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(レポ&写真) [ケージフォース] 12.1 ディファ:ウマハノフ&吉田王者に

GCMコミュニケーション "CAGE FORCE 05"
2007年12月1日(土) 東京・ディファ有明

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

  ■テレビ放映:テレビ東京 12月29日(土)深夜25:30〜26:25(予定)


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第8試合 CAGE FORCEライト級王座決定トーナメント決勝戦 5分3R
×朴 光哲(KILLER BEE/修斗ウェルター級(70kg)環太平洋元王者)
アルトゥール・ウマハノフ(ロシア/SKアブソリュート・ロシア)
判定1-2 (池田=ウマハノフ/芹澤=朴/豊永=ウマハノフ)

※ウマハノフが初代王者に

 朴は1R序盤、ウマハノフのタックルを潰してサイドを取ると、マウントに移行しようとするが、すぐさまウマハノフは返して上に。スタンドに戻っても、ウマハノフは朴の突進をかわしながら右フックを的確にヒットさせ、朴のまぶたをカットする等、試合を優位に進める。上段後ろ回し蹴りのような大技でも観客を驚かせる。
 2Rも同じようにウマハノフがパンチを当てる。朴は再びウマハノフのタックルを潰してバックを取りかけるが、これもウマハノフが返してしまう。いつもは相手の試合ビデオを研究しないというウマハノフだが、SKアブソリュートの松本天心総帥によると、今回は特に朴が立ち上がろうとする動きへの対処に重点を置いたという。ウマハノフの得意のパウンドも封じられてはいたが、3Rも再三ウマハノフがタックルで倒して上のポジションをキープしており、印象は悪くない。
 その都度こう着状態に陥りブレイクがかかると、スタンドでは互いのフックが何度も交錯する壮絶な打撃戦が繰り広げられ、超満員の観衆から歓声と溜め息がわき出る。朴も左のパンチを当てるが、威力ではウマハノフの右のパンチが若干上。3R中盤の打ち合いでは、朴の腰が一瞬落ちる場面も。
 朴も終盤に右の膝蹴りを命中させるが、最後もマットを背にしたまま終了のブザーを聞く事に。ダメージに大差が無かったため判定が割れたが、次の評価基準のアグレッション、コントロールで上回ったウマハノフに軍配。八角形のケージをあしらった新しいベルトを腰に巻いた。

 ウマハノフが下馬評通りに優勝を果たしたが、今回同様、判定2-1で勝利した6月の二回戦の美木航戦以降、その道のりは険しかった。
 7月にHERO'Sに急遽出場し、アンドレ・ジダに不用意にノーガードで勝負に挑み1R TKO負け。しかし松本総帥も「ジダ戦の次の準決勝の鹿又戦から、ジャブを効果的に使うようになった」、ケージフォース・アドバイザーの宇野薫も「得意のパウンドが見切られるようになってくると、戦い方を変えたのが勝利につながった」と評するように、荒削りだったファイトスタイルが次第に洗練されてきた。ジダ戦の痛恨の黒星が無ければ、ひょっとすると今回の優勝も無かったかもしれない。
 生き残るためなら、自分の欠点を冷静に認め、すぐさま軌道修正する。相手の危険領域に踏み込まず、自分のチャンスになれば一気に行く。ロシア軍特殊作戦部隊スペツナズで培ったであろうサバイバル術と、今年3団体計4本のチャンピオンベルトを手にしたSKアブソリュート流の総合技術が融合し、今回のベルトという成果につながったともいえよう。トーナメント開幕前に煽られたいわゆる「ウマハノフ幻想」は薄れたが、トーナメントを経て、ウマハノフの芯の強さを知る事ができた。
 今後の目標は、HERO'Sでのジダへのリベンジと、ケージファイトの本場・UFC参戦。これらをウマハノフがどうクリアしていくか今から楽しみだ。 

第7試合 CAGE FORCEウェルター級王座決定トーナメント決勝戦 5分3R
吉田善行(東京イエローマンズ)
×ダン・ハーディー(イギリス/ラフハウス・ジム/ケージウォリアーズ-73kg級王者)
2R 0'04" 反則失格 (ローブローによる続行不可能)

※吉田が初代王者に

 準決勝まで3試合を1R KOで制してきた吉田。柔道仕込みの投げで豪快にハーディーを倒すと、そのままガッチリと袈裟固めで押さえ、サイド、バックとポジショニングでも優位に立つ。その後は下になるが、反撃のチャンスを与えず、幸先良いスタートを切ったが、2R開始早々、ハーディーのローキックが股間を直撃。回復のために休憩が設けられたが、ドクターストップがかかり、無念の反則勝ちとなった。吉田はベルトを巻くこと無く、担架で病院へ運ばれた。
 宇野アドバイザーは吉田戦の結果について「残念。どこかで再戦なのかいい形で試合ができれば」と発言。王座のできた2階級について「ランキングは無くても、UFCのように何となく選手に順番ができ、チャンピオンとぶつかるようになれば」と展望を語った。

第6試合 57kg契約 5分3R
漆谷康宏(和術慧舟會RJW/修斗バンタム級(56kg)世界1位)
△ジェシー・タイタノ(米国/Ground-Fu:SPIKE 22 PUREBRED)
判定1-0 (豊永=漆谷/松本=ドロー/梅木=ドロー)


 タイタノは時折突発的に前進し、左右のパンチを速射砲のように連打。漆谷はその都度真後ろに下がってしまい、1R中盤に右フックをもらいダウンしてしまう。ダメージはさほどなかったが、印象は悪い。2Rに入ると、漆谷が1Rから打っていた右ローが効き目を発揮し、膝と肘のラッシュでタイタノを追いつめるが倒しきれず。3Rはタイタノの再三のタックルをさばくことに時間を費やし、痛恨のドローとなってしまった。

第5試合 ライト級 5分3R
廣田瑞人(GUTSMAN修斗道場/修斗ウェルター級(70kg)世界7位)
×シン・ドゥギ(韓国/CMA KOREA)
1R 0'16" KO (右フック)


 開始早々、廣田は左フックを当てると、シンを金網に追いつめて右フックをクリーンヒットし、見事秒殺KO勝利。初のケージを味わう前に試合が終わったものの、今年復帰後初白星を勝ち取った。

第4試合 バンタム級 5分2R
大沢ケンジ(和術慧舟會A-3/修斗フェザー級(60kg)世界6位)
×パンチィー山内(総合格闘技道場コブラ会)
判定3-0 (梅木=大沢/松本=大沢/池田=大沢)


 グラップラーのパンチィーは引き込みを多用し、度々ガードポジションに。下からの蹴り上げを狙うため、大沢は思うようにパウンドを落とせない。スタンドでも右ボディを連打する等、大沢が優位な場面を度々作ったが、持ち味の“熱い試合”はできなかった。

第3試合 バンタム級 5分2R
水垣偉弥(シューティングジム八景/修斗フェザー級(60kg)世界8位)
×小塚誠司(格闘サークルOZ)
判定3-0 (芹澤=水垣/松本=水垣/梅木=水垣)


 水垣がパンチラッシュとテイクダウンしてからのパウンドで、終始優位を維持し完勝。だが最後の詰めが甘く、TKO勝ちのチャンスを度々逃してしまった。

第2試合 ライト級 5分2R
ISE(PUREBRED大宮)
飯田崇人(和術慧舟會A-3)
判定0-0 (芹澤=ドロー/松本=ドロー/豊永=ドロー)


 ISEが左ジャブを振りつつ、ボディと顔面に右ストレートを的確にヒット。1R中盤には左ストレートを皮切りに、パンチ連打とパウンドのラッシュで勝利に多いに近づく。しかし飯田は足関を仕掛けてリバースすると、パウンドラッシュで反撃。2Rもテイクダウンして上になり、スタンドでも右ローを当てる。ISEも左ストレートを当て一進一退の展開。ドローに終わったものの、両者の気迫が真正面からぶつかり合う好勝負となった。

第1試合 ミドル級 5分2R
内藤征弥(和術慧舟會A-3)
×佐藤豪則(チーム桜畑)
1R 4'45" TKO (ドクターストップ:膝蹴りによる鼻のカット)


 序盤下になった佐藤だが、内藤の顔を蹴り上げて脱出すると、タックルに来た内藤をギロチンで捕獲。ほどけるとバックに周りパンチ、離れてもパンチで内藤を追い詰める。しかし内藤が膝蹴り一発で佐藤の鼻の上を切り裂き、見事逆転勝利。とはいえ途中まで劣勢のため、内藤に笑顔は無かった。

◆ プレリミナリー・ファイト(肘打ち禁止)

第3試合 フェザー級 5分2R
×荒川裕志(KILLER BEE)
川原誠也(P's LAB横浜)
判定0-3

第2試合 ライト級 5分2R
太田純一(GOKITA GYM)
×滝田浩史(シューティングジム八景)
判定3-0

第1試合 バンタム級 5分2R 
遠藤大翼(和術慧舟會駿河道場)
×桑原宏幸(TWIST)
1R 2'52" TKO

Last Update : 12/02 16:24

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