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(レポ&写真) [HERO'S] 7.16 横浜:宇野・シャオリン・マンバ準決勝へ

HERO'S実行委員会
"OLYMPIA HERO'S 2007 〜 ミドル級世界王者決定トーナメント開幕戦 〜"

2007年7月16日(月/祝) 神奈川・横浜アリーナ
観衆:11,310人(主催者発表)

  レポート&写真:井原芳徳
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[HERO'Sミドル級(70kg)世界王者決定トーナメント開幕戦]

第6試合 5分3R
○宇野 薫(日本/和術慧舟會東京本部)
×永田克彦(日本/新日本プロレス・NEW JAPAN FACTORY)
判定3-0 (松本30-28/岡林30-29/和田30-28)


 レスリングベースの両者はシューズ着用、サウスポーの構えでスタンドの攻防。1R、なかなか大きな動きは無かったが、終了間際に宇野がパンチの連打でチャンスをつかみかける。
 2R、永田がたびたび宇野をコーナーに詰めるが、宇野はテイクダウンを許さず。離れるとローキックと右フックを随所でヒットさせ、永田の眉間をカットする。
 後の無い永田は左目尻、右まぶたも切り、3Rの間に2度ドクターチェックを受ける。その合間にタックルで2度テイクダウンに成功するが、宇野はその都度スタンドに戻すか、リバースしてマウントを取るなど、主導権を譲らない。
 結局判定で宇野が勝利。とはいえ僅差の内容で、宇野は顔を腫らしながらマイクを持つと「勝ち方には納得が行っていない」と苦戦を認めた。バックステージでは「日本人が1人しか残らないことがプレッシャーになって動きが堅くなった」とコメント。一夜明け会見では「でもいい経験になった。決勝トーナメントはそのプレッシャーをいかにパワーに変えられるか」と話した。

第5試合 5分3R
○ブラックマンバ(インド/フリー)
×所 英男(日本/チームゼスト)
1R 4'47" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 開始すぐ、マンバの蹴りに臆することなく、所がスライディングで足にしがみつき、アキレス腱固めでチャンス。だが柔術のトレーナーの元で寝技を強化したというマンバは、きっちり防御すると長い足を所の胴に絡めてバックマウントに。立ち上がろうとする所の背後で巧みにバランスを取り、コツコツ頭にパンチを当て続ける。ようやく上になった所は、マンバの蹴り上げた足をつかんで再びアキレス腱固めを試みるが、またもマンバは防御。すると所の脇腹に肘を突き刺した後(HERO'Sルールでは反則では無い)、所の顔面に的確にパウンドと鉄槌を当て続け、返り討ちに成功した。
 前田日明HERO'Sスーパーバイザーは「マンバはまた一皮むけた。今迄HERO'Sの選手は肘打ちを使い切れていなかったが、彼は普通に使っていた」とマンバを高く評価。解説席に座った谷川貞治FEG代表は「所君は足関にこだわり過ぎた。宇野君や宮田君のように胴体をくっつけて、相手の長い手足を使わせない戦い方をしたほうが良かった」と所の敗因を分析した。

第4試合 5分3R
×宮田和幸(日本/フリー)
○ビトー・“シャオリン”・ヒベイル(ブラジル/ノヴァ・ウニオン)
2R 1'54" 肩固め


 1R、宮田がスタンドの攻防で、右ロー、右ハイ、バックブロー等を随所で当てる。差し合いの攻防では投げを狙い、一瞬バックを取りかけるなど、やや優勢に試合を運ぶ。だが2R、シャオリンが序盤から組み付いて上になると、ハーフから肩固めを仕掛け、そのまま一気にパスガードして絞め上げ一本。幾多の強豪を沈めてきた必殺技で、初戦を軽々と突破することに成功した。

 これでトーナメントで勝ち残ったのは宇野、マンバ、シャオリンの3人に。昨年覇者でシード選手のJ.Z.カルバンの怪我の回復が間に合わなければ、スーパーファイトで勝利したアンドレイ・ジダが選抜される予定だ。準決勝〜決勝は9/17横浜アリーナ大会で実施。組み合わせは各選手の希望をHERO'S実行委員会が聞き決定する。
 


[スーパーファイト]
 

第2試合 ミドル級 5分3R
○アンドレ・ジダ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)
×ウマハノフ・アルトゥール(ロシア/SKアブソリュート・ロシア/パンクラス・ライト級(69kg)1位)
1R 1'20" TKO (レフェリーストップ:右フックでダウン後)


 いつものようにノーガードで出方を窺うウマハノフだったが、シュートボクセ相手にこの戦法は危険過ぎたようだ。ジダが右フックをクリーンヒットすると、ウマハノフは膝から崩れフラフラの状態に。さらにジダがパンチで追い討ちを続け、レフェリーストップ勝ちをおさめた。ウマハノフはの日本での無敗記録は5でストップした。

第1試合 ミドル級 5分3R
×勝村周一朗(日本/チームゼスト・勝村道場)
○アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル/ワールドファイトセンター)
2R 1'55" KO (右フック)


 スタンドでのお見合い状態が続き、パンチの打ち合いの後、勝村が引き込んで下に。勝村は足を昇らせるが、ペケーニョはしっかり防御しブレイク。スタンドに戻ってもお見合いが続く。
 2Rもしばらくお見合いが続いたが、ペケーニョが一気に距離を詰めると、真後ろに下がった勝村に右フックをクリーンヒット。ダウンした勝村にパウンドを追撃したところでレフェリーが試合をストップした。
 ペケーニョはペルーでボクシングのトレーニングを積み、試合前からKO勝ちを狙っていたという。セコンドにもペルー人トレーナーのイバン・イベリク・リッチブル氏がついた。試合後のペケーニョはリッチブル氏がかぶっていた帽子をかぶり、喜びを現していた。

第8試合 ライトヘビー級(85kg) 1R10分・2R5分(延長R5分)
×田村潔司(日本/U-FILE CAMP)
○金 泰泳(日本/正道会館)
延長R 判定0-3 (岡林9-10/芹沢9-10/礒野9-10)

2R 判定0-1 (岡林20-20/芹沢19-20/礒野20-20)

 紹介VTRで「PRIDE対K-1」という図式が強調されたが、オールドファンにとっては、リングス対正道会館といった図式のほうがしっくりきそうなマッチメイク。古田リングアナのコールで、その空気感が際立つ。
 試合は金が右ハイ、ロー、ストレートを当て、田村が蹴り足をつかむかタックルで倒して上になるが、金ががっちり足をクロスし、膠着状態でブレイクがかかるという展開の繰り返し。急なオファーの影響もあって、次第に両者とも体力消耗の色が濃くなり、攻撃も単調に。観客の反応も悪く、判定集計中に席を立つ観客も少なく無かった。
 試合は本戦では決着がつかず延長戦へ。「延長があるとは知らなかった」という金だが、延長ラウンドが始まると的確に打撃をヒット。田村は2度タックルで上になるが膠着ブレイクでスタンドに戻される。僅差ながらもダメージと有効打の差で金に軍配が上がった。
 敗れた田村は金に蹴られた右脚を引きずりながら共同インタビューに登場し「ベストの体調じゃなかったけど、出ると決めた以上はベスト。自分の力の無さを感じた」「次のHERO'S?階段を踏み外したのだから上がる資格は無い」と話した。試合を組んだ谷川氏は「緊張感のある試合だった」と両者を讃えたが、前田氏は「秋山戦の前にやることがある。仲間内の練習ばかりしていると、少しでも違うことが試合で出て来ると対応できなくなる。昔のように出稽古をしないと」と厳しい評価だった。
 なお、金には共同インタビューで、「田村 vs. 秋山に話題が集中して、金選手の名前がなかなか出なかったので、むかつきませんでしたか?」という質問も飛んだ。金は「秋山も試合に出たいんなら、世間にお願いして、自分から言わなあかん。その意味で僕が田村選手を阻止したことになるので、秋山には自分から言わせたい」と答え、秋山にエールを送っていた。

第7試合 87kg契約 1R10分・2R5分(延長R5分)
○メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)
×ベルナール・アッカ(コートジボワール/フリー)
1R 2'13" KO (左フック)


 開始すぐ、アッカはワンツーパンチのコンビネーションからの右ハイで奇襲。差し合いの後のマヌーフの投げも凌ぐ。パンチの打ち合いにも果敢に応じたが、的確に当てるのは経験で勝るマヌーフ。再三マットに倒されても立ち上がったアッカだったが、最後はマヌーフの強烈な右左のワンツーを浴び撃沈した。

第3試合 90kg契約 1R10分・2R5分(延長R5分)
×柴田勝頼(日本/ARMS)
○ハレック・グレイシー(ブラジル/グレイシー柔術アカデミー)
1R 3'05" 腕ひしぎ十字固め


 柴田が右フックを当てるが、ハレックは組み付いて倒すとあっさりとマウントに。総合デビュー戦で、パウンドは不慣れな様子だったが、柴田のTKシザースは難なく防ぎ、隙を窺い腕十字を極め完勝した。
 谷川氏は完敗の柴田について「素質があるので、HERO'Sだけじゃなく、小さな大会でも海外でもいいから、とにかく試合経験を積んで強くなって欲しい」と話していた。


[オープニングファイト]

第2試合 88kg契約 5分2R(延長1R)
×尾崎広紀(日本/和術慧舟會東京本部)
○RYO(日本/ウエストジャパン)
判定0-3 (山崎18-20/豊永19-20/松本19-20)

第1試合 ミドル級 5分2R(延長1R)
×有村修也(日本/U-FILE CAMP登戸)
○毛利昭彦(日本/毛利道場)
判定0-3 (松本19-20/和田19-20/会田19-20)

Last Update : 07/17 09:58

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