BoutReview
記事検索 by Google

(レポ&写真) [ムエタイ] -11.3 マカオ:松本、アジア室内大会で金

第2回アジアインドアゲームズ ムエタイ競技
2007年10月29日(月)〜11月3日(土) 中華人民共和国マカオ特別行政区

  情報提供:日本アマチュアムエタイ協会(公式サイトにトーナメント表と写真掲載) 【→概要紹介記事】 【→掲示板スレッド】

◆ ライトヘビー級(81kg以下)

決勝戦
○松本哉朗
×Li Baoming(中国)
判定5-0
※松本が優勝

 松本は右足の小指を前回の試合で骨折してしまった。それを押しての試合に、序盤、パンチをもらって左目の下を3cmくらいカットしてしまう。ドクターの長いチェック(アマチュアなので直ぐに試合をストップされる可能性もある)のあと試合が再開されホッとする。その後、松本は石井の不快な判定を払拭するかのように、KOを狙いアグレッシブに蹴りやパンチを繰り出す。しかも左足でバシバシ蹴っている。結局最後までKOを狙って攻撃したが、プロテクターに阻まれKOこそ逃すが5-0の判定で中国を降し、金メダルを獲得した。

準決勝 2分4R
○松本哉朗
×Ali Ali(ヨルダン)
判定

1R この試合も松本は蹴りで勝負をする。右ロー二連発や左ミドルでポイントを稼ぐ。前回の試合でだいぶアマ方式に馴れて来たようだ。アリアリも右のローと大振りのパンチを振るうが届かない。組んでも技術的に松本の方が上手いので膝でも負けない。しかし単純な力ではアリアリの方がありそうだ。
2R アリアリは開始早々ローとパンチで前に出てくるが、松本は焦らず組んでヒザ、突き放してローを返して波に乗ってくる。右の変則ハイキックやサイドステップまで織り交ぜる。相手は右の奥足ローを蹴られ効いている。こういう展開になるとアマチュアの場合プロテクターがしっかりしているので、よっぽどの攻撃が無い限
り逆転勝ちもKOも少ない。
3R ゴングが鳴るとアリアリはまた前に出てくる。組んで力まかせでヒザに出てくるが松本に内側から首を取り返され、あっという間に逆転される。アリアリもパンチに切換え前に出るが松本は下がりながらもパンチをガードで凌ぐ。後半は完全に奥足のローが効いていた。
4R ポイントで大きく上回った松本は序盤左右のサイドキックで突き放し、パンチの4連打から奥足にローを返す。この攻撃が何度も入る、中盤には飛びヒザ蹴りまで飛び出しワンサイドになるが防具と相手の打たれ強さも手伝いKOは逃してしまう。

一回戦 2分4R
○松本哉朗(新日本キック・藤本ジム/日本ミドル級王者)
×SOTAN YOUSEF(イラン)
判定

1R パンチで押されるが蹴りを返していく。しかしパンチのクリーンヒット(何度も顔が仰け反る)が多くポイントを獲られる。
2R 松本もややペースを持ち直し右ローと左ミドルで攻める。相手はスタミナが切れてくる。
3R ペースに乗った松本はパンチが分が悪いため蹴りに切り替え前蹴り、右ロー、左ミドルでポイントを稼ぐ。
4R 相手も必死でパンチを振るってくるが組んで膝で攻め、離れて蹴りと上手くアマムエスタイルに少し馴れて来る。
松本「相手の動きは遅いけどパンチや蹴りが重く攻めずらかった、プロの素足や防具が無いのとでは戦い方に物凄い違いがありあせった」

◆ ウェルター級(67kg以下)

決勝戦 2分4R
×石井宏樹
○Kahhorov Mavolonbek(ウズベキスタン)
判定2-3
※Mavolonbekが優勝

 石井は銀メダル。試合の全般通して手数では相手のほうが上回っていたが、攻撃はほとんどブロックしていたしクリーンヒットでは上回っていた。しかし各国の5人で構成されているジャッジのうち、キャリアの無い国はクリーンヒットの見極めや細かい技術点(シンラパムエタイ=ムエタイの芸術)が出来ない為、ウズベキのアグレッシブに得点してしまってのだろう。

準決勝 2分4R
○石井宏樹
×Abusafiyah Yaser (ヨルダン)
判定5-0

 前日、日本(松本)はヨルダンと対戦し救急車で病院送りにしているので、ヨルダンはかなり燃えているはず
 1R 石井は右ローからの立ち上がりにヨルダンは左ローで入ってくる。石井はすかさず上にパンチを返しローに繋げる。ヨルダンもパンチや蹴りを振ってくるが、石井はガードにも当てさせず、バックステップやスウェーで空振りをさせる。石井がミドルに来た足を取った時、アブサフィヤーは獲られた足を軸に胴まわし回転蹴りを放つが、難なく避け上から見下ろしてプレッシャーをかける余裕がある。
 2R 相手のローやパンチは殆んど空を切るかブロックされる。石井は格の違いを見せつけ、相手が空を切った時に二発づつ攻撃を入れる。またローを避ける体制の時、下半身は避けているが、上半身は既にパンチの体制に入っているなど絶好調のようだ。このラウンド相手が左ミドルを空振りしたふりをして、バックキックに戻した一発は入ったが、あとは一発も貰っていない。
 3R このラウンドはゴングが鳴っても直ぐには入ってこないアブサフィヤー。徐々に石井のプレッシャーが効いてきたのか。攻撃も普通の攻撃が通用しない為、バックブローやバックキックを仕掛けてくるが、後ろを向いた瞬間石井の前蹴りで飛ばされるなどもはや勝ち目の無い展開となる。
 4R 石井はサイドキックや時にはサウスポーに構えたりと、自分で攻撃を入れやすい体制を自在に変えている。対して相手は八方塞で何をやってもペースに乗れない。無理やり突っ込んできた所、石井に捕まり、ももにヒザを連打され足も効いてしまう。
 ワンサイドでヨルダンを降し松本に続いてヨルダンを返り討ちにした。これで石井は決勝戦をウズベキスタンと戦う。まさに10年前のアマムエの再現である、10年前は決勝戦でウズベキスタンと当たり、前日からの高熱の為僅差で負けてしまった。今回は10年前を払拭し何としても金メダルを勝ち取って欲しい。

二回戦 2分4R
○石井宏樹(新日本キック・藤本ジム/日本ライト級王者)
×Sweidan Fadi(レバノン)
不戦勝

 石井は一回戦シード。二回戦の相手は、前日の一回戦でのイラク選手との試合でのダメージが大きかったため棄権し、石井は無傷で準決勝に駒を進めた。

Last Update : 11/04 01:05

[ Back (前の画面に戻る)]



TOPPAGE | REPORT | CALENDAR | REVIEW | XX | EXpress | BBS | POLL | TOP10 | STAFF

Copyright(c) 1997-2007 MuscleBrain's. All right reserved
BoutReviewに掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権はマッスルブレインズに属します。