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(レポ) [UFC 78] 11.17 米国:郷野、一本賞600万円獲得。長南黒星

Zuffa "Ultimate Fighting Championship 78 - VALIDATION"
2007年11月17日(土) 米国ニュージャージー州ニューアーク・プルデンシャルセンター

  レポート:フェルナンド・アヴィラ(BoutReview USA) 【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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第1試合 ウェルター級 5分3R
×タムデン・マックローリー(米国)
郷野聡寛(日本/GRABAKA)
2R 3'19" 腕ひしぎ十字固め


 1R、郷野はローキックを当てて様子見。長身のマックローリーが首相撲で郷野を捉えると膝蹴りの連打。郷野はこの首相撲に4分近くつかまり、そのままラウンド終了。明らかに1Rはマックローリーの優勢だ。
 しかし冷静さを失わなかった郷野は2R、右フックでダウンを奪うとそのままマウントポジション。そこからパウンドを落して、マックローリーが逃げようとしたところで腕十字を極めた。
 郷野にとって念願の“メジャーリーグ”での白星も当然うれしいはずだが、「ガッポリ稼いで新しいジャージでも買ってきたい。これがホントのニュージャージー」と語っていた彼にとって、それ以上にうれしいと思われるのが、 大会で最も素晴らしい一本勝ちをした選手に贈られる「タップアウト賞」の5万5000ドル(約600万円)のボーナスだろう。
 去年からオクタゴンデビューをしている日本人選手の中でボーナスを手にしたのは、4月のフロリアン戦で最高試合賞を受賞した三島のみ。その時はタップアウト賞、KO賞、そして最高試合賞もまだ1万5000ドルだったが、それが大会ことに額が跳ね上がって、半年少々で約4倍にまで高騰している。アメリカでのUFCの人気を象徴しているエピソードだが、それで選手のモチベーションが上がり、面白い試合が増え、さらにファンのUFCへの熱が高まり、スポンサーも増えれば、賞金はまた上がる。この循環がうまくいくのなら、UFCにとってこの賞金もローリスクハイリターンな投資なのかもしれない。

(※BoutReview USAに、今回の試合前に収録した郷野の英語版インタビューが掲載されています。)


第7試合 ウェルター級 5分3R
カロ・パリシャン(アルメニア/ゴーゴーズ)
×長南 亮(日本/チームM.A.D/DEEPミドル級(82kg)王者)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)


 1R、ローキックとパンチでアグレシッブに前に出る長南。蹴り足をすくわれて下になると、カロがパウンドや肘を落とすが、長南はこれを完璧に防御しクリーンヒットを与えない。スタンディングに戻り、ここでローキックでペースを掴もうとする長南だが、フェンスに押し込まれ再びテイクダウンを奪われる。しかし下になってもまったく決定打を許さない。
 2Rも同じような展開。長南もどんどんローキックとパンチで前にでるが、カロもこれに応戦。カロはフェンスに押しつけてから得意の払い越しや内股を狙うが、これは長南が腰を落し重点を低くすることで完璧に防御。しかしラウンド終盤、またしてもローキックを放ったところ、蹴り足をすくわれ下になる。カロは上からパンチと肘を落すがこれも長南が冷静にガード。
 決定打はもらわないものの、守勢が続く長南。3R、裏拳なども見せ何とか突破口を開こうとするが、カロに距離を詰められてフェンス際での押し合いになってしまい、そのまま試合終了。全ラウンドのポイントを取られ判定3-0で敗れた。


第9試合 メインイベント ライトヘビー級 5分3R
×マイケル・ビスピング(英国/ウルフスレアージム)
ラシャド・エヴァンス(米国/ジャクソンズ・サブミッション・ファイティング)
判定1-2 (29-28/29-28/29-28)


 エヴァンズは開始早々にパンチのラッシュ。どんどんパンチで距離を詰めてフェンスまでビスビングを追い込むと、押し付けてからタックルでテイクダウン。パウンドを落すが、ビスビングはこれを冷静に対処。決定打を与えない。スタンディングに戻ってからもエヴァンズはビスビングの蹴りを足を掴むと再びグラウンドに持ち込み、今度は上からボディへいいパンチを数発食い込ませる。
 2ラウンドもエヴァンズがいきなりタックル。これをビスビングは一度を切るが、そのままま右足を離さなかったエヴァンズが結局テイクダウンを奪う。しかしエヴァンズの勢いもここまで。明らかにスタミナがなくなってきたエヴァンズに対して、まだピンピンしているビスビングは下からもエルボーやパンチで応戦。スタンディングに戻ると、今度はパンチでビスビングがペースを握る。
 最終ラウンドもエヴァンズはパンチで前に出るとタックルに入りテイクダウン。また下になってしまったビスビングだが、今度はこれをリバース。上になってパウンドを落すがこれはエヴァンズも防御。またスタンディングに戻りお互いに互角の打ち合いになるが、ラウンド終盤、エヴァンズがまたしてもテイクダウン。これが決めてとなった感がある。
 判定はスピリットでエヴァンズの勝利。レスリングスキルの違いが勝敗を分けた。


第8試合 ライトヘビー級 5分3R
チアゴ・シウバ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)
×ヒューストン・アレクサンダー(米国)
1R 3'25" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 3人の娘と3人の息子を育てるシングルファーザーのヒューストン。最近アメリカのメジャーのマスコミにそのパパぶりが取り上げられ、一気に知名度がアップし、観客の人気は集中したが、試合はシウバの圧勝劇だった。スタンディングでの打ち合いを避けたいシウバは、開始早々組み付きヒューストンの打撃を完璧に封じると、そのままグランドに倒しマウントを奪いパウンドの嵐。いい攻撃が数発顔面に入ったところでレフェリーが試合をストップした。


第5試合 ライト級 5分3R
フランク・エドガー(米国/リノ・ファイトチーム)
×スペンサー・フィッシャー(米国/ミレティッチ・マーシャルアーツ)
判定3-0 (30-27/30-27/30-26)


 エドガーがレスリング技術とスタミナでフィッシャーを圧倒。全ラウンド常にタックルでテイクダウンを奪い、ハーフガードからのパウンド、そして横四方から肘などでフィッシャーに何もさせない形で完勝した。
 一度もマウントがとれなかったのと横四方からフィニッシュに繋げられなかったのは課題だが、タイトル戦の5Rでもバテないと思われるスタミナは脅威。シャークの薬物問題で混迷するライト級戦線に今後風穴をあけるか注目だ。


第6試合 ミドル級 5分3R
×ジョー・ドークセン(カナダ/チーム・エクストリーム)
エド・ハーマン(米国/チーム・クエスト)
3R 0'39" KO (右フック)

第4試合 ウェルター級 5分3R
×クリス・ライトル(米国/インテグレイテッド・ファイティング)
チアゴ・アルベス(ブラジル/アメリカン・トップチーム)
2R 終了時 TKO (ドクターストップ:パンチによる左まぶたのカット)

第3試合 ライト級 5分3R
×ジェイソン・ラインハルト(米国/ミレティッチ・マーシャルアーツ)
ジョー・ラウゾン(米国/リアリティ・セルフ・ディフェンス)
1R 1'14" チョークスリーパー

第2試合 ライト級 5分3R
×ルーク・カウディーリョ(アメリカ/ミレティッチ・マーシャルアーツ)
マーカス・アウレリオ(ブラジル/アメリカン・トップチーム)
1R 4'29" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


Last Update : 11/19 11:16

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