PRIDE 男祭り 2005
頂 -ITADAKI-

2005年12月31日(土) さいたまスーパーアリーナ
第1試合 PRIDEスペシャル・チャレンジマッチ
× 金子 賢 セコンド:マモル、他???
チャ−ルズ“クレイジー・ホース”ベネット
5×2R 1R 4:14
ギブアップ 腕ひしぎ十字固め
※ 通常のPRIDEルールとは違い、グラウンドでの頭部への蹴りが認められない特別ルールではあるが
格闘技初心者の金子にとっては危険な戦いであることはまちがいない。
しかも相手がベネットというライト級トップクラスのハードパンチャーだ。
 戦前、PRIDEを主宰するDSEの榊原社長は「ボビー・オロゴンの総合挑戦と一緒にされては困る」
というような的外れな発言をしていたが、この一戦は話題性やファイトスタイルにおいて
K-1 PREMIUM 2004 Dynamite!!のボビーvsアビディと全く同じタイプである。
 それだけに最初の組み合いで金子がベネットからテイクダウンを奪えなかった力の差が
そのままボビーとは対称的な結果となってしまった。
 ベネットは破天荒な気違いキャラが魅力だが、戦前では挑発的ながらも賢い発言を繰り返し、
なおかつ試合では金子に対し普段のハードパンチはなりを潜め、嫌っていた筈の関節技で勝利を収めた。
金子の体を気遣ったのか、ファイターとしての誇りがベネットにそうさせたのか判らないが、
どちらにせよイメージとは違う知性を窺わせた。
 金子は本気で格闘技を継続する意思があるのであればアマチュア修斗に挑戦してみてはどうだろうか?

第1試合
× 近藤 有己
中村 和裕
3R(10/5/5)
判定 3-0

第2試合
ジェームス・トンプソン
× ジャイアント・シルバ
3R(10/5/5) 1R 1:28
KO サッカーボールキック
※ シルバはこの1年間、プロレス活動をしながら総合の練習を続け今回の試合に備え、
マンハッタンにあるヘンゾ・グレイシー道場で練習を積み挑んだ。
 トンプソンは持ち前の突進力を活かし一瞬で超大巨体を殴り倒すと戸惑いながらもサッカボールキックで葬り去った。
 そして気になったのだがレフェリーは二人の巨体を考慮した位置でのレフェリングを心がける意思があったのだろうか。
レフェリーの位置取りが良ければもっと安全に試合を止められた筈である。

第3試合
× 瀧本 誠
菊田 早苗
3R(10/5/5)
判定 3-0
※ 表の柔道王VS裏の寝技王というテーマ通りスタンディングでの攻防よりグラウンドでの時間が長い一戦となったが、
互いのグラウンド技術が高く決め手に欠きながらもスリリングな展開が延々と続いた。
 菊田は試合後の日記で、「判定決着だったから100点満点中10点。極めるためにももっとパウンド技術を高めたい」と語った。
対する瀧本もこれで4戦連続で判定決着だっただけに次戦では全く変わったファイトスタイルに変わっているかも知れない。

第4試合
エメリヤーエンコ・アレキサンダー
× パウエル・ナツラ
3R(10/5/5) 1R 8:45
チョークスリーパー

第5試合
エメリヤーエンコ・ヒョードル
× ズール
3R(10/5/5) 1R 0:26
KO 左フックからパウンド連打
※ ノンタイトルマッチで行われた。

第6試合 PRIDE GP 2005 ウェルター級トーナメント 決勝戦
ダン・ヘンダーソン
× ムリーロ・ブスタマンチ
2R(10/5)
判定 2-1

第7試合 PRIDE GP 2005 ライト級トーナメント 決勝戦
五味 隆典
× 桜井”マッハ”速人
2R(10/5) 1R 3:56
KO 右フック
※ 今回の男祭りのサブタイトルに最もふさわしいカードと言える一戦!
 現在破竹の勢いで連勝劇を演じる五味か、復活したかつてのカリスマ桜井か!?
どちらが勝っても名勝負になること間違いなしの一戦である。
 五味は木口道場を中心に、ボクシングの相模原ヨネクラジム、空手の武心塾などで練習を積み闘いに挑む。
 試合が始まると互いに牽制の打撃を応酬した後、桜井が強烈なローを2発見舞う。
そしてマッハは細かい左右のフックで五味を寄せ付けず、桜井の勝利を期待させた。
しかし五味が強烈なパンチで桜井の懐に入ると桜井はもつれ合うように投げを放とうとするが
レスリング力で上回る五味が投げを耐えるとまんまとバックを取り、グラウンドでひたすら大量のパンチを与える。
桜井もパンチを耐えながらなんとか体を返そうとするが五味の高いポジショニング能力に遮られる。
そしてなんとか立ち上がる桜井だったが既に足元がおぼつかず五味の右フックを受けると頭からリングに倒れこんで試合が決した。
 五味は闘うごとにファンにその実力の底深さを見せ、試合後のマイクでも少しずつ成長を見せている。
更に以前とは見違える体で今回は参戦し、肉体改造に着手している事が明らかに分かった。
もしかすると近い将来階級を上げて本当にヴァンダレイ・シウバ戦を実現させてしまうかも知れない。

第8試合
桜庭 和志 セコンド:高橋渉、下柳剛、他???
× 美濃輪 育久
3R(10/5/5) 1R 9:39
レフェリーストップ チキンウィングアームロック
※ 今年こそ田村潔司戦が実現するのではないかと言われていた桜庭だったが急転直下、
美濃輪戦という誰もが予想だにしなかった夢のカードが組まれた。
 総合の舞台で桜庭が日本人と闘うのは初めてで、美濃輪とは互いに尊敬し合う間柄でもある。
それだけに試合でどれだけアグレッシブな殴り合いができるだろうかと心配していたが、
予想通りグラウンドではパウンド禁止ルールか?と思わせるような関節技のやりとりが続いた。
それにあいまって桜庭のグラウンドテクニックが美濃輪の一枚も二枚も上回っており、
期待された程のインパクトをファンに与えられなかった。
 ついこの前までいつものように「引退か?」と叫ばれていた桜庭だったが
近い体重の相手であれば全く寄せ付けないだけの力の差を見せ付けてくれた。
 そして第2試合に続きこの試合でもレフェリーの位置取りに疑問が生じた。
桜庭が得意とするアームロックを仕掛けているにも関わらずレフェリーは技の死角から両者を見つめ、
「極まってる?どう?」とリング下の関係者に確認しているようだった。
きちんとした角度からジャッジすればアームロックが極まっている事は明白で、
しかも美濃輪は決して自らタップしない格闘家なのだから正しい位置取りでジャッジし試合をもっと早く止めて欲しかった。

第9試合
× ミルコ・クロコップ
マーク・ハント
3R(10/5/5)
判定 2-1
※ 昨年は8戦、今年は更に濃密な4戦という緊張感を維持したままのミルコに対し1年ぶりの復帰となるハント。
ハントはまともに総合の練習をしているのだろうかと不安があったが、
リングで相変らずの脂肪を纏った体を見せると更にファンの不安を煽った。
 しかしハントは予想に反しスタンディングでミルコを圧倒しつづける。
対するミルコは心なしか動きが堅く不自然だった。
ハントはミルコvsヒョードルでのヒョードルの戦い方をお手本にしたかのような戦法を成功させた。

第10試合 PRIDEミドル級タイトルマッチ
ヴァンダレイ・シウバ
× ヒカルド・アローナ
3R(10/5/5)
判定 2-1

第11試合
吉田 秀彦 セコンド:高坂剛中村和裕、他1名
× 小川 直也 セコンド:藤井軍鶏侍、他???
3R(10/5/5) 1R 6:04
レフェリーストップ 腕ひしぎ十字固め
※ 常に望まれていたカードであったが本当にこの一戦が現実のものにると誰が思ったであろうか?
 安っぽいアングルなどではなく二人は本当に水と油のような関係で遺恨を持ち合っているが、
それだけでなく実力でどちらが上なのか非常に気になる黄金のカードである。
 小川は頭に白いはちまきを巻き、亡き親友の橋本真也の入場テーマである「爆勝宣言」をバックに入場すると
場内の興奮は早くも最高潮に達する。

 試合後、負けた小川が藤井に支えられながら、やはりマイクを握ると遺恨のあった吉田に心を開きハッスルを求める。
場内の空気は吉田のハッスルを望んだが、
あれだけの雰囲気に流されず格闘家としての誇りを大切にするため吉田はそれをキッパリと拒んだ。
それとともに吉田にとって小川に対するわだかまりは相当なものだと勘繰らせたが、
「小川先輩と対決する事になるとは思いませんでした。決して二人は、柔道が嫌いなわけじゃありません。
柔道があったから、こういう流れになったと思います。柔道が大好きです。」と、
自分より更に柔道界で冷遇されている小川に対して思いやる発言をした。


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