(レポ&写真) [FCC] 11.10 米国:闘心の田上が判定勝ち。熊澤完敗
フリースタイル・アカデミー "フリースタイル・コンバット・チャレンジ(FCC)31:Road to The Land of The Rising Sun" 2007年11月10日(土) 米国ウィスコンシン州ケノシャ・アイスリンク
レポート:シュウ・ヒラタ(BoutReview USA) 写真:Steve JANIAK 【→カード紹介記事】 【→掲示板・総合スレッド】
第10試合 メインイベント ライト級(155ポンド/約70kg) 5分3R ○ニック・アガラー(米国/フリースタイル・アカデミー) ×熊澤伸哉(闘心) 1R 2'25" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
試合開始早々いきなりアガラーは右のハイ。熊澤はこれを左手でブロックしたかにみえたが、そのままアガラーの爪先が熊澤の左頭部にヒット。これでグラッときた熊澤はそのまま本能でタックルに入るが、これはアガラーに切られる。すぐに立ち上がった熊澤は再びタックルに入るが、これもアガラーに完璧に切られる、そのまま上になるとパウンドを浴びてしまう。熊澤はすぐに足をとりにいったがこれもアガラーに潰され、結局はバックマウントから頭部へパウンドの嵐を浴びてしまいレフェリーストップ。アガラーの圧勝劇となった。
第9試合 セミファイナル ライト級(155ポンド/約70kg) 5分3R ○セルジオ・ゴメズ(米国/フリースタイル・アカデミー) ×ブレント・ローズ(米国/ケージレージ) 2R 0'18" TKO(レフェリーストップ/戦意喪失)
セルジオ・ゴメズは今年の5月に複数試合契約を結んだWECに参戦。そのWECデビュー戦ではパンチの嵐で押しまくり、KO寸前まで相手を追い込んだが最後にフロントチョークで捕まり初めての黒星を喫してしまった選手。このフリースタイル・アカデミー70キロ以下期待のホープにとって、プロ戦績が定かではないこのローズとの試合は明らかに調整試合。 それなのにゴメズは初めから物凄いスピードで左右のフックを振り回し、開始早々ダウンを奪いその上からパウンドの雨を降らせたが、勢いのあまりに親指を骨折。そこから明らかにペースが落ち、ローズのガードにやや手こずり1ラウンドで片付けなくてはいけない相手にずるずると試合を延ばされラウンド終了。 それでも最後は豪快な右フックでローズをリング外に吹き飛ばし戦意喪失によるTKO勝ちを収めたが、この試合で弾みをつけ来年はWECへ再びチャレンジするつもりだったゴメズにとって、骨折という思わぬアクシデントは調整し勝ち星を得ることと比較しても遥かに痛い。 来年の見通しがたたなくなりガックリときているかと思いきや、本人は「どうせ2月までWECは大会がないから」とラテン系独特のポジティブ・モード。背丈が低いので65キロ以下でのWEC再チャレンジも検討中との事だ。
第8試合 140ポンド(約63.5kg)契約 5分3R ×ハエンダー・“キュービータ”・ロドリゲズ[Haender "Cubita" Rodriguez](キューバ/アメリカン・トップチーム) ○田上洋平(闘心) 判定0-3
1ラウンド前半は、ATT軽量級選手たちの中でも屈指のハードパンチャーとして知られているロドリゲズがパンチと首相撲からの膝蹴りで主導権を握る。相手のアグレシッブな攻撃に耐えた田上も首相撲から負けずに膝蹴りを繰り出し応戦。 2ラウンドはグラウンドに持っていった田上のペース。2ラウンド終了約1分前には腕十字でロドリゲズを捉える。左腕が完璧に伸びきっていたのでレフェリーがストップに入るかと思ったその瞬間、ロドリゲズは何とか身体をずらしポイントを外す。それでも田上は左肘を捻るがそれもロドリゲズが何とか耐えラウンド終了。 最終ラウンドはお互いにスタミナ切れながらもパンチと首相撲からの膝蹴りの攻防。そして田上はテイクダウンを奪うとパスガード。そのまま再び腕十字にもっていきロドリゲズを追い込むが極めきれずにラウンド終了。グラウンドでの攻防を完全に制した田上の文句無しの判定勝ちとなった。
第7試合 ライト級(155ポンド/約70kg)・ルーキートーナメント一回戦 3分3R ○アルバート・ラミレズ(米国/フリースタイル・アカデミー) ×ヴィクトー・ディトーラ(米国/ケージレージ) 不戦勝(負傷)
第6試合 ライト級(155ポンド/約70kg)・ルーキートーナメント一回戦 3分3R ×ジョン・チャセィー(米国/フリースタイル・アカデミー) ○ジェームズ・クック(米国/フェアテックス / ミネソタ・マーシャルアーツ・アカデミー) 判定0-3
大会前日、抽選で組み合わせが決められた今回のルーキー・トーナメント。この一回戦のカードが決まった時点で、多くの人たちがこの試合が今大会のベストバウトになると予想したが、その期待を裏切らない素晴らしい試合となった。 プロ・キック戦績40勝以上、ルンピニーでも試合をしたことのある本格派キックの選手のジェームズ・クックの総合デビュー戦の相手は、フリースタイル・アカデミーの若き「重戦車」プロ総合戦績4勝0敗のジョン・チャセィー。 序盤からリングを軽快なフットワークで回りながらローをばしばしとあてペースを掴むクック。しかし馬力ではまけないチャセィーは距離を詰めて首相撲からの膝蹴り。接近戦になるとクックも上下とあらゆる角度からエルボーを顔面に打ち込んでいくが、これを何発を受けながらもチャセィーはパンチで応戦。2ラウンドも一進一退の攻防が続く。 しかしペースを握っているのはローで試合を組み立てているクック。ラウンド終盤、チャセィーは飛びついて引き込むと下から腕十字。これがキレイに決まり、タップしたと勘違いしたチェセィーは腕を放してしまい、次の瞬間にゴング。ギリギリのところ勝負を決められなかった。 引き込めば一本取れると確信したチャセィーは最終ラウンド、打撃をかいくぐり何度も飛びついてクックを引き込むが、総合は初めてとはいえ、リング経験では大ベテランのクックはこれを冷静にガード。すぐに立ち上がるとスタンディングからキックの連打。それでもチャセィーは起き上がり、サウスポーからのコンビネーションで前に出ると再び引き込むが、クックは寝技に付き合わずそのまま試合終了。 判定は手数で勝ったクックに軍配が上がったが、打撃で互角の打ち合いを魅せ、2ラウンド最後には腕十字も決めたチャセィーとの実力差はほとんどない。再戦すればチャセィーが勝つのでは?と思ってしまう程の「重戦車」振りをチャセィーには今後も注目だ。
第5試合 ライト級(155ポンド/約70kg)・ルーキートーナメント一回戦 3分3R ○マット・モーリン(米国) ×ジャスティン・シップマン(米国) 2R 0'31" タップアウト (チョークスリーパー)
ベテラン・グラップラーのモーリンは1ラウンドは打撃に付き合ったが、2ラウンド開始早々組み合ってから後ろに倒すと、そのままバックをとりチョークスリーパーでフィニッシュ。得意の体勢にもっていけば強いというグラップラー魂を魅せたような試合だった。
第4試合 ライト級(155ポンド/約70kg)・ルーキートーナメント一回戦 3分3R ○マーカス・レヴェッセァー(米国) ×マイク・サンチェズ(米国) 1R 1'23" TKO (レフェリーストップ:グラウンドで顔面への膝蹴り)
今年の5月に大学を卒業したアマレス界の怪物マーカス・レヴェッセァーが遂に総合デビュー。アマレス・フリースタイル全米大学選手権(ディビジョン3)4連覇。アマレス戦績155勝0敗。大学4年間で無敗、無引き分けは米大学のレスリング史上二人目という快挙だ。 そんな逸材ともいえるレヴェッセァーはゴング開始と同時に豪快な右フック。これがサンチェズの頬にクリーンヒット。しかしここで追撃せずに一瞬相手をみたレヴェッセァーはすぐに電光石火のスピードで片足タックル。そのまま横四方の状態から顔面への膝蹴り。サンチュズは身体を丸め防御するがレヴェッセァーはすぐにバック回るとそこからパウンドの嵐。これに耐えきれずサンチェズがガードに引きこもうとするとレベェッセァーはパウンドを数発顔面に落すと素早くパスガード。そこから再び顔面への膝蹴り。これをモロに喰らったサンチェズの額はパックリと割れ大出血。明らかに意識朦朧となっているサンチェズをみてレフェリーが試合をストップ。軽量級のケビン・ランデルマンのようなレヴェッセァーのスピードと破壊力に満員に観衆は大声援を送っていた。 このトーナメントでは明らかに優勝候補の最筆頭といえるレヴェッセァー。二回戦の相手が誰になるのか、気になるところだ。
第3試合 ライト級(155ポンド/約70kg)・ルーキートーナメント一回戦 3分3R ×スコット・ワグナー(米国) ○ニック・エドワーズ(米国) 判定0-3
開始早々右のハイを喰らい左目を大きく腫らせたエドワーズだが、スタンドで前にでるワグナーを冷静にコントロールしグラウンドで圧倒。3−0の判定勝ちを収めた。一回戦の残り3試合は次回の1月12日大会で行われる。
第2試合 ライトヘビー級(205ポンド/約92.98kg)3分3R ○ルーカス・バウワー(米国) ×ジョー・ビラップス(米国) 2R 1'09" TKO(レフェリーストップ/グラウンドでのパンチ)
第1試合 ウェルター級(170ポンド/約77.11kg)3分3R ×フェルナンド・ゴメズ(米国) ○ボビー・ギャルヴァン(米国) 2R 2'25" TKO (レフェリーストップ/グラウンドでのパンチ)
Last Update : 11/18 14:04
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