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(レポ&写真) [パンクラス] 5.30 後楽園:川村初黒星。アスエリオ王者に

ワールドパンクラスクリエイト "PANCRASE 2007 RISING TOUR"
2007年5月30日(水) 東京・後楽園ホール

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】


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第8試合 メインイベント ライトヘビー級 5分3R
×川村 亮(パンクラスism/2位)
○ファビオ・シウバ(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー)
2R 3'43" KO (スタンドパンチ連打)

 前日計量の時同様、試合前から鋭いにらみ合いを繰り広げた両者。川村の気持ちの強さは言わずと知れたところだが、ファビオも精神力の強さを試合で発揮する。
 開始すぐ、川村がパンチの連打でチャンス。ファビオは鼻血を出し、川村の余裕勝ちにも思われた。だがファビオは首相撲からの膝蹴りで流れを引き戻す。入場後の一連のパフォーマンスは兄貴分のヴァンダレイにそっくりだったが、安易なコピーではなく、ファイトスタイルも忠実にチームの教えを吸収しているようだ。
 川村はテイクダウンで難を逃れるが、ファビオは下から足関を狙い、川村を休ませない。スタンドに戻ると、度々首相撲からの膝蹴りを顔面にヒット。前に出る戦いが信条の川村だが、カウンター狙いで回るようになってしまい、セコンドの北岡悟からも注意が。パンチが単発止まりになってしまう。

 2Rは激しいパンチの打ち合いからスタートするが、そこでもファビオが主導権。ファビオの左でダウン気味に倒れた川村だが、ロープを背に組み付き下になり、うまく誤摩化す。再びスタンドに戻ると、右フックで反撃するが、ファビオもなかなか引かない。
 スタンド勝負では分が悪くなって来た川村。ファビオを倒すと、ism勢お得意の膝十字を仕掛けるが、場所が悪くファビオが場外に出て、ブレイクがかかってしまう。
 これまで驚異的な強運を発揮して来た川村だったが、万事休す。スタンドに戻った直後、ファビオの左右のフックの連打で膝から崩れるように撃沈。ファビオが踏み付けで追い打ちをかけたところで、廣戸レフェリーが試合をストップした。

 セコンド陣と大喜びのファビオ。試合後は解説席に座るパンクラス・ライトヘビー級王者・近藤有己を指差し、「次は近藤と戦いたい」とマイクアピールした。プロ9戦目で初黒星を喫した川村。3分ほど経ってようやく立ち上がると、セコンドに支えられ四方の観客に頭を下げお詫び。だが悲壮感は無く、時折笑みを浮かべる等、初黒星で新たな覚醒をした様子だった。

◆川村「敗因は自分の技も心も体もまだまだ弱いこと。チャンスでもワンテンポ遅れて動いたのが良く無かった。カウンター狙い?試合中は夢中だったけど、今にして思うと自分のダメさ加減を感じる。(プロ初黒星について)僕はこれまで生きてきた中で何回も負けている。こっからどうするかがパンクラスismだと思う。もっと強くなりたい。どんな状況でも上を向いて行かないと。地に足をつけて。ロッキーも負けて強くなった。これからです」

第7試合 セミファイナル 第3代ヘビー級キング・オブ・パンクラス 決定戦 5分3R
×水野竜也(U-FILE CAMP登戸/1位)
○アスエリオ・シウバ(ブラジル/トータル・パンチMMA / Bodog/3位)
2R 2'08" TKO (レフェリーストップ:マウントパンチ)

※シウバが新王者に

 調印式で「戦略は言えません」と話していた水野が、右ストレートで突っ込んで来たアスエリオを、桜庭スタイルのアームロックで捕獲。下になってからも腕十字を仕掛ける等、歴戦の兵相手に互角のファイトを繰り広げる。
 だが2R開始早々、ハイキックの相打ちでスリップしてしまうと、アスエリオの鉄槌を浴び劣勢。腕十字に失敗するとサイドポジションを許す。アームロックを仕掛けたアスエリオだが、固執する事無く冷静にマウントを奪取。すると一気にパウンドの豪雨を降らし、水野を粉砕した。川村同様、海外勢に敗れた水野だが、前回のチアゴ・シウバ戦同様チャンスを作り、将来に期待を感じさせた。

◆アスエリオ「水野を1分以内で倒せると舐めていて、十分に練習をしなかった。防衛戦では3倍練習して、絶対にベルトを離さない。(前王者アルボーシャス・タイガー戦は?)やってみたい」
 

第6試合 ウェルター級キング・オブ・パンクラス 次期挑戦者決定戦 5分3R
○井上克也(和術慧舟會RJW/2位)
×大石幸史(パンクラスism/3位)
2R 2'45" KO (左ストレート)

※井上が王座挑戦権獲得

 試合は終始打撃戦。大石がストレートとボディ打ち主体なのに対し、元キック王者とのトレーニングで打撃を見直した井上は、セコンドのアドバイスどおり、左ミドルと左ストレートを交互に打ち、攻撃をうまく散らす。大石のストレートをもらうと一瞬下がるが、すぐに回復し前へ。2R、左ミドルで大石の右腕を腫らした後、左ストレートをアゴにクリーンヒット。均衡が崩れると、パンチの連打で一気に畳み掛け、王者・石毛への挑戦権を獲得した。

第5試合 ライト級 5分3R
○松田恵理也(TEAM坂口道場/3位)
×アライケンジ(パンクラス)
1R 0'23" KO (スタンドパンチ連打)


 ファーストコンタクトのアライの左ローのカウンターで、松田が左ストレートを当てると、一気に主導権。ストレートの連打でダウンさせるとサッカーボールキック。アライはタックルでしがみつき難を逃れるが、再びスタンドに戻るとストレート、サッカーボールキックの同じパターンで撃沈した。好調の松田。ライト級初代王座にさらに一歩近づいたといえよう。

第4試合 フェザー級 5分3R
○DJ.taiki(フリー/1位)
×ジャミール・“ザ・サージェント”マスー(アメリカ/フリースタイル・アカデミー / Bodog)
2R 4'50" KO (スタンドパンチ連打)


 体型も打撃主体のスタイルも似ている両者。1R、マスーが右のロングフックを当てるが、DJもローキックと首相撲からの膝蹴りで応戦。2RになるとDJの前足狙いのローが効力を発揮。ラウンド終盤に膝蹴りを当てた後、ストレートの連打でBodogの派遣選手を沈めた。

◆DJ「行けるところで行けなかった。今日の内容は50点以下。(目標のBodogは?)行きますよ!」

第3試合 ミドル級 5分2R
○金井一朗(パンクラスism)
×瓜田幸造(掣圏会館)
1R 3'50" TKO (レフェリーストップ:右フックでダウン後)

第2試合 フェザー級 5分2R
○藤原大地(パンクラス稲垣組)
×裕希斗(U-FILE CAMP.com)
判定3-0 (梅木20-18/和田20-18/廣戸20-19)

第1試合 フェザー級 5分2R
○浅野倫久(KILLER BEE)
×山澤勇紀(スタンド)
判定3-0 (小菅20-19/梅木20-19/和田20-19)

第13回ネオブラッド・トーナメント フェザー級 準決勝戦 5分2R
○吉本光志(AJジム)
×長谷川孝司(パンクラス稲垣組)
2R 3'06" TKO (レフェリーストップ:左ストレート)


 5月6日の大森大会で不完全決着に終わった一戦の再戦。1R序盤、長谷川が飛びつき腕十字からの三角絞めで奇襲を仕掛けるが、吉本は腕を挿んで防御。その後のギロチン、腕十字もしっかり防ぐ。2Rは序盤から右のテンカオを当て主導権。右ストレートでダウンさせると、長谷川のタックルも切り、最後はコーナーに詰めての左ストレートの連打で長谷川を仕留めた。

◆吉本「うれしいというより、ほっとした感じ。この期間、精神的にやりきれない思いがあった。自分自身との戦いに勝てた。(いきなりピンチに立ったが?)何をやってくるのかだいたいわかった。ピンチに負けない精神力はキックボクシングで身につけた。(7/27後楽園の決勝に向けて)やっとスタート台に立てた。トーナメントは優勝以外は負けだと思っている。」

Last Update : 05/31 12:56

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