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(レポ&写真) [全日本キック] 1.4 後楽園:望月が70'sトーナメント優勝

全日本キックボクシング連盟 "New Year Kick Festival 2008 〜 70's 全日本キック中量級最強決定トーナメント・決勝戦 〜"
2008年1月4日(金) 東京・後楽園ホール  観衆:2,070人(超満員札止め)

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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◆ 70'sトーナメント(70kg契約)

第3試合 Bブロック準決勝 3分3R(延長1R)
×レイ・スターリン(オランダ/KBアーネム/WFCA世界ミドル級王者)
○望月竜介(U.W.F.スネークピットジャパン/全日本スーパーウェルター級1位)
2R 1'30" KO (左ローキック)


 前日計量で「作戦通りに戦って勝ちたい」と話していた望月。開始すぐから師匠の大江慎氏の指示どおり、左のインローと左のミドルを交互に打つ攻撃を徹底。するとこれが1Rから見事にハマり、1R最後にはスターリンは右足から崩れスリップ。2Rに入ると望月の左ローにスターリンは悲鳴をあげ、2度目のダウンを喫したところで立ち上がれなくなった。

第4試合 Aブロック準決勝 3分3R(延長1R)
×山内裕太郎(AJジム/全日本スーパーウェルター級王者)
○白虎(和術慧舟會RANGER品川ジム/全日本スーパーウェルター級3位・元NKBウェルター級王者)
4R 判定1-2 (梅木9-10/和田10-9/朝武9-10)

3R 判定0-1 (梅木30-30/和田29-30/朝武30-30)

 山内は1R、左右のボディストレートをうまく当てリズム良く攻める。だが2Rに入ると白虎の右ストレートが山内の顔面を捉える場面が増え、3Rには山内がクリンチで逃れるように。
 3Rは白虎がポイントを取っていても不思議では無い内容で、その流れは延長になっても変わらず。山内は肘も多用しつつ、頭を近づけての決死の殴り合いを強行。元プロボクシング日本3階級王者の前田宏行との練習の成果の発揮が期待されたが、パンチ戦での白虎の優位は変わらず。白虎がクリーンヒット数で勝り、下馬評を覆すとともに、1年前に敗れた山内へのリベンジに成功した。

第8試合 決勝 3分5R(延長1R)
×白虎(和術慧舟會RANGER品川ジム/全日本スーパーウェルター級3位・元NKBウェルター級王者)
○望月竜介(U.W.F.スネークピットジャパン/全日本スーパーウェルター級1位)
2R 1'47" KO (3ダウン:右ローキック)

※望月が優勝。優勝賞金200万円とKO賞10万円を獲得

 4R山内と殴り合った白虎は、顔面が腫れ上がり痛々しい姿。スタミナも考慮するとパンチの速攻を仕掛けるかにも思えたが、その前に望月が強烈な蹴りで白虎を撃沈した。師匠の大江氏の決勝の指令は、右のローと前蹴り。スターリン戦とは蹴り足が逆だが、特にローの精度と威力が増しており、1R中盤過ぎから白虎はぐらつくように。1R残り1分から右ローで2ダウンを奪い、2Rにも右ローで3連続ダウンを奪い完勝した。
 試合後の望月は「山内選手に1年前のタイトルマッチで負けて悔しい思いをしたけど、もう一度挑戦させてください」とマイクアピール。両者の再戦は必至だ。

◆望月「山内選手に負けてから1年、精神的に強くなれました。教えてくれた先生と応援してくれたみんなに感謝したいです。
 今日はセコンドの指示どおりに動くことが第1のテーマでした。スターリン戦では完璧じゃないけど、徹底して練習したとおり、左ミドルと左ローを出せました。優勝よりもスターリンに勝つことが大事だったんで、練習ではスターリン対策しかしていませんでした。決勝の対策を大江さんに言われたのは決勝の前です。準決勝で蹴っていた左足にダメージがあったので、残っていた右足で蹴りました。
 山内選手にリベンジしてチャンピオンベルトを穫りたいですね。僕も31歳なんでベストコンディションのうちに戦いたいです。賞金は家族のために使います。父親は昔整体関係の仕事をしていて、昨日から泊まり込みで僕の体をケアしてくれました。僕は金銭的な欲は無く、ベルトを穫る事を目標に毎日苦しい練習をしているんで」

◆白虎「悔しいですね。絶対ローは狙ってくると思ってたけど、ローに付き合ってしまった。決勝はスターリンと思っていました。山内選手には絶対に借りを返すつもりだったけど、優勝しなきゃ意味が無い。今、全日本で3位なんで、次はベルトが目標ですね」



◆ その他の本戦のカード

第7試合 全日本フェザー級タイトルマッチ 3分5R
○山本真弘(藤原ジム/王者)
×水落洋祐(はまっこムエタイジム/3位)
4R 2'50" KO (3ダウン:左ハイキック)

※山本が初防衛

 60kgトーナメント・KICK RETURN優勝者の真弘が横綱相撲を繰り広げたが、水落も驚異的なタフネスで強い印象を残した。
 1Rから真弘はサウスポーの構えでリズム良く左ストレートや左ミドルをヒット。水落も重みのある右ミドルで応戦するが、次第に真弘は手数を増やし、2R終盤に至近距離からの左の飛び膝蹴りを水落の顔面に叩き込み、最初のダウンを奪う。
 3Rも真弘が怒濤の左ミドル連打で水落を苦しめるが、水落は倒れず。4R、真弘はようやく左ミドルでダウンを奪い、続けて左ハイキックで2連続ダウンを奪い、粘る水落をマットに沈めた。

第6試合 NAOKICK試練の七番勝負・第一戦 60kg契約 3分5R
○石川直生(青春塾/全日本スーパーフェザー級王者)
×ファイヤー原田(レグルス池袋/J-NETWORKライト級4位)
2R 2'41" KO (3ダウン:右ハイキック)


 石川が試練の七番勝負のスタートを幸先良く切った。恒例のファイヤーの開始早々の接近ダッシュを、石川は飛び膝蹴りで迎撃。これは当たらなかったものの、ファイヤーを首相撲につかまえると左膝蹴り、離れると左ミドルを着実に当てる。ファイヤーも必死の形相で右のアッパーやローキックで応戦するが、石川は冷静に対処。そして2R中盤、強烈な左ミドル一発でダウンを奪取。うずくまったファイヤーは10カウントギリギリで立ち上がり、気合いの雄叫び一発。場内は一気にヒートアップするが、石川は膝蹴りの連打で再びダウンを奪い、最後は華麗なジャンピングハイキックでファイヤーを撃破した。
 勝利者賞のプレゼンターとなった七番勝負の仕掛人・小林聡GMも、石川の試合内容に満足げな笑顔。第二戦は2月9日の新宿FACE大会。一皮むけた感のある石川が、歌舞伎町でも爆発するか?

◆石川(マイクアピール)「全日本キックは去年の代々木大会が終わってから始まったんだと思っています。今年はどんどん突っ走るんでよろしくお願いします」
(インタビュー)「今日はファイヤー原田の火を消せたので合格。自分の変化もお客さんに伝えられたと思います。元々得意な肘・膝をベースにしつつ、色んな技を出せました。藤原祭りのあらし×前田もそうだけど、全日本キックの選手はみんな技術が上がっているから僕も負けられない。(同門の)優弥から「試合が素直すぎる」と指摘されて色々考えながら戦うようになり、今日もセコンドとキャッチボールしながら試合ができました。でもまだまだ発展途上。次は2月なんで休んでいる暇はありません。蹴った左膝がちょっと腫れた程度なんで、1週間後からまた練習します。今年はキックと心中するつもりで頑張ります」

第5試合 バンタム級 3分3R(延長1R)
×菊地 慧(藤原ジム/5位)
○瀧谷渉太(WSK/桜塾/全日本新空手軽量級'07王者)
2R 1'46" KO (3ダウン:左ハイキック)


 瀧谷が1R終盤の右ハイでのダウン奪取をきっかけにペース。2Rに右の前蹴りでダウンを奪うと菊地はフラフラで、さらに瀧谷が右ストレートと左ハイでもダウンを奪い圧勝。藤原ジムのホープも難なく撃破し、プロデビュー以来の連続KO勝ちを4に伸ばした。

第1試合 ライト級 3分3R
×渡部太基(藤原ジム)
○青津潤平(NPO JEFA)
判定0-3 (29-30/29-30/29-30)

◆ オープニングファイト

第3試合 フェザー級 3分3R
△KOTARO(SOUL GARAGE)
△大前力也(WSK/KSS健生館)
判定0-1 (29-30/29-29/30-30)

第2試合 スーパーウェルター級 3分3R
×丸山弘通(SOUL GARAGE)
○ハイン・ディオ(チャモアペット)
判定0-3 (26-30/26-30/25-30)

第1試合 フェザー級 3分3R
○金谷隆洋(AJジム)
×石井振一朗(チャモアペット)
3R 0'49" TKO

Last Update : 01/05 14:41

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