内容を「完全復活ですね」と高く評価。今後の試合については、にわか話題にのぼるPRIDE、2戦契約が残っているUFC、菊田とのライトヘビー級タイトルマッチ、この3つのどれにするかまだ現在検討中だという。だがいずれにせよ、近藤の快進撃がしばらく続くことは間違いなさそうだ。

◆ 近藤コメント
「今日は良い勝ち方ができたと思います。体調、モチベーションを含めて格闘技をはじめて最高の調子で試合に望めました。12月の郷野選手との試合で、自分の理想が少し体現できたことが良い方向に作用したんだと思います。ヒザは狙ってました。(2R のヒザは)少し飛んで足応えがありましたね。PRIDE参戦のことは決まったら決まったたと思いますが、全然意識しませんでした。これからの目標はないですね。形としての目標はないです。一生懸命練習して試合をやるだけですね。次に試合をやる時はもっと最高のコンディションで、もう1段上に上った自分を見せる自信があります。」

Last Update : 02/15

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