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(レポ&写真) [DREAM] 3.15 埼玉:カルバンの反則で青木戦は無効に

FEG "HEIWA DREAM.1 ライト級GP 2008 開幕戦"
2008年3月15日(土) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ  観衆:19,120人(主催者発表)

  レポート:本庄功志(青木戦・川尻戦・ハンセン戦)、井原芳徳(その他)
  コメント編集:本庄功志、大野洋一  写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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[ライト級(70kg)GP一回戦] 1R10分・2R5分(インターバル90秒)

第10試合
J.Z.カルバン(ブラジル/アメリカン・トップチーム)
青木真也(日本/パラエストラ東京)
1R 3'46" 無効試合 没収試合
※カルバンが青木の首筋に肘を打ち、青木は頸神経損傷によりドクターストップ。二回戦進出者や再戦等の決定は主催者預かりに。
※最終裁定は「没収試合」となり、4/29のDREAM.2で再戦が行われることになった。

 オープニング映像では“PRIDE×HERO'S”の構図が、両イベントのロゴマークにあしらわれていた稲妻と星の記号をモチーフにしつつ煽られ、ミルコ、川尻、石田、青木ら元PRIDEの選手が紹介されると、会場は大きな反応が起こる。対してHERO'Sの選手が紹介された時は、どうも反応がイマイチだ。
 レニー・ハート氏、ケイ・グランド氏、太田真一郎氏によるPRIDEではお馴染みだったアナウンス。レフェリー紹介での、島田レフェリーに対するお決まりのブーイング。VTRも、会場も、グローブも、すべて“PRIDE風”なDREAM。TBSのテレビ中継では紹介VTRのナレーターが異なる等、HERO'S色が強まっていたが、会場で筆者がHERO'Sっぽさを感じたのは、休憩明けに山本“KID”徳郁の31歳のバースデーを祝った時ぐらいだった。

 今回のメインイベントは、HERO'Sの70kgトーナメント王者のカルバンと、PRIDE4連続一本勝ちで一気にライト級(73kg)のトップコンデンターに躍り出た青木の、PRIDE×HERO'Sを象徴するカード。昨年の大晦日に戦う予定だったがカルバンの怪我で流れ、今回満を持して戦うことになった。ファンからみても「やっときた」という感じだろう。

 だがその期待は裏切られ、試合はあっけなく終わった。
 
 左ミドルを走らせる青木に対し、カルバンはじりじりとプレッシャーをかける。青木は組んで引き込みを狙うも不発。イノキアリ状態になり、カルバンが飛び込んで強烈なパウンドを一発ヒットさせる。
 どちらも、スタンド、グラウンドでは一瞬で終わらせることのできるスキルを持っているだけに、試合はお互いの思考が絡み合うものすごい緊張感。会場も静まり返って両者の攻防を見る。
 スタンドになり、カルバンの左ハイがロープに絡まりカルバンが動きを取れなくなると、青木がここぞとばかりタックルを仕掛ける。場所がコーナーということもあり、がぶってテイクダウンを逃れたカルバンは、青木の右肩付近に肘打ちを一発。続けてもう一発肘を放ったところ、カルバン曰く「すべって当たってしまった」と、青木の首筋にヒットしてしまう。ガクッと頭が落ちた青木は、倒れこんでしまい苦痛の表情を浮かべる。

 青木は腕に痺れが生じてしまうほどのダメージを負ってしまい、腕を上げることも難しい。対するカルバンは、罪悪感からかニュートラルコーナーで正座して待つ一幕も。
 結局、中山健児ドクターがリングに上がり「青木選手は首から出て手に通っている神経を損傷してしまい腕が痺れている状態。青木選手の腕が上がらなく、試合できる状態ではないためストップします」と説明。ドクターストップが告げられまでけっこうな時間を要したため、会場は諦めもあったのか「あぁー…」といったため息も少なかった。

 試合の結果としては、偶発的なアクシデントのため「ノーコンテスト」。2回戦に勝ち上がる選手に関しては、主催者が裁定を預かり後日発表ということになった。一夜明け会見でも進展は無く、笹原圭一イベントプロデューサーは「宇野選手の欠場で決まっていない残り1枠の件を含め、遅くとも1週間以内には発表する」としている。
 マイクを持った青木は「観に来てくれたみなさん本当にすいません。やりたいけど腕が上がらないんです」と涙ながらに観客に訴える。そして、「PRIDEがなくなってから一年待ちました。これからも世界最強を目指してがんばります」と続け、DREAM旗揚げ興行は終了した。

◆カルバン「今回は本当に申し訳ございませんでした。試合に関しては、自分のやるべきことはやりました。(なぜ首に肘を打ってしまったのか?)意図的ではありません。すべってしまいました。だから、ルール違反ではないと思っています。
(背中を狙った?)そうです。一発目は(背中の)筋肉に当たって、二発目は(首の)三頭筋に当たってしまいました。肘はそんなに強く当たった感じではなかったと思っています。二発目の肘に関しては完全にアクシデントです。自分もバカではないから、そんな(悪意ある)攻撃はしません。
(相手の印象は?)すごく柔軟性がありました。蛇のように絡みつくやわらかさがあるから、三角絞めなどを狙えるのだと思います。
(待っていた3分間はどんなことを思っていた?)いつでも試合が続けられるよう、気持ちを落とさずにいました。
 ファンがとてもガッカリしているから、リマッチを主催者に申請しています。次は、どっちが強いんだというのを決めたいです」

◆青木「(今日の試合までに)すごく練習をしてきて、試合でも相手の打撃は見えていていい流れでした…。次に関しては考えられない。全くの白紙です。
(肘を受けてからの一連の状況は?)首筋に肘をもらって力が抜けていく感覚でした。腕が上がればドクターがやっていいと言っていましたが、上がらずにストップになりました。
(休憩中、リング外に何かを話している様子だったが?)自分はやりたかったですが、セコンドの中井師範がやらせるわけにはいかないと言いました。自分は中井師範に命を預けているので、その指示に従いました」
 

第9試合
川尻達也(日本/R-BLOOD)
×ブラックマンバ(インド/フリー)
判定3-0 (大橋=川尻/三宅=川尻/小林=川尻)

 川尻は「今回は寝技で一本取る作戦だった」と、徹底してグラウンド狙い。バックからチョーク、サイドから肩固めを狙うも「過去の宇野戦、宮田戦より成長していた」と、マンバの寝技のディフェンスに手を焼く。対するマンバは、下から膝、パンチを当てるなどダメージを与えている量では上だ。
 2Rに入り、ロー、前蹴りを駆使してくるマンバに対し、川尻は左フックを合わせ、その後両足タックルでテイクダウン。上になった川尻はパウンドをさほど打たず、少しずつ有利なポジションへと移動しフィニッシュを狙う。だがマンバのディフェンスを崩しきれず、完全に極めきれない状態が続く。結局そのまま試合は終了し、判定で川尻が勝利したものの、やや単調な試合展開となってしまった。
 選手紹介VTRにて「DREAMのエース」として煽られた川尻。だが、ファンからしたらこのような試合をするエースを望んでいるはずがない。PRIDE武士道時代は、五味隆典という絶対的なエースの背中を追いかけてきた。五味がいないDREAMの舞台で、川尻はどのようなエースになっていくのか。今回の試合を見た限りでは、勝ちに徹する姿勢以上のものが見えなかった。

◆川尻「トーナメントなんで、なんとか生き残れたという感じです。(相手の印象は?)想像していた以上に寝技が強かったです。もっとあっさり極められると思っていました。過去の宇野戦、宮田戦と比べると成長していたと思います。(関節を)取れるチャンスがあったが凌がれてしまい、やりづらいなと思いました。毎試合自分の中でテーマを定めていて、前回(ルイス・アゼレード戦)は殴っていくというテーマで、今回は一本を取るということでした」

◆マンバ「すごくいい試合だったと思います。でも、自分より川尻選手の方がダメージはあったんじゃないか。次、もしまたやる機会があったとしたらKOしなくてはならないんじゃないかと思っています」

第8試合
×アンドレ・ジダ(ブラジル/ウニベルシダージ・ダ・ルタ)
エディ・アルバレス(米国/ファイト・ファクトリー)
1R 6'47" TKO (レフェリーストップ:マウントパンチ)

 この日の出場選手の中で、観客・テレビ視聴者に一番の印象を残したのはアルバレスだろう。他の勝利選手の大半もジダとのこの一戦を一回戦で一番印象が残った試合として高く評価していた。カルバン×青木のトラブルで影の差したDREAM旗揚げ興行だったが、未来への光明を感じさせた。「DREAMの新しい価値観を作り出す」と話す笹原イベントプロデューサーも「ニューヒーローの誕生を予感させるものだった」と評価した。
 序盤はジダのペース。激しくパンチが激しく交錯する中、ジダの右フック2発が命中しアルバレスはダウンをしてしまう。だがそのままガードにはならずタックルで組み付くと上に。押さえ込みつつ体力を回復させる。
 再びスタンドに戻ると、両者アグレッシブなパンチ戦が続くが、次第にジダが体力を消耗。パンチが流れ出し、逆にアルバレスがコンビネーションを駆使して的確に左フックを命中させるように。
 そしてアルバレスはタックルでテイクダウンに成功すると、的確にパウンドや鉄槌を落としつつサイドポジションに。マウントとサイドを交互に繰り返し、何十発もパウンドを落とす。攻撃を続けても続けてもペースが落ちず途切れないところが脅威的だ。ジダは防戦一方となり、最後はマウントパンチの連打でレフェリーストップとなった
 トーナメント優勝有力候補のジダを完膚無きまでに下すとともに、日本の格闘技ファンにも広く名前を伝えることに成功した。試合後はコーナーポスト、ロープから高く上がるバック転を2回。強さと華の両方を存分にアピールした。

◆アルバレス「(試合の感想は?)試合自体は良かった。朝から胸焼けをしていて、薬をもらって試合前には治った。(メジャー大会への参加について?)信じられない気持ち。昨年末はよく練習していたが、なかなかいい試合に恵まれなかった。今後もトレーニングを続けていればいいオファーくると思っていて、今回DREAMに出場できることになった。次回はさらに強くなっていきたいと思う。(試合中はナーバスだった?)緊張するかと思っていたが、リングに上がったらリラックスしていた。これだけのお客さんの前で逆にエキサイトしていのかもしれない。それがそのように見えたのかもしれない。次回はもっとリラックスした姿をお見せします。
(アメリカと比べてレフェリーストップのタイミングは?)以前出場したMARSでもストップが遅かった。相手がダメになるまで打ち続けなければいけないのはわかっていた。プロモーターが、攻めている方も簡単には勝たせないし、ギリギリまで状況を見るようにして、ファンが楽しめるようにそうしているのだと思う」

※ジダは病院へ行ったためノーコメント。診断の結果、鼻骨骨折と判明した。

第6試合
石田光洋(日本/T-BLOOD)
×チョン・ブギョン(韓国/フリー)
判定3-0 (大橋=石田/礒野=石田/足立=石田)

 石田がたびたびタックルでテイクダウンに成功するが、ブギョンは青木も苦しめた得意の下からの腕十字を仕掛け、試合の主導権を握る。だが次第に石田がブギョンのパターンを読むようになると、ブギョンのチャンスが減るように。石田も上からの攻め手に欠け、実質引き分けの内容だったが、テイクダウン数と2Rにブギョンにチャンスを与えなかったことが評価され、辛うじて判定勝ちをもぎ取ることができた。

◆石田「試合は最悪でした。全体的によくなかった。相手の腕十字を意識しすぎたからだと思います。もう少し自信を持ってやればよかった。気持ち的にも不安でした。
(相手の印象は?)フィジカルが強かったです。あと、『絶対に負けない』という気迫がありました。経験を積んだら恐ろしいなと。(スタンドの攻防については?)メレンデス戦みたいなフットワークではなく、今回は相手を見るフットワークでした。相手の前に出る圧力も強くて、思い切っていけなかったです。(試合前に関しては)見えないプレッシャーがあったのかもしれません。自分を忘れてはいけない。今日は観に来てくれた人全員を失望させてしまったので、次の試合で信頼回復できるようがんばりたいと思います」

◆ブギョン「体力的に相手が優れていて、しんどかった。試合運びがうまかったです。テイクダウンで相手にペースを取られてしまい、計画が狂ってしまいました。
(石田が『経験を積んだら恐ろしい選手になる』と評していたが?)今回の試合に向けて打撃の練習もしましたが、成果を出せなかったです」

第5試合
永田克彦(日本/Team Kings・新日本プロレス)
×アルトゥール・ウマハノフ(ロシア/SKアブソリュート・ロシア)
判定3-0 (都鳥=永田/三宅=永田/礒野=永田)

 ウマハノフのスタンドでのプレッシャーを前に、なかなか攻められなかった永田だが、5分近く粘った末にタックルでテイクダウンに成功。だがパウンドの連打をウマハノフが頭を振ってかわし、リバースするとあっさりとマウントを奪ってみせる。とはいえ永田はしっかり下から抱きついて防御。
 2Rに入ると、永田は早々から上になるとがぶりの状態から膝蹴りを頭に連打し好印象を残す。終盤はスタミナを切らしたウマハノフの上からパウンドを落とし続け、なんとか判定勝ちをもぎ取ったが、二回戦以降はプラスαが無いと厳しい戦いになりそうだ。

◆永田「勝てて良かった。次に残ったのはいいんだけど、早く練習したい気持ち。(パウンド以外の練習は?)4点ポジションでの膝蹴りとパウンドの練習をメインにやっていた。(パウンドの感触は?)いい感触はあった。相手のねばりもあって、仕留めきれなかった。相手を仕留められるくらいの威力にしていきたい。
(セコンドのお兄さん(新日本プロレスの永田裕志)は力になったか?)力になるし、いつもハッパをかけてくれる。心強い。(2回戦で対戦したい選手は?)進むのはうれしいが、大変な事になったなって。生き残りをかけた試合をしたい。(兄の声は聞こえたか?)甲高いので聞こえた(笑)(試合前、婚約者とは話した?)電話と宿泊しているホテルで。すごく心の支えになる。今日もうちの両親と観戦しにきている」

◆ウマハノフ「(試合の感想は?)疲れました。(対戦相手の印象は?)身体的に強い選手でした。寝技の時はつらかった。今日はあまりうまくいかなった」

第4試合
×宮田和幸(日本/フリー)
ルイス・ブスカペ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム)
1R 7'37" チョークスリーパーホールド

 宮田が豪快な投げでたびたび上になるが、柔術ベースのブスカペが下から足を効かせて宮田に攻め手を与えず。ブスカペはスタンドに戻って強引にテイクダウンに成功すると、がぶった状態からの頭部への膝蹴りで流れをつかみ、最後はチョークを極め完勝した。

◆宮田「(試合の感想は?)打撃メインで練習してきて、組み付かれて自分の技が出せなかった。(グラウンドで上になる場面もあったが)下からの圧力があったので、そんなに余裕はなかった。首投げを仕掛けて着地のときに膝が一瞬外れてしまった。レスリングの時からの古傷で。それから動き悪くなってしまった。それより寝技の圧力があったので言い訳にはできない。(敗因は?)スタミナとか少しはそういう原因もあると思う。(寝技の練習は?)今回も前回も一本を取られてしまったが、そこそこやれる自信はあった。(試合中に)膝蹴りが効いていしまったり、スタミナやルールの問題もあって打撃の練習を優先してやっていた。」

◆ブスカペ「最高の気分です。(チョークは作戦?)確かに作戦の一つ。厳しい相手だったが極められてよかった。(パウンドを封じる練習をしていた?)オリンピック選手だから、テイクダウンされてパウンドの防御や下から(仕掛ける)の練習も想定してやっていた。(2回戦で一番の強敵は?)どの選手も強いので誰ってことはない。戦う事が好きだから、この次もいい試合がしたい。」

第3試合
ヨアキム・ハンセン(ノルウェー/フロントライン・アカデミー)
×朴 光哲(日本/KRAZY BEE)
判定3-0 (三宅=ハンセン/小林=ハンセン/大橋=ハンセン)

 試合はハンセンが左ストレートで朴を倒すと、バックを奪い試合のペースを握る。下になっても、立ち上がろうとする朴に対し、かかとを掴んでバランスを崩させ、上のポジションを取るうまさを見せる。そして再びバックを奪ったハンセンは、正面に向こうとした朴の動きに合わせ、腕十字、三角絞めと流れるように仕掛ける。三角絞めに関してはキャッチを奪うも極めることができずスタンドに。打ち合いの中で、ハンセンが左ストレートでプレッシャーをかけて主導権を握る。
 2Rに入っても、左ストレートから組んで膝を当て、最後にはぶん投げて上になるハンセン。パワーの違いもまざまざと見せ付ける。
 スタンドに戻り、朴がワンツーを当てるとハンセンは「もっと打ってこい!」と挑発。その後ハンセンはすぐに左ストレートをお返しして朴からダウンを奪い、試合を決定付けた。

◆ハンセン「相手のパンチで何度かKOされそうになった場面もありましたが、最終的には自分が勝って、会場も沸かせることができてよかったです。ホッとしています。
(二回戦は誰と戦いたい?)誰とでもやるのが自分のスタイル。ファンが、『この人と戦ってほしい』という相手と戦いたいです」

◆朴「タフな試合でした。パンチが痛かったです。ハンセンの方が場慣れしていて、呑まれてしまった感じですね。(腕十字で危ない場面があったが?)三角十字を狙ってくるとわかっていたので、危なくはなかったですが、やられてもおかしくない技でした。スタンドに関しては相手強かったです。自分はジャブを突いて、ストレートを当てていきたかったですが、距離がハンセンでした。2Rにダウンっぽいパンチをもらってしまって、(負けは)しょうがないかなと。(試合後KIDからは何か声を掛けられた?)KIDさんからは優しい言葉を掛けられてしまったので、引退も含めて今後の身の振りを考えていきたいと思います」

[ワンマッチ]

第7試合 ヘビー級(+93.1kg) 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
ミルコ・クロコップ(クロアチア/チーム・クロコップ)
×水野竜也(U-FILE CAMP登戸)
1R 0'55" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

 水野がバックブローやパンチで積極的に攻めるが、ミルコは組み付くと、首相撲からの膝蹴りを顔面めがけて2発。水野はブロックするが、完全に圧力負けしてしまい、ミルコがさらに左右のフックをガードの隙間からねじこむと水野はダウン。ミルコがパウンドを連打するとレフェリーが試合を止めた。
 ミルコはマイクを持つと「水野よりも強い選手がオファーを断った中、水野は2週間前にも関わらずオファーを受けてくれたことを感謝したい。次はもっと強い選手と戦いたい」とアピールした。

◆ミルコ「(試合の感想は?)満足している。彼がグラウンドに持込むと言っていたので、試合前のアップではグラウンドばかりしていた。打撃で来たので驚いた。もう少し試合を楽しみたかった。(入場の時、手拍子で迎えられてたが?)幸せでした。戻って来たんだという感じだった。
(今後の対戦相手は?)次はじっくりと対策を立てる時間があれば。プロモーターが決める相手と試合をする。(圧勝でUFCでの連敗は払拭できたか?)とにかくメンタルの部分の問題でUFCでは無様な姿をみせた。メンタル面さえしっかりすれば問題ない。厳しくトレーニングしてきたから立ち直ることができた。体重についても(あまり増えていなったが)トレーニングの結果だから気にしていない。
(継続参戦については?)もちろん。日本はセカンドホームだから、いろいろな思い出がある。ここで戦えることが嬉しい。(元の調子に戻ったか?)12年前にK-1の練習中に鼻骨を骨折して、右からは50%しか呼吸ができなかった。今まで試合中に口が開いていいたのはそのため。治すには手術しかなかったので、昨年行いました。これからは目標に向かってまっしぐらです」

◆水野「(試合の感想は?)自分の無力さにがっかりしている。やり直しだなと思いました。(相手の圧力は?)下がらないとういう気持ちだったが、下がってしまった。組に行ったとき体の強さを感じた。その後は覚えていない。(決まってから今日までの気持ちは?)不安と嬉しさがごちゃごちゃしてて、だんだん嬉しい気持ちが強くなった。負けてしまったが、またチャンスがあれば挑戦したい。(右フックが効いた?)たぶん。パンチを食らっても脳が揺れない自信があったがすごいダメージだった。なにが当たったのかわからない。(まだ続けられたか?)審判のジャッジだから。やれたやれないとかそういうものではない。」

第2試合 ウェルター級(76kg) 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
桜井“マッハ”速人(日本/マッハ道場)
×門馬秀貴(日本/和術慧舟會A-3)
1R 4'12" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

 マッハが左ミドルを効かせた後、首相撲からの膝蹴り連打で先手。門馬はグラウンドに引き込んで防御し、すぐさま足を昇らせ得意の三角絞めを狙う。だがマッハはしっかり防御しスタンドに戻す。門馬もパンチを当て、緊張感あふれる打撃戦に突入するが、制したのはマッハ。カウンターの左フックを門馬の首筋あたりに叩き込むと門馬は腰からくずれダウン。マッハがパウンドを連打し続けると、レフェリーがストップしたが、元PRIDEのレフェリーが裁いたせいか、ストップが遅く感じた。

◆桜井「(試合を終えての感想は?)ホッとしている。慧舟會対マッハ道場なんて紹介VTRで言われていたから緊張した。(相手の攻撃に関しては?)三角絞めや十字がうまい選手。手足が長いってのもあるかな。もちろん、それは警戒していた。打撃も思ったより際どい攻撃だったからびっくりした。逆にそういうふうに来てくれほうがやりやすい。(ウェルター級(76kg)GPがあったらチャンピオンになりたいか?)もちろんそのつもり。本来のウェイトだし。PRIDEでは減量とか厳しいときもあったけど、ここで本領発揮していきたい。」

◆門馬「(試合の感想は?)すごく残念な気持ちでいっぱいです。(敗因は?)打撃な得意な桜井選手に対して、打撃でいこうという作戦だったけど、準備が足りなった。この先、打撃の強い選手とやることもあると思うので、同じ結果にならないように練習していきたい」

第1試合 無差別級 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
ミノワマン(日本/フリー/89.0kg)
×イ・グァンボム(韓国/清州韓国ファイトクラブ/131.0kg)
1R 1'25" 膝十字固め

 いつも以上に長いタメを作って入場したミノワマン。前転受け身を2度繰り返した後、右フックを当てると、タックルでテイクダウン。グラウンドになり膝十字を仕掛けると、グァンボムは全く防御できず、あっさりとDREAM初の試合は終わった。

◆ミノワマン「(試合の感想は?)第1試合、DREAM初の試合という使命は果たせたと思う。(相手の攻撃で注意した事は?)体重差とパンチ、キックの威力には注意した。(フィニッシュの膝十字は狙っていた?)膝十字にこだわっていたわけではないが、関節技を狙っていた。(試合のテーマであった『初夢の巻』はどうだったか?)大晦日に負けて正月から2月までは真っ暗だった。明日からやっと春が来る感じです。」

◆グァンボム「(試合の感想は?)楽しかった。(ミノワマンの印象は?)私自身が好きな選手でもありますし、最高の選手でした」


Last Update : 03/16 22:55

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